俺は週末の土曜日の夕方に、茜先輩を駅前のカフェに呼び出した。
週末ということもあり、駅前は人通りが多かった。日も暮れはじめ、皆んなが家路につく頃俺は早くついたコーヒーショップで、ブラックコーヒーを飲みながら、落ち着かないでいた。
自分の気持ちに気づいてしまってから、俺は自覚すればする程、水上への思いが溢れてきてしまった。
この思いは、茜先輩に抱いていた憧れのような気持ちとは全く別物だった。前からそうだった、自分でも感じた事のない感情を水上に抱いていて、この感情の正体が何だかわかっていなかった。
店内には落ち着いたクラシックが流れていた。聞こえる曲全てが悲しい別れの曲のような気がして、気分が滅入った。
暫く一人でコーヒーを飲んでいると、茜先輩が足早に店内に入ってきた。
俺に気がつくと、少しぎこちなく笑って、俺の座っている前の席に座った。
「ごめんね、またせちゃった?」
茜先輩がそう言うと、俺は首を振った。
茜先輩はオーダーにきた店員に、カフェオレを頼むと俺の方を向いた。二人の間に重苦しい空気が漂っていた。気を取り直そうと、コーヒーを口にいれたが、ブラックコーヒーの苦味が胸の辺りに広がって余計に重苦しく感じた。
「茜先輩、、、今日は先輩に話しがあって呼び出しました」
先輩は俺が話し出すと、わかっていたように少し悲しそうに笑った。先輩のカフェオレが来ると、先輩は一口飲んでから話しだした。
「ずっと前から何となくわかってたの」
「え、、、?」何の事を先輩が言っているのかわからなくて俺は聞き返した。
「佳月君、本当は灯ちゃんの事が好きだったよね」
そんな事をまさか先輩に言われると思わなくて、俺は戸惑っていた。自分でも気づいていなかった気持ちに先輩はずっと前から気づいていたんだ。
「私といるより、灯ちゃんといる時の方が凄く楽しそうだったよ。だから、いつも不安で灯ちゃんと距離を取って欲しいって言ってたけど、逆効果だったみたいだね。
灯ちゃんと離れた事で、佳月君、自分の気持ちにやっと気づいたんだね」
何て馬鹿な男なんだろう。
茜先輩を傷つけて、水上を傷つけてからじゃないと自分の気持ちに気づかないなんて、本当に最低だとしか言いようがない。
「すみませんでした、、、。俺は結局茜先輩の事も呼び捨てですら呼ぶことも出来なくて、いつまで経っても、茜先輩は憧れの茜先輩のまま踏み込む事ができませんでした」
「そうだね、、、佳月君からの好きな気持ちは感じていたけれど、それは愛情ではなくて憧れだったよね。だからいつまでも私達、恋人にはなれなかった」
ずっと好きだった。憧れていた。
今だって目の前にいる茜先輩の事が好きだし、大切な人に変わりはない、、、。
けれど、水上を思うこの胸から湧き上がるような苦しさや痛みは何なんだろう。
「俺、水上の事が好きです」
はっきりそう言うと、先輩はマグカップを持つ手を少し震わせて頷いた。
「じゃあ、私の所じゃなくてちゃんと好きな人の側にいなきゃダメだよ」
俺はお金を置いて、泣き出しそうな先輩の前を去った。このままここにいても、先輩に何もしてやれない。ずっと好きだった。茜先輩と付き合う事は俺の夢だった。それなのに、俺はちっとも先輩を幸せにする事が出来なかった。俺の初恋は間違いなく茜先輩で、幸せな思いも沢山したが、結局本当の恋愛はわからず、苦味を多く感じた初恋だった。
週末ということもあり、駅前は人通りが多かった。日も暮れはじめ、皆んなが家路につく頃俺は早くついたコーヒーショップで、ブラックコーヒーを飲みながら、落ち着かないでいた。
自分の気持ちに気づいてしまってから、俺は自覚すればする程、水上への思いが溢れてきてしまった。
この思いは、茜先輩に抱いていた憧れのような気持ちとは全く別物だった。前からそうだった、自分でも感じた事のない感情を水上に抱いていて、この感情の正体が何だかわかっていなかった。
店内には落ち着いたクラシックが流れていた。聞こえる曲全てが悲しい別れの曲のような気がして、気分が滅入った。
暫く一人でコーヒーを飲んでいると、茜先輩が足早に店内に入ってきた。
俺に気がつくと、少しぎこちなく笑って、俺の座っている前の席に座った。
「ごめんね、またせちゃった?」
茜先輩がそう言うと、俺は首を振った。
茜先輩はオーダーにきた店員に、カフェオレを頼むと俺の方を向いた。二人の間に重苦しい空気が漂っていた。気を取り直そうと、コーヒーを口にいれたが、ブラックコーヒーの苦味が胸の辺りに広がって余計に重苦しく感じた。
「茜先輩、、、今日は先輩に話しがあって呼び出しました」
先輩は俺が話し出すと、わかっていたように少し悲しそうに笑った。先輩のカフェオレが来ると、先輩は一口飲んでから話しだした。
「ずっと前から何となくわかってたの」
「え、、、?」何の事を先輩が言っているのかわからなくて俺は聞き返した。
「佳月君、本当は灯ちゃんの事が好きだったよね」
そんな事をまさか先輩に言われると思わなくて、俺は戸惑っていた。自分でも気づいていなかった気持ちに先輩はずっと前から気づいていたんだ。
「私といるより、灯ちゃんといる時の方が凄く楽しそうだったよ。だから、いつも不安で灯ちゃんと距離を取って欲しいって言ってたけど、逆効果だったみたいだね。
灯ちゃんと離れた事で、佳月君、自分の気持ちにやっと気づいたんだね」
何て馬鹿な男なんだろう。
茜先輩を傷つけて、水上を傷つけてからじゃないと自分の気持ちに気づかないなんて、本当に最低だとしか言いようがない。
「すみませんでした、、、。俺は結局茜先輩の事も呼び捨てですら呼ぶことも出来なくて、いつまで経っても、茜先輩は憧れの茜先輩のまま踏み込む事ができませんでした」
「そうだね、、、佳月君からの好きな気持ちは感じていたけれど、それは愛情ではなくて憧れだったよね。だからいつまでも私達、恋人にはなれなかった」
ずっと好きだった。憧れていた。
今だって目の前にいる茜先輩の事が好きだし、大切な人に変わりはない、、、。
けれど、水上を思うこの胸から湧き上がるような苦しさや痛みは何なんだろう。
「俺、水上の事が好きです」
はっきりそう言うと、先輩はマグカップを持つ手を少し震わせて頷いた。
「じゃあ、私の所じゃなくてちゃんと好きな人の側にいなきゃダメだよ」
俺はお金を置いて、泣き出しそうな先輩の前を去った。このままここにいても、先輩に何もしてやれない。ずっと好きだった。茜先輩と付き合う事は俺の夢だった。それなのに、俺はちっとも先輩を幸せにする事が出来なかった。俺の初恋は間違いなく茜先輩で、幸せな思いも沢山したが、結局本当の恋愛はわからず、苦味を多く感じた初恋だった。



