======== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 ================
 物部満百合(まゆり)・・・物部一朗太と栞(しおり)の娘。
 久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
 大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。(欠席)
 福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
 依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。
 服部千香乃(ちかの)・・・服部源一郎とコウの娘。
 南原未玖(みく)・・・南原龍之介と文子(ふみこ)の娘。
 山城みどり・・・山城順と蘭の娘。
 愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。

 南出良(みなみでりょう)・・・転校生。千香乃と同じクラス。
 片山継男・・・一輪車大会で、悦子と争った。今はカレシ。悦子と婚約したばかりだが、頭が上がらない。

 藤堂所縁・・・小学校教師。ミラクル9顧問。
 鈴木栄太・・・小学校校長。
 物部一朗太・・・喫茶店アテロゴのマスター。満百合の父。
 辰巳一郎・・・アテロゴのウェイター。
 辰巳泰子・・・アテロゴのウエイトレス。
 物部栞・・・元童話作家。満百合の出産を機に完全に引退。今は時折、アテロゴを手伝っている。

 原田美和子・・・原田正三と伊登子の娘。
 草薙あきら・・・元EITO出向の警視庁事務官。今は、発明家。
 ケイトリン・ギルバート・・・なぎさとロバートの子。夏休みで来日中。

 愛宕みちる・・・悦司の母。現在はEITO東京本部の副隊長をしている。
 愛宕寛治・・・悦司の父。 丸髷署生活安全課課長。警部。
 大文字学・・・おさむの父。小説家。一応、専業主夫。


 ==============================
 ==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==

 午後3時。モール外の公園。
 健太郎達が野球の『紅白試合』をしている。
 ベンチに、美和子が座った。
 ベンチに、ケイトリンが座った。
 ミラクル9は、恐怖した。
 一緒になって遊んでいる藤堂も嫌な気配を感じた。

 入道雲は、どんどん成長しつつあった。

 美和子とケイトリンの間に座っていた鈴木校長は、神に祈った。
 何を?平和を。

 ゲリラ豪雨に、一同は、アテロゴに避難した。
 モールは、何処も盛況だ。帰るに帰れない状況だから。

 アテロゴに行くと、『貸し切り』になっていた。
 満百合のスマホが鳴った。
 電話に出てみると、母の栞だった。
 「そのままじゃ風邪引くわ。皆を案内して裏口から入りなさい。」

 アテロゴは、色んな事件に遭遇して、増築改造してあった。
 そして、EITOの防犯システムの監視下にある。

 順番に、泰子と栞が指揮して、着替えルームでバスタオルを借りて体を拭く。
 無論、『女子優先』だ。
 藤堂と鈴木校長は、通りがかった草薙の自動車に乗せて貰い、モールの駐車場から店に急いだ。
 3人が店に入ると、店は強盗に入られていた。
 「今、売り上げ渡したろ。トイレには『宝石』はないぜ。」と、物部は言った。
 藤堂は、素早くDDバッジを押した。『関係者』全員が持っているバッジは押すと、EITOの緊急システムで、110番しなくても警察に連絡が行く。
 「お邪魔だったかな?じゃ・・・。」と出て行こうとする鈴木に、「見て分からないのか?お前ら纏めて人質だ。警察が来たら・・・。」
 強盗の1人が言いかけた時、トイレからドヤドヤと出てきたミラクル9。
 健太郎がブーメランを投げ、悦司が、他の強盗の1人に『張り手』を繰り出した。
 美和子が先ほどの強盗を羽交い締めにし、ケイトリンがドロップキックを見舞った。
 残り3人の強盗に、みどり、満百合、未玖、満百合、悦子、千香乃が塩や胡椒を撒いた。
 15分ほどして、愛宕警部が警察官と共に逮捕連行をした。
 「相手と場所が悪かったな。強盗容疑で現行犯逮捕。ミラクル9、ご苦労だった。」
 午後6時。愛宕家。
 「悦司の張り手が効いたんだね。美和子ちゃんとケイトリンは?犬猿の仲なんでしょ?」
 「仲直りしたみたい。皆やきもきしてたけど。でも、おさむの事は・・・。」
 「おさむ君の事は?」「はんぶんこ、するって。」
 愛宕とみちるは爆笑した。
 「大変だな、身が持たないぞ。で、おさむ君は?」と愛宕が尋ねると、「盛大なくしゃみしたから、草薙さんが送って行った。」
 午後6時。伝子のマンション。
 おさむが盛大なくしゃみをした。
 「今夜は、おかゆにするか。」と、学は微笑んだ。

 ―完―