…なぜだろう。なんで俺はこんなに気分がよくなっているんだ?

空が綺麗だなんて感じたのは、いつぶりだろう…。


「ちょっと、聞いてるの響輝?」

「あ?なに…」


ふと、道路を挟んで反対側の道を歩く花楓を見つける。

花楓もあの後すぐに学校を出たんだ。

その顔はやっぱりどこか元気をなくしたように沈んでいる気がした。


「あの子、響輝の知り合い?」


俺の視線に気づいたらしいオトが花楓を見て首を傾げていた。


「隣の家に住んでる、幼なじみ。って言っても、別に今は仲良くねぇけど」

「え、なんで?幼なじみとか超憧れるんだけど!作ろうと思ったって、大人になってからじゃ作れない大切な存在なのに。どうして仲良くないの?」

「…昔は多少は関わっていたけど、俺はこんなんだし、あいつはクラスの人気者の立ち位置にいるから関わることが自然となくなっていっただけ。学級委員もやってるからか俺のこと何かと気遣ってくれるけど、きっと頼まれてなかったら俺となんて関わってないだろうな」


バシッとオトに思いっきり肩を叩かれ、思わずギョッとして隣を向く。