目が覚めたのは、8月31日の25時のことだった。
わたし達以外のひとたちの時間に合わせて言うなら、9月1日の午前1時。8月が終わってから、すでに1時間も経っていた。塩素の匂いともソーダの匂いとも程遠い、この世界で1番清潔な匂いに鼻孔をくすぐられた。
真っ白な病室の中では、さめざめと泣く女性と困ったように眉尻を下げて弱々しく微笑む母親だけが、わたしが目覚めるのを待っていた。2人からここが病院であり、今が何日であるか聞かされるまでは、なにが起こっているのかわからなかった。いや、聞かされたからといって、全てがわかるわけではないけれど。
まあ、それはそのはずで。だってわたしは、本当はこの日を迎えるはずじゃなかったのだから。
せっかくの真っ白な天国みたいな景色でも、あまりにも見知った顔を見れば、ここが現実世界であることは嫌でもわかってしまう。
だから『ああ結局失敗したんだ、伊丹は』とだけ、回りきってない頭の中で思った。そして同時にあの後伊丹はどうなったのだろうと思ったが、それを確認できるほどの気力も余裕も今のわたしにはなかった。
「……真白。言いたいことはいろいろあるけど、とりあえず。そうね、あなたが生きててよかった」
目覚めてすぐのまだなにもわからないままの脳みそをフル回転させて、そう言ったのが母だと理解する。意外とこういう時は、優しい言葉をかけるんだな。なんて思わず考えてしまう。その場に上半身を起こすのもなんだか怠くて、白いベッドに身体を沈めたまま、何も言わずに母を見つめた。
今のわたしにまともに動かせるのは、精々がんばっても瞳と脳みそ以外にはなさそうだった。それくらい身体の中心に鉛を沈められたみたいに、逃げ場のない重苦しい疲労感に襲われていた。
「この度は、本当に申し訳ございませんでした」
母親の声とは違い、ひどく震えた声が聞こえる。動かせる最大限に顔を声のする方に向ければ、さめざめと泣いていた女性がわたしに向かって深く頭を下げていた。
「とんでもないです。顔を上げてください。自らあの場に行った娘にだって責任はあります」
「……そんな、息子が……お宅の大切なお嬢さまに」
「いいんです……いいんです、娘は無事ですから」
大人の会話だな、なんてぼんやりと2人のやりとりを聞いていた。変なの。わたしに対してこのひとは謝っているのに、母は勝手にわたしのことを知ったように許そうとしている。
「ねえ、お母さ……」
「だから」
せめて誰が誰に対して謝っているのかだけでも知りたかった。だから、呼びかけたのに。母がその女性に語りかけた声で、その答えは思ったよりもかんたんに出てしまった。
「伊丹さん、顔を上げてください」
伊丹。とまだ動かしづらい唇を開いて、声にならないか細い息でゆっくりと聞き覚えのある名前を呼んだ。そうか。このひとは、わたしに対して必死に頭を下げて謝っている人は、伊丹の母親なんだ。と半テンポ遅れてようやく理解する。
よく見れば、たしかに面影がある、ような気もする。
「……あ、あの。伊丹は……」
震えていた、わたしの声も。ひさしぶりに声にしたからか、それとも彼の名前を呼んだからか。今のわたしにはまだ答えを出せずにいた。
「息子は……」
嗚咽まじりにそれだけ言うと、その後は堰を切ったように溢れだす涙と嗚咽にかき消されてよく聞こえなかった。けれどそれだけで、伊丹がどうなったのか察しがついてしまうくらいには、わたしはもう大人だった。
それだけではなにもわからないほどに子どもなら、きっとわたしは今ここにはいない。はず、だから。
「あなたを巻き込もうとしたんでしょう……?」
「……いえ、彼は」
失敗しました?
諦めたんだと思います?
彼は、の後に続く言葉がわたしにはどれだけ想像をしてもわからなくて、押し黙るしかなかった。
「電話が来たんですよ、息子から」
と前置きをして、依然瞳には涙をためたまま伊丹の母親はわたしが知らないプールサイドでの彼の独白を、ぽつりぽつりと教えてくれた。
どうやら彼はあの後割とすぐに、持病の発作を起こして自らの死期を悟ったらしく、息も絶え絶え母親に電話をかけたらしい。そこで子どもみたいに泣きながら、死にたくない死にたくないと繰り返していたらしい。そして、その恐怖心を紛らわすために、クラスメイトを巻き込んで殺そうとした。でも、出来なかった。なぜか……を語る前に、彼は急に死にたくない、本当は誰よりも死ぬのが怖い、ひとりにしないでと言ったきり何も言わなくなってしまったという。そして程なくして、彼の手によって電話は切られた。母親の心配と、嫌な予想はその後に何度かけ直してもかからなかった電話の通りに、当たることになる。救急隊が現場に着いた時には、既に彼は帰らぬ人になっていたという。
彼自身と向き合ったときもつくづく思っていたけれど、人づてに聞いてもやっぱり伊丹はよくわからないひとだった。
ひとりで死にたくないと母親に電話をかけるほどに、本気でそう思っていたくせに。獅子に狙いを定められた獲物よりもかんたんに殺せるはずのわたしが、あの時の彼の目の前にはいたはずなのに。彼はわたしを殺して、道連れにすることを、結局選ばなかった。
なぜか、わたしだけ生きている。
わたしだけ彼の迎えられなかった8月の向こう側にいる。生きているといえばいいのか、生かされているといえばいいのか。なんとも不気味で不思議な心地だった。
なぜ、その答えを知る彼はもういない。それだけが、今ベッドに横になったわたしが知りえるたしかなことだった。
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この世から彼が消えても、始業式は行われる。
いつもと変わらない夏休みの終わりですよ、みたいな顔をした教室に、ぽつんと生けられた花だけが異質で。夏休み前と同じ服を着て、同じ顔をしたなにひとつ変わらないみんなが、いつも通りを装いきれずに彼がいないことに思わず涙を流してしまう。異質な空間だった。気持ち悪い。死んだのが伊丹じゃなかったら、気持ち悪いなんて思わずにすんだのかな。
せり上がってくる胃液を吐き出して体育館を汚す前に、自らの足で保健室に向かって、せっかく生き残れたのに始業式をサボってしまった。
たったひとつの花瓶と、たったひとりの死。
事実を並べればたったそれだけのことなのに。
夏休み明けの心がまだ浮ついたままの生徒たちの間には、センセーショナルな話題として彼の死は急速に広まり、まだ始まっていないのに既にお通夜みたいな雰囲気が学校全体を包み込もうとしていた。気持ち悪い。気持ち悪い、本当は認めたくないと思う自分がいることも。彼は人気者なまま、死んだんだ。なんて、そう嫌でもわからされることも。誰も彼が"タミ"であったことも、8月31日のプールサイドにいたことも知らないくせに。
生前の彼が刷り込んできたイメージ通り、彼はみんなの彼なまま悼まれていた。だからわたしが今更なんと声を上げようと、もう彼のイメージを覆すことも出来ないのだと、これもまた強引にわからされた。
わたしの机に花瓶が乗せられた日。何食わぬ顔でいつも通り登校してきて、こちらを一瞥しただけですぐに顔をそらした伊丹。そんな彼が花を生けた本人であるなんてひとたび口を滑らせれば、花瓶が置かれた机の亡き主への冒涜だとかなんとか、いじめた彼ではなく、いじめられたわたしがみんなから責められるのだろう。ああ、なんて世界は理不尽なのだろう。
けれども、彼がこの世にいないおかげか、今日は朝から一度も自分の物が無くなることはなかった。高校2年生になってから、初めて平和な1日を過ごせたような気がした。
でも心の奥がじりじりと焦がされるように痛む。
せめてひとつでも無くなってくれれば、"タミ"だけは信じていられたのに。伊丹を悼むことは出来なくても、タミを悼めたかもしれなかったのに、なんて。
そう考えれば考えるほど、わたしを最悪な気持ちにさせてくる。もういないはずの彼が想像以上にわたしの心の奥深くまで巣食っていて、死後も継続的に不快感を残していくなんて、思ってもみなかった。
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そんな彼のお葬式は、思ったよりもすぐに執り行われた。始業式の次の次の日の夜には、高校からそう遠く離れていない斎場に溢れんばかりの人々が集まっていた。
不思議な気分だった。彼のいない日々が始まって、既に2日経っていることにも。なにもない平和で、平坦な日々が2日も続いていることも。伊丹がいなくなったことでこのクラスは本来は思ったよりも静かで、毎日太陽が陰ってしまった曇天みたいな色をしていたことも。学校の外でこんなにも多くの同じ制服の人間たちが集まることも。花の匂いとお線香の匂いと消毒液が混じったような独特な香りに包まれていることも。
そしてわたし以外に、彼の裏の顔を知る者がいないことも。彼がいなくなって清々している。正直な気持ちを述べよ。と言われれば、きっと今のわたしはそう言ってしまうだろう。誰も聞いていない時なら、きっと。
「まだ若いのにね……」
「明るくて、やさしくて、良い人だったのに」
「親よりも早く亡くなるなんて」
「まだまだ楽しいことが溢れている年だっただろうに」
「文化祭、一緒に回ろうぜって話してたのに」
「行きたい大学があるって言ってたのに」
会場内で耳を澄ませれば、嗚咽に混じってそんな声がどこらともなくぽこりぽこりと湧いては消えていく。老若男女問わず、彼らはそう零しては大きすぎるくらいの嗚咽も添えていく。そして嗚咽が消えていく瞬間に、みんながみんな口を揃えて『可哀想にね』と付け足していった。お経が遠くの方から聞こえてきてはまた『可哀想にね』と聞こえてくる。
『可哀想にね』
なにも知らないくせに。
『可哀想にね』
彼は9月を生きなくてすんだ。
『可哀想にね』『可哀想にね』『可哀想にね』
お焼香の列が会場の真ん中に長く長く伸びて、伸びて、伸び続けたのを見て、みんなはまた口々に彼を可哀想だと決めつける。
気が付けば会場全体に『可哀想にね』があふれていた。花に囲まれた彼はよく焼けた肌で満面の笑みを浮かべている。わたしがまだよく知らなかった頃の彼の姿。でもきっとみんなの中では最も彼らしい姿で、会場のみんなへ笑いかけている。似合わない遺影。と毒づきながら、お焼香を待つ列から踵を返して、可哀想にまみれた会場を後にする。
斎場から出て、足が向くままに歩く。9月になっても、まだまだ夜でも蒸し暑い。ちいさくちいさく遠慮がちに鳴いている蝉の声を聞きながら、コンビニにすこしだけ寄り道をして、学校へと続く並木道をひたすら歩く。
悔しかった。なぜかはわからない、けれど途方もなく、ただひたすらに悔しかった。理由もわからずに膜が張ってしまった瞳から涙が溢れてしまうのは癪で、空を見上げる。
群青色に染まった空に散りばめられた星を見て、彼に縋られた8月を思い出す。あの日、あの場所で死ねたことで、結果的に彼は叶えてしまったんだなと思う。
『8月の終わりに息を止めたい』
なんて突拍子がないくせに、切実で、唯一の救いであるかのように、輝いていたわたしたち2人の願いを。
ひとりで勝手に。壊したもの、残したものの気持ちなんて考えずに。なんて伊丹を思い返せば思い返せすほど、彼はやっぱりひとの痛みがわからない最低な人間だ、と思った。
だけど、彼だってわたしだって……と考えながら、もう一度歩き出す。さっきまでとは違い、つま先が意思を持ってわたしの身体を、あの日彼と過ごしたプールサイドに運んでいく。
数日しか経ってないはずなのに、鼻につく塩素の匂いはどこか懐かしく、不思議とわたしを安心させた。プールサイドにぺたりと座り込んで、さっきコンビニで買っておいた線香花火のパッケージを破る。
『僕は線香花火"は"好きだよ』
いつの日か、タミはそう教えてくれた。それじゃあ、いつか一緒に勝負でもする? なんて返したのを、彼はただやさしく肯定してくれた。これは伊丹への送り火じゃない。あくまで伊丹に可哀想だと笑われたわたしと、彼の中で死んでしまったタミへの送り火。
そう心の中で決めてから、線香花火の先端に火をつける。ほんのりとまあるく灯ったちいさな光は、あたたかくやさしい。わたしに手を差し伸べてくれた日のタミを彷彿とさせるやさしさだった。信じてた、信じたかった。出来るなら最期まで。信じていたかった、タミを。よくわからない痛みのわからない伊丹じゃなくて、わたしに寄り添って光になってくれたタミを。どこまでもどこまでも信じて、後ろに隠れながら生きていれば、すこしだけ楽に息ができたような気がするから。
でも結局タミの後ろで楽に生きていても、タミは伊丹がいないと存在できないし、ひとりの人間のほんの一部にすぎない存在によっかからないと生きられないなんて、わたしがあまりにも可哀想すぎる。
……可哀想。いや彼は、伊丹は可哀想なんかじゃない。タミも、わたしも、可哀想なんかじゃない。
一度心の底でそう唱えてから、唇をゆっくりと動かしながら、小さな声で
「彼も、わたしも、可哀想なんかじゃない」
と口に出してみる。
わたしも彼も可哀想なんかじゃない。だから彼は可哀想じゃないし、わたしも可哀想なんかじゃない。
いつだってわたしという存在、わたしの価値を決めるのは他人ではなくてわたしであるべきだから。
可哀想か可哀想じゃないか、なんて当人にしかわからないのだから。なにも知らない人に勝手に決めつけられたくないし。わたし以上に彼を知らない人間に憶測で可哀想がられたくない。きっとそれだけが、彼と今のわたしを繋ぐ唯一の共通項。
だから、線香花火で彼を送った。
寂しい、のかな。わからないや。
パチパチと火花を四方八方へ飛ばしながら、燃えていく線香花火を眺めながら、ふと思う。
彼と過ごした夏はもう戻らない、なんて。
花火の灯りしかない暗い暗いプールサイドをスマートフォンのカメラの中におさめる。決して出来なかったお焼香のかわり、ではないけれど。タミとのお別れ。伊丹にいじめられたわたしへのお別れ。ぼんやりとプールサイドを照らす二本の線香花火の写真を載せた投稿を最後に、ましろんの垢からログアウトした。
この場所は今のわたしにはもう必要がないから。タミもましろんも、この世にはもういない。8月の終わりに2人とも息を止めた。伊丹とわたしは道を違えたけれど、彼ら2人はましろんを救ったタミと、タミの支えになったましろんだけでもわたしと彼の世界の中で、穏やかに絶望して手を取り合っていれば、それでいい。
そう願って、わたしは線香花火のまあるい灯りがぽとりとプールサイドに落っこちるのを待った。
プールの横の校舎への扉の鍵がたまたま開いていた。だから線香の匂いを纏ったまま、わたしは教室に急いだ。彼のお葬式が終わる前に、彼がこの世から完全にいなくなる前に、やらなければならないことがあるのを思い出したから。誰もいない夜の廊下は、プールサイドよりもひんやりとしていて、ああここには本当に誰もいないんだって教えてくれているようだった。
いじめられていたわたしが、いじめていた彼の机の上に置かれた花瓶の水をかえる。それが彼がまだこの世に留められている間にしておきたいことだった。
仕返しのような、けじめのような複雑な気持ちがぐちゃぐちゃに混ざって、うまく言葉にならない。たった数日で濁ってしまった花瓶の中の水みたい。
許せない。
きらい。
だから、一生伊丹のことはわからないままでいい。
わかって、彼の中にまたタミを見出してしまうのが怖い。いなくなって清々するのに、彼がいないことを寂しくなんか思いたくない。恨むべき人を、うまく恨めなくなること、それがなによりも恐ろしかった。
彼との思い出はぜんぶ痛いし、青いし、気持ち悪い。
でも、忘れられない。きみのせい、ぜんぶ。
そう、ぜんぶ。きみのせい。
わたしのこの気持ちも、花瓶の水をかえるだけで綺麗になればいいのに、なんて。きっと皮肉だと言いながら、自ら彼の机の花瓶に手を触れるわたしにはわかっていた。好きでも嫌いでもなければ、わざわざ彼の死を悼む悼まないに迷うことも、花瓶に手を触れることも、彼のことでうだうだと頭を悩ますこともなかった、と。
悔しい。
本当の彼を知っているのもわたしだけで、本当に彼を悼んであげられるのもわたしだけなんて。あんなに誰からも愛された人気者だったのに。
悔しい。
伊丹に対して、無関心になれたらよかった。
悔しい。
嫌いなひとの中に、やさしさと光を一瞬でも見てしまったことが。恨みたいのに、恨みきれない。
悔しい。
そんな彼を可哀想と称したひとたちから、間接的にいじめられたわたしまで可哀想だなんて言われたことも。
悔しい、悔しい、悔しい。
そう考えていたせいか、花瓶の中に注いでいたはずの綺麗な水が手洗い場の中に溢れだす。綺麗に生けられていた花が、水の流れに乗ってゆらりゆらりと流されていく。手洗い場についていた汚れをゆっくりゆっくりとなぞりながら。
無性に泣きたくなる気持ちを抑えて、必死にその場で深呼吸を繰り返してから、流された花を掴んで花瓶の中に戻した。花びらからぽたりぽたりと雫が落ちる以外に、目立った汚れがなくて不思議と安堵する。
誰のために、なんのための安堵かはわからない。
もとに戻った花瓶と花を横目に、蛇口をしっかりとしめる。キュッ、キュッ。そんな甲高い音が、わたし以外誰もいない廊下に響いた。
それからゆっくりともう一度だけ深呼吸をする。
花瓶を持ち上げ、丁寧に底についた水滴を拭ってから、教室に戻った。そして最初からそうだったかのように、伊丹の机の上に戻した。
やっぱりひとの痛みがわからない伊丹なんか嫌いだよ。だからわたしがズタボロになったって生きて、伊丹が体験できない分痛い思いもたくさんして死後に自慢して、ひとの痛みについて教えてあげる。
彼の好きな可哀想なましろんじゃなくて、彼に生かされた真白として死んでしまった8月の先を生きてやる。
手始めはまだまだ真っ白な9月から、だから精々そこから一生見ていたらいい。わたしを殺し損なった最低で、最悪で、でもやさしくて憎みきれないきみは。
そう心の中で彼へ語りかけてから、暗い教室を後にした。ひんやりとした廊下で何度息をしても、もうソーダの匂いも線香花火の香りもしなかった。



