次の週になって、水上と話しをしようと思ったが、なかなか勇気が出せなくて話しかける事が出来なかった。水上は明らかに俺を避けているし、休み時間に近づこうとしても直ぐに由香ちゃんが水上に話しかけたり、水上が風太の所へいってしまったりして、中々つかまえる事が出来なかった。
昼休みの終わりに、食堂から帰ってきた水上が一人でいたので、俺は勇気を出して声をかけた。
「水上!」
俺が呼びかけると、水上は少し驚いた顔でこっちを見た。久しぶりに水上と目が合った気がした。水上の切れ長の目が俺を捉えると、俺はどきりとした。何とか話そうとしたその時、後ろから由香ちゃんの声がした。
「灯ー!午後の練習メニューの事でコーチが話しあるって!」
水上は、俺から目を逸らして由香ちゃんの方を向くと「今いくー!」と返事をした。水上は何も言わずに俺の方を見たが、俺は思わず「いいよ、行って、、、」と言うと、水上はそのまま由香ちゃんの方に走っていってしまった。
そんな俺を後ろから見ていた涼太が笑っていた。
「何やってんの?お前下手くそかよ」
「何だよ!見てんなよ!」
涼太が俺の肩を組んできたので、その腕を振り解いた。涼太は相変わらずにやにやしていた。
「灯ちゃんへの気持ちにやっと気づいたのかな?佳月君、本当に鈍感だね」
(えっ、、、?涼太まで何言ってんだ?俺涼太に何の話しもしてないよな?)
「お前、水上とどうなってるの?チョコ貰ってたよな?」
涼太がまた笑い出した。俺はだんだん腹がたってきた。
「あれは義理チョコだけど?」
「義理チョコ?でも水上は本命しか渡さないって言ってたぞ?」
そうだよ、あの日水上は言っていた『本命しかあげないから』って、、、。
「アホだな。本命に"義理じゃないと受け取れない"って言われたから泣く泣く俺にくれたんだよ。せっかく作ったのに自分で食べるのは辛すぎるからって」
"うん。まぁ、だから義理なら貰うよ"
俺はあの日、水上にそう言った、、、。俺はハッとして気がついた。
「ねえ、馬鹿なの?灯ちゃんがお前の事を好きだなんて、お前以外の人間は全員気づいてたぞ?」
俺は、、、本当にあほかもしれない、、、。
涼太の言う通りだ、、、。
「いつから、、、?」
「う〜ん、夏休み前?ほら、俺がお前のじいちゃんちの喫茶店でご飯食べた後、灯ちゃん送って行った時あったろ?その時に聞いたんだよ。
『ひょっとして、佳月が好きとかないよね?』
って、そしたら灯ちゃんすぐに認めたよ。
『成瀬君の事が好きだよ。初めて会った時から一目惚れだったんだ。でも内緒ね、成瀬君鈍感っぽいから』って」
(初めて会った時、、、?)
俺は入試の日、初めて会った水上を思い出していた。
『四月にまた会おう!』
そう言って笑った水上の顔が浮かんだ。
あんな時から俺の事を思っていてくれたのか?
水上が何度も俺に見せてきた、悲しそうな表情を思い出した。
水上に振り回されていたと思っていたけれど、振り回して散々傷つけていたのは俺じゃないか?
昼休みの終わりに、食堂から帰ってきた水上が一人でいたので、俺は勇気を出して声をかけた。
「水上!」
俺が呼びかけると、水上は少し驚いた顔でこっちを見た。久しぶりに水上と目が合った気がした。水上の切れ長の目が俺を捉えると、俺はどきりとした。何とか話そうとしたその時、後ろから由香ちゃんの声がした。
「灯ー!午後の練習メニューの事でコーチが話しあるって!」
水上は、俺から目を逸らして由香ちゃんの方を向くと「今いくー!」と返事をした。水上は何も言わずに俺の方を見たが、俺は思わず「いいよ、行って、、、」と言うと、水上はそのまま由香ちゃんの方に走っていってしまった。
そんな俺を後ろから見ていた涼太が笑っていた。
「何やってんの?お前下手くそかよ」
「何だよ!見てんなよ!」
涼太が俺の肩を組んできたので、その腕を振り解いた。涼太は相変わらずにやにやしていた。
「灯ちゃんへの気持ちにやっと気づいたのかな?佳月君、本当に鈍感だね」
(えっ、、、?涼太まで何言ってんだ?俺涼太に何の話しもしてないよな?)
「お前、水上とどうなってるの?チョコ貰ってたよな?」
涼太がまた笑い出した。俺はだんだん腹がたってきた。
「あれは義理チョコだけど?」
「義理チョコ?でも水上は本命しか渡さないって言ってたぞ?」
そうだよ、あの日水上は言っていた『本命しかあげないから』って、、、。
「アホだな。本命に"義理じゃないと受け取れない"って言われたから泣く泣く俺にくれたんだよ。せっかく作ったのに自分で食べるのは辛すぎるからって」
"うん。まぁ、だから義理なら貰うよ"
俺はあの日、水上にそう言った、、、。俺はハッとして気がついた。
「ねえ、馬鹿なの?灯ちゃんがお前の事を好きだなんて、お前以外の人間は全員気づいてたぞ?」
俺は、、、本当にあほかもしれない、、、。
涼太の言う通りだ、、、。
「いつから、、、?」
「う〜ん、夏休み前?ほら、俺がお前のじいちゃんちの喫茶店でご飯食べた後、灯ちゃん送って行った時あったろ?その時に聞いたんだよ。
『ひょっとして、佳月が好きとかないよね?』
って、そしたら灯ちゃんすぐに認めたよ。
『成瀬君の事が好きだよ。初めて会った時から一目惚れだったんだ。でも内緒ね、成瀬君鈍感っぽいから』って」
(初めて会った時、、、?)
俺は入試の日、初めて会った水上を思い出していた。
『四月にまた会おう!』
そう言って笑った水上の顔が浮かんだ。
あんな時から俺の事を思っていてくれたのか?
水上が何度も俺に見せてきた、悲しそうな表情を思い出した。
水上に振り回されていたと思っていたけれど、振り回して散々傷つけていたのは俺じゃないか?



