「じゃあさ、私が証明してみせる」

「…は?」

「とっておきの自作ソングを作って、世界中に私の歌を響かせるよ。約束する。“絶対”なんかなくたって、諦めなければ夢は叶うって私が証明してみせるよ」


そんなの無理だとわかっている。

…だけど、もしかしたらオトなら俺の腐ったこの世界を変えてくれるような、なぜかそんな気がした。

少なくとも、そのくらいオトには人の心を惹きつける才能がある。


「少年はさ…」

響輝(ひびき)

「…え?」

「響くの“響”に輝くの“輝”で響輝。名前教えたんだから、もう少年って呼ぶな。うざいから」


オトがぱっと嬉しそうに笑った。


「響輝…とっても素敵な名前だね」

「俺はこの名前が大嫌いだ」


名前なんて、ただの飾り。