======== この物語はあくまでもフィクションです =========
============== 主な登場人物 ================
物部満百合(まゆり)・・・物部一朗太と栞(しおり)の娘。
久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。(欠席)
福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。
服部千香乃(ちかの)・・・服部源一郎とコウの娘。
南原未玖(みく)・・・南原龍之介と文子(ふみこ)の娘。
山城みどり・・・山城順と蘭の娘。
愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。
南出良(みなみでりょう)・・・転校生。千香乃と同じクラス。
片山継男・・・一輪車大会で、悦子と争った。今はカレシ。悦子と婚約したばかりだが、頭が上がらない。
藤堂所縁・・・小学校教師。ミラクル9顧問。
鈴木栄太・・・諸学校校長。
物部一朗太・・・喫茶店アテロゴのマスター。満百合の父。
辰巳一郎・・・アテロゴのウェイター。
辰巳泰子・・・アテロゴのウェイトレス。
==============================
==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==
※「魔の7歳」とは、小学校1年生、特に7歳前後の子供が交通事故に遭いやすい時期を指す言葉です。この時期は、子供たちが一人で行動する機会が増え、交通ルールへの理解がまだ不十分なため、事故に遭うリスクが高まります。
午後3時。アテロゴ。
愛宕が、交通安全のチラシを見ながら唸っている。
「『魔の7歳』か。愛宕氏。いや、警部。お互いよく乗り切ったよな。」
「ええ。悦司もみんなも同い年だから、同時に危険な年代ゾーンに入ったから、と言われましたよね、警視正に。当時警視に。」
「警戒心の一つは、皆親がEITOとの闘いに巻き込まれていたこともあるが、お互いにお互いの子供を見る習慣が出来ていたせいもある。EITOの活躍もあってか、少しは世の中平和になったのかな?親の気が緩んでいるんだな。モールでも迷子事件があったし。」
「時間だな。ごちそうさま。」愛宕は、遅い昼食とコーヒーを済ませ、帰って行った。
辰巳が、愛宕が残して行った、チラシを張り直して言った。
「さすが、久保田警視正。『その子、誰の子?手を離したら、そこで迷子よ。』ご自分でも健太郎君を育てたから、よく分かっているんですね。」
「そう。親の目線での呼びかけ、説得力あるわ。」と、泰子が言った。
「油断大敵、とはよく言ったものだ。小学校上がると、息切れしちまうのかな?学校に行くようになったから安心、なんて。安心かどうかはともかく、学校で授業受けてる時間以外は、学校の管理外だ。」
「よく言ってくれました、マスター。モールの駐車場で亡くなった子供は、親が買物に夢中で目を離したから。無理矢理学校を訴えていた親は、訴訟を取り下げました。」
そう言いながら入って来たのは、藤堂だった。鈴木校長もいた。
「来月に入って梅雨も明ければ、もう夏休み。これから、新1年生の『魔の季節』です。問題の親は、終業式の日に、お子さんを亡くしていたようですね。マスターのおっしゃるように、学校を出たら、学校の管理外。送り迎えがない生徒だっている。友達と行動を共にしていても、はぐれれば、迷子になる。いけないことはいけないこと。ぴしりと叱ると『悪者にされてしまう』なんて被害者意識もあるそうです。心がまだ『大人』じゃない。」
そこへ、どやどやとミラクル9が入って来た。
今日は午後から雨が降ったり止んだり。野球もサッカーも出来ない。
ミラクル9は、モールのシネコンのロビーで、サッカーの試合中継を観てきたのだ。
「どっち、勝った?」と辰巳が健太郎に尋ねると、「肝心なとこで中継終了。まあ、そんなもんさ。」と、溜息をついた。
大人達に『魔の7歳』の話を聞くと、おさむが、「美和子の妹が7歳。妹の友達が自動車に轢かれそうになった時、2人を助けたらしい。妹の友達のお母さんに説教したんだって。」
「さすが、美和子ちゃんらしいな・・・何で、おさむは詳しいの?」と悦司は尋ねた。
「メール送ってくるんだよ。」と、おさむは困惑しながら言った。
「メール?メール交換してるの?おさむ。」と言う健太郎に、「ケイティと張り合ってるのよ。」と、満百合は、それとなく言った。
「ああ。」と、皆は納得した。
どうやら、三角関係は続いているらしい。
藤堂と鈴木校長、辰巳夫妻が笑いを堪えていた。
―完―
============== 主な登場人物 ================
物部満百合(まゆり)・・・物部一朗太と栞(しおり)の娘。
久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。(欠席)
福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。
服部千香乃(ちかの)・・・服部源一郎とコウの娘。
南原未玖(みく)・・・南原龍之介と文子(ふみこ)の娘。
山城みどり・・・山城順と蘭の娘。
愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。
南出良(みなみでりょう)・・・転校生。千香乃と同じクラス。
片山継男・・・一輪車大会で、悦子と争った。今はカレシ。悦子と婚約したばかりだが、頭が上がらない。
藤堂所縁・・・小学校教師。ミラクル9顧問。
鈴木栄太・・・諸学校校長。
物部一朗太・・・喫茶店アテロゴのマスター。満百合の父。
辰巳一郎・・・アテロゴのウェイター。
辰巳泰子・・・アテロゴのウェイトレス。
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==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==
※「魔の7歳」とは、小学校1年生、特に7歳前後の子供が交通事故に遭いやすい時期を指す言葉です。この時期は、子供たちが一人で行動する機会が増え、交通ルールへの理解がまだ不十分なため、事故に遭うリスクが高まります。
午後3時。アテロゴ。
愛宕が、交通安全のチラシを見ながら唸っている。
「『魔の7歳』か。愛宕氏。いや、警部。お互いよく乗り切ったよな。」
「ええ。悦司もみんなも同い年だから、同時に危険な年代ゾーンに入ったから、と言われましたよね、警視正に。当時警視に。」
「警戒心の一つは、皆親がEITOとの闘いに巻き込まれていたこともあるが、お互いにお互いの子供を見る習慣が出来ていたせいもある。EITOの活躍もあってか、少しは世の中平和になったのかな?親の気が緩んでいるんだな。モールでも迷子事件があったし。」
「時間だな。ごちそうさま。」愛宕は、遅い昼食とコーヒーを済ませ、帰って行った。
辰巳が、愛宕が残して行った、チラシを張り直して言った。
「さすが、久保田警視正。『その子、誰の子?手を離したら、そこで迷子よ。』ご自分でも健太郎君を育てたから、よく分かっているんですね。」
「そう。親の目線での呼びかけ、説得力あるわ。」と、泰子が言った。
「油断大敵、とはよく言ったものだ。小学校上がると、息切れしちまうのかな?学校に行くようになったから安心、なんて。安心かどうかはともかく、学校で授業受けてる時間以外は、学校の管理外だ。」
「よく言ってくれました、マスター。モールの駐車場で亡くなった子供は、親が買物に夢中で目を離したから。無理矢理学校を訴えていた親は、訴訟を取り下げました。」
そう言いながら入って来たのは、藤堂だった。鈴木校長もいた。
「来月に入って梅雨も明ければ、もう夏休み。これから、新1年生の『魔の季節』です。問題の親は、終業式の日に、お子さんを亡くしていたようですね。マスターのおっしゃるように、学校を出たら、学校の管理外。送り迎えがない生徒だっている。友達と行動を共にしていても、はぐれれば、迷子になる。いけないことはいけないこと。ぴしりと叱ると『悪者にされてしまう』なんて被害者意識もあるそうです。心がまだ『大人』じゃない。」
そこへ、どやどやとミラクル9が入って来た。
今日は午後から雨が降ったり止んだり。野球もサッカーも出来ない。
ミラクル9は、モールのシネコンのロビーで、サッカーの試合中継を観てきたのだ。
「どっち、勝った?」と辰巳が健太郎に尋ねると、「肝心なとこで中継終了。まあ、そんなもんさ。」と、溜息をついた。
大人達に『魔の7歳』の話を聞くと、おさむが、「美和子の妹が7歳。妹の友達が自動車に轢かれそうになった時、2人を助けたらしい。妹の友達のお母さんに説教したんだって。」
「さすが、美和子ちゃんらしいな・・・何で、おさむは詳しいの?」と悦司は尋ねた。
「メール送ってくるんだよ。」と、おさむは困惑しながら言った。
「メール?メール交換してるの?おさむ。」と言う健太郎に、「ケイティと張り合ってるのよ。」と、満百合は、それとなく言った。
「ああ。」と、皆は納得した。
どうやら、三角関係は続いているらしい。
藤堂と鈴木校長、辰巳夫妻が笑いを堪えていた。
―完―


