======== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
物部満百合(まゆり)・・・物部一朗太と栞(しおり)の娘。
久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。(欠席)
福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。
服部千香乃(ちかの)・・・服部源一郎とコウの娘。
南原未玖(みく)・・・南原龍之介と文子(ふみこ)の娘。
山城みどり・・・山城順と蘭の娘。
愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。
南出良(みなみでりょう)・・・転校生。千香乃と同じクラス。
片山継男・・・一輪車大会で、悦子と争った。今はカレシ。悦子と婚約したばかりだが、頭が上がらない。
藤堂所縁・・・小学校教師。ミラクル9顧問。
鈴木栄太・・・小学校校長。
物部一朗太・・・喫茶店アテロゴのマスター。満百合の父。
辰巳一郎・・・アテロゴのウェイター。
==============================
==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==
午後3時。アテロゴ。
カウンターに座っている、鈴木校長に辰巳がコーヒーを置く。
「ありがとう。」
「ねえ、先生。」と、物部がカウンター越しに尋ねる。
「七夕って、なんで新暦の七月七日にお祭りするんです?笹に短冊つけて。」
「いきなり結論を言うと面白くないかも知れませんが、テレビの影響、いや、マスコミの影響でしょうね。擦り込まれているんです。新暦七月七日に織り姫と彦星が天の川でランデブー、いや、1年に一回のデートをするとか。デートのことはともかく、七夕祭りの時期は3種類あるんです。1つ目は新暦七月七日、2つ目は『伝統的七夕』と言って旧暦の七月七日、3つ目は『月遅れの七夕』と言って、八月七日。有名な東北のお祭りなんかは、このパターンですね。」
「じゃ、笹は?何か意味あるんですか?」と辰巳が尋ねた。
「七夕に笹を飾るのは、笹が神聖な植物とされ、生命力や邪気払いの力があると信じられてきたからです。神社の神事に笹を使いますよね。また、笹の葉が風に揺れる音は、神様を招く音とされ、願い事を書いた短冊を吊るすことで、天の神様に願いを届けると考えられてきました。まあ、七夕の日が地域によってバラバラだから、神様も困るでしょうねえ。」
「まあ、飾ったりお祀りしたりする人の気持ち次第ってことですかね。無粋ですが、関連で商売する人もいますからね。関西の『えびすさま』、『えべっさん』みたいに。」
「絵馬も同じだよね。」、と、いつの間にか来ていた高遠が言った。
「でしょうね。高遠さんは書くんですか?」「え?絵馬ですか?短冊?機会があれば書きますが、必ずって訳でもないです。」
「何、話してるの?父さん。」
「美和子派か?ケイティ派か?だよな。」と、物部は意地悪く割り込んだ。
鈴木は、笑いながら、話の子細をミラクル9に話した。
「あまり、語られないんだけどね、私が調べた資料によると、相思相愛の織り姫・牽牛は仕事さぼってばかりだから、年に1度、って罰を与えられたらしい。」
「皆も、ルールは守らなきゃね。」と、後から来た藤堂が言った。
「はーい。」元気のいい返事が返って来た。
午後11時。伝子のマンション。
「何、見てるの?」「短冊。」
短冊には、『父さんと母さんが何時までも仲のいい夫婦でありますように』と書いてあった。
「じゃ、仲良くしようか、婿養子。」「え?」
―完―
============== 主な登場人物 ================
物部満百合(まゆり)・・・物部一朗太と栞(しおり)の娘。
久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。(欠席)
福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。
服部千香乃(ちかの)・・・服部源一郎とコウの娘。
南原未玖(みく)・・・南原龍之介と文子(ふみこ)の娘。
山城みどり・・・山城順と蘭の娘。
愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。
南出良(みなみでりょう)・・・転校生。千香乃と同じクラス。
片山継男・・・一輪車大会で、悦子と争った。今はカレシ。悦子と婚約したばかりだが、頭が上がらない。
藤堂所縁・・・小学校教師。ミラクル9顧問。
鈴木栄太・・・小学校校長。
物部一朗太・・・喫茶店アテロゴのマスター。満百合の父。
辰巳一郎・・・アテロゴのウェイター。
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==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==
午後3時。アテロゴ。
カウンターに座っている、鈴木校長に辰巳がコーヒーを置く。
「ありがとう。」
「ねえ、先生。」と、物部がカウンター越しに尋ねる。
「七夕って、なんで新暦の七月七日にお祭りするんです?笹に短冊つけて。」
「いきなり結論を言うと面白くないかも知れませんが、テレビの影響、いや、マスコミの影響でしょうね。擦り込まれているんです。新暦七月七日に織り姫と彦星が天の川でランデブー、いや、1年に一回のデートをするとか。デートのことはともかく、七夕祭りの時期は3種類あるんです。1つ目は新暦七月七日、2つ目は『伝統的七夕』と言って旧暦の七月七日、3つ目は『月遅れの七夕』と言って、八月七日。有名な東北のお祭りなんかは、このパターンですね。」
「じゃ、笹は?何か意味あるんですか?」と辰巳が尋ねた。
「七夕に笹を飾るのは、笹が神聖な植物とされ、生命力や邪気払いの力があると信じられてきたからです。神社の神事に笹を使いますよね。また、笹の葉が風に揺れる音は、神様を招く音とされ、願い事を書いた短冊を吊るすことで、天の神様に願いを届けると考えられてきました。まあ、七夕の日が地域によってバラバラだから、神様も困るでしょうねえ。」
「まあ、飾ったりお祀りしたりする人の気持ち次第ってことですかね。無粋ですが、関連で商売する人もいますからね。関西の『えびすさま』、『えべっさん』みたいに。」
「絵馬も同じだよね。」、と、いつの間にか来ていた高遠が言った。
「でしょうね。高遠さんは書くんですか?」「え?絵馬ですか?短冊?機会があれば書きますが、必ずって訳でもないです。」
「何、話してるの?父さん。」
「美和子派か?ケイティ派か?だよな。」と、物部は意地悪く割り込んだ。
鈴木は、笑いながら、話の子細をミラクル9に話した。
「あまり、語られないんだけどね、私が調べた資料によると、相思相愛の織り姫・牽牛は仕事さぼってばかりだから、年に1度、って罰を与えられたらしい。」
「皆も、ルールは守らなきゃね。」と、後から来た藤堂が言った。
「はーい。」元気のいい返事が返って来た。
午後11時。伝子のマンション。
「何、見てるの?」「短冊。」
短冊には、『父さんと母さんが何時までも仲のいい夫婦でありますように』と書いてあった。
「じゃ、仲良くしようか、婿養子。」「え?」
―完―


