「先生!先生からも言ってください!佳月の実力じゃ東京の大学なんて行けっこないって!
ちょっと勉強が出来るからって、つけ上がってるんですよこの子は!よくない!本当によくない!!」
三者面談の席で、俺が予想した通りに母は物凄い勢いで、俺の東京行きを反対した。
余りの勢いに、中年のくたびれたスーツを着た男の担任も圧倒されていた。
「まあまあ、お母さん!成瀬の実力ならここに書かれてる大学なら頑張れば合格圏内で心配ないですよ」
「そういう問題じゃないんですよ!この子は生まれた時からここですくすく育ってきたんですよ!見ての通り、人よりもかなり大きくなったでしょ?それはやっぱりここの空気が良かったからなんですよ?そんな東京なんて汚い所行かせられません!!」
「ちょっと待てよ!空気が問題なら、じゃあ北海道とかならいいわけ?」
俺が段々イライラしてきて聞いてみると、母はあっさり認めた。
「北海道ならいいわよ。北海道にしなさいよ」
「はぁ〜何なんだよ!基準がさっぱりわかんねぇ!!」
俺達がその後も言い合いを続けていると、担任が面倒になったのか俺達二人に言ってきた。
「話しがまとまらない様なので、とりあえず持ち帰ってまた家族で相談してきてくださいね。
決まり次第、進路調査表は提出お願いします」
そんな事を言って俺達を廊下に出してしまった。担任が一番嫌がっていた親子で間違いなかったと思う。
俺も母も、二人とも怒りが収まらずそのままむすっとしたながら廊下を歩いていた。
その時、前から灯が母親と一緒に歩いてきた。
初めて灯の母親を見たが、かなり痩せていたが高そうなスーツを着てかなりの美人に見えた。
「あっ、佳月!景子さん!」
灯が俺達に気がつくと、声をかけてきた。
「灯ちゃーん!」母は、灯を見つけるとさっきの怒りが何処かへ消えたのか、にこにこして灯に手を振った。母親同士がお互いに存在に気がつくと、どちらともなく挨拶を交わした。
「どうも、佳月がいつも灯ちゃんにお世話になっております」
「いえ、こちらこそ。灯がいつもお邪魔して申し訳ございません。ご飯までご馳走になっていて、一度お礼に伺わなければと思っていたんですが、ご挨拶が遅れました」
「そんなそんな、こちらこそバイト代も払わないでピアノを弾いてもらって申し訳ないのはこっちなんで、気を使わないでください」
「いえ、、、ピアノを弾きたがらないこの子が、そちらでだけは弾いているみたいで安心しているんです」
灯の母は力なく笑った。
「水上さん!」灯の教室から先生が出てきた、灯達が呼ばれたので、俺達はまた軽く会釈をしてその場を去った。
ちょっと勉強が出来るからって、つけ上がってるんですよこの子は!よくない!本当によくない!!」
三者面談の席で、俺が予想した通りに母は物凄い勢いで、俺の東京行きを反対した。
余りの勢いに、中年のくたびれたスーツを着た男の担任も圧倒されていた。
「まあまあ、お母さん!成瀬の実力ならここに書かれてる大学なら頑張れば合格圏内で心配ないですよ」
「そういう問題じゃないんですよ!この子は生まれた時からここですくすく育ってきたんですよ!見ての通り、人よりもかなり大きくなったでしょ?それはやっぱりここの空気が良かったからなんですよ?そんな東京なんて汚い所行かせられません!!」
「ちょっと待てよ!空気が問題なら、じゃあ北海道とかならいいわけ?」
俺が段々イライラしてきて聞いてみると、母はあっさり認めた。
「北海道ならいいわよ。北海道にしなさいよ」
「はぁ〜何なんだよ!基準がさっぱりわかんねぇ!!」
俺達がその後も言い合いを続けていると、担任が面倒になったのか俺達二人に言ってきた。
「話しがまとまらない様なので、とりあえず持ち帰ってまた家族で相談してきてくださいね。
決まり次第、進路調査表は提出お願いします」
そんな事を言って俺達を廊下に出してしまった。担任が一番嫌がっていた親子で間違いなかったと思う。
俺も母も、二人とも怒りが収まらずそのままむすっとしたながら廊下を歩いていた。
その時、前から灯が母親と一緒に歩いてきた。
初めて灯の母親を見たが、かなり痩せていたが高そうなスーツを着てかなりの美人に見えた。
「あっ、佳月!景子さん!」
灯が俺達に気がつくと、声をかけてきた。
「灯ちゃーん!」母は、灯を見つけるとさっきの怒りが何処かへ消えたのか、にこにこして灯に手を振った。母親同士がお互いに存在に気がつくと、どちらともなく挨拶を交わした。
「どうも、佳月がいつも灯ちゃんにお世話になっております」
「いえ、こちらこそ。灯がいつもお邪魔して申し訳ございません。ご飯までご馳走になっていて、一度お礼に伺わなければと思っていたんですが、ご挨拶が遅れました」
「そんなそんな、こちらこそバイト代も払わないでピアノを弾いてもらって申し訳ないのはこっちなんで、気を使わないでください」
「いえ、、、ピアノを弾きたがらないこの子が、そちらでだけは弾いているみたいで安心しているんです」
灯の母は力なく笑った。
「水上さん!」灯の教室から先生が出てきた、灯達が呼ばれたので、俺達はまた軽く会釈をしてその場を去った。



