======== この物語はあくまでもフィクションです =========
 ============== 主な登場人物 ================
 物部満百合(まゆり)・・・物部一朗太と栞(しおり)の娘。
 久保田健太郎・・・久保田誠とあつこの息子。
 大文字おさむ・・・大文字伝子と学の息子。
 福本めぐみ・・・福本英二と祥子の娘。
 依田悦子・・・依田俊介と慶子の娘。
 服部千香乃(ちかの)・・・服部源一郎とコウの娘。
 南原未玖(みく)・・・南原龍之介と文子(ふみこ)の娘。
 山城みどり・・・山城順と蘭の娘。
 愛宕悦司・・・愛宕寛治とみちるの息子。

 愛宕寛治・・・悦司の父。警視庁警部。
 草薙あきら・・・元EITO出向の警視庁事務官。現在は、発明家として自宅工房で研究をしている。
 南原龍之介・・・未玖の父。学習塾を開いている。
 南原文子・・・未玖の母。学習塾を父から引き継いでいるが、結婚を機に「南原学習塾」と塾の名を変えた。
 鈴木栄太・・・小学校校長。
 物部一朗太・・・喫茶店アテロゴマスター。満百合の父。

 ロバート・ギルバート・・・EITOの元オスプレイ・パイロット。米陸軍大佐。
 なぎさ・ギルバート・・・EITOの元エマージェンシーガールズ副隊長。米海軍中佐。
 ケイトリン・ギルバート・・・ロバートとなぎさの娘。8歳。

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 ==ミラクル9とは、大文字伝子達の子供達が作った、サークルのことである。==
 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==

 正午。南原邸。
 「ケイトリンよ。みんなはケイティって言うわ。」
 文子が、大きなサンドイッチのバスケットを持って来た。
 午後1時。
 鈴木校長は、南原夫妻に別れを告げ、帰って行った。
 モールに向かう途中で、草薙も自宅に帰った。
 健太郎達がアテロゴに向かう途中、自転車置き場で、ハンマーやペンチを使っている中学生達がいた。
 「自転車ど・・・。」なぎさが言い終わる前に、悦司が前に出て言った。
 「手伝おうか?」
 中学生達は、脱兎のごとく駆けだした。
 不動産屋の近くで、満百合が先回りしていた。満百合は、体が小さく細いし、気も小さい。でも、走るのはミラクル9でピカイチだった。
 「ダメよ、逃げちゃ。」
 「なんだとう!」中学生の1人が満百合に殴りかかった。
 ブーメランが3つ、跳んできた。
 一つ目は、健太郎のブーメランだった。二つ目は、なぎさのブーメランだった。そして、三つ目が持ち主の手に戻った。持ち主はケイティだった。
 みどり達の通報で、愛宕警部と警察官達が駆けつけた。
 「ち、違うんだ。」中学生が言い訳をしようとした。
 おさむが愛宕警部にデジカメを渡した。
 「分かった。違いを確認しよう。署まで来て貰おうか。」
 愛宕警部は冷然と言った。
 「貫禄が出たわね、愛宕さん。」「一佐・・・いや、なぎささん。みちるには?」
 「おねえさまには、メールしておいたわ。」
 午後2時。喫茶店アテロゴ。
 「それで、一佐・・・いや、中佐だっけ?どれくらい日本にいられるだ?」
 物部はレモンティーをなぎさとケイティに渡しながら、なぎさに尋ねた。
 「一週間。所属が違うから、休暇を合わせるのが大変だった。東京は、今日一日。そもそもが、この子が日本に興味を持ったから。普段から、英語と日本語教えているから、興味を持ったのね。」
 健太郎達男子は、なぎさと物部の昔話に聞き入っていた。
 満百合達女子は、盛んにケイティと話していた。
 なぎさのスマホが鳴動した。
 画面を見て、なぎさは物部に言った。
 「闘いが終ったようよ。みちるの作戦勝ち、いや、おねえさまの、か。。お暇するわ。マスター。行くわよ、ケイティ。」
 モールの外れまで健太郎達が見送ると、爆音と共にロープが降りて来て、なぎさは敬礼すると、ロープを握った。ケイティがしがみついた。
 やがて、2人は空に消えた。
 ―完―