(なんだよ、こんな時に、、、)
俺は焦りながらもイライラして前を見ると、こんな田舎ではあまりない渋滞が起きていた。
今日は本当についていない。こんな日に試験を受けても、受かる気がしなかった。
俺が一人窓の外を眺めて絶望していると、さっきバスに飛び乗ってきた、女子中学生が運転席まで歩いていって運転手に話しかけた。
「これっていつになったら動きますか?」
女子中学生の質問に、運転手も困ったように、考えこんでいた。
「いやぁ、、、なんか前で大きな事故みたいだよ?いつ動くかは何とも言えないなぁ」
「困ります!私今日、開陵高校の入試なんですよ!間に合わなかったら落ちます!抜け道行ってください!」
かなり無茶な事を言っているので、俺は少しびっくりしたが、やっぱり彼女も同じ高校を受験するらしかった。
「抜け道って、、、タクシーじゃないんだから、それは無理だよ。バスはルートが決まってるんだから」
「そこを何とか!お願いします!」
更に頼みこんでいるので、周りの乗客も彼女と運転手のやり取りに注目していた。
しかし、凄い度胸だと思った。俺も何とかして欲しいが、流石に運転手にそんなお願いは出来なかった。ただ"終わった、、、"としか思えなかった。
「いや、いくら頼まれてもそれは無理だよ。諦めなさい。勝手な事をしたら、俺がクビになっちゃうよ。他の乗客もいるんだから、ほら座って座って」
運転手が彼女を追い払おうとしたら、彼女が大きな声で言った。
「降ります!!!!」
運転手も、他の乗客も、俺も彼女の大声にびっくりした。
「走ります!!ここで降ろしてください!!」
開陵高校までは、ここからだとまだ距離があった。特に最後は小さな山を登って行かなきゃならなかったので、だいぶ体力的に辛いだろう。
「早く、ドア開けてください!間に合わないんで!」
彼女の剣幕に驚いたのか、運転手がバスの扉を開いた。その時、彼女は何故か後ろの座席に座っていた俺の所へきて腕を引っ張った。
「君も入試でしょ?一緒に降りよう!」
「え、、、?」
俺は呆気に取られたまま、彼女に引っ張られて、一緒にバスを降りてしまった。肌を刺すような冷たい空気がまとわりつく。バスの中と打って変わって、外は冬の寒さで吐く息が白かった。バスを降りると彼女は歩道を駆け出したので、俺も彼女に続いて走り出した。
「やばい、、、君、学校までの道わかる?」
「え、、、?わかんないのにバス降りたの?」
道がわからないのに、何処へ走っていくつもりだったのだろうか?俺はにわかに信じられない表情で彼女をみた。切れ長の大きな目と、小さな口がネコっぽさを連想させる顔をしていた。
「私、方向音痴なの!ここが何処かもわかんない!君、前走って!」
(俺に道案内をさせる為に、俺をバスから降ろしたのか?凄い女だな、、、)
俺は腑に落ちなかったが、時間もないので高校までの道を走っていった。俺は部活の体験で、夏休み中に開陵高校へ通ったので道順はわかっていた。
俺は焦りながらもイライラして前を見ると、こんな田舎ではあまりない渋滞が起きていた。
今日は本当についていない。こんな日に試験を受けても、受かる気がしなかった。
俺が一人窓の外を眺めて絶望していると、さっきバスに飛び乗ってきた、女子中学生が運転席まで歩いていって運転手に話しかけた。
「これっていつになったら動きますか?」
女子中学生の質問に、運転手も困ったように、考えこんでいた。
「いやぁ、、、なんか前で大きな事故みたいだよ?いつ動くかは何とも言えないなぁ」
「困ります!私今日、開陵高校の入試なんですよ!間に合わなかったら落ちます!抜け道行ってください!」
かなり無茶な事を言っているので、俺は少しびっくりしたが、やっぱり彼女も同じ高校を受験するらしかった。
「抜け道って、、、タクシーじゃないんだから、それは無理だよ。バスはルートが決まってるんだから」
「そこを何とか!お願いします!」
更に頼みこんでいるので、周りの乗客も彼女と運転手のやり取りに注目していた。
しかし、凄い度胸だと思った。俺も何とかして欲しいが、流石に運転手にそんなお願いは出来なかった。ただ"終わった、、、"としか思えなかった。
「いや、いくら頼まれてもそれは無理だよ。諦めなさい。勝手な事をしたら、俺がクビになっちゃうよ。他の乗客もいるんだから、ほら座って座って」
運転手が彼女を追い払おうとしたら、彼女が大きな声で言った。
「降ります!!!!」
運転手も、他の乗客も、俺も彼女の大声にびっくりした。
「走ります!!ここで降ろしてください!!」
開陵高校までは、ここからだとまだ距離があった。特に最後は小さな山を登って行かなきゃならなかったので、だいぶ体力的に辛いだろう。
「早く、ドア開けてください!間に合わないんで!」
彼女の剣幕に驚いたのか、運転手がバスの扉を開いた。その時、彼女は何故か後ろの座席に座っていた俺の所へきて腕を引っ張った。
「君も入試でしょ?一緒に降りよう!」
「え、、、?」
俺は呆気に取られたまま、彼女に引っ張られて、一緒にバスを降りてしまった。肌を刺すような冷たい空気がまとわりつく。バスの中と打って変わって、外は冬の寒さで吐く息が白かった。バスを降りると彼女は歩道を駆け出したので、俺も彼女に続いて走り出した。
「やばい、、、君、学校までの道わかる?」
「え、、、?わかんないのにバス降りたの?」
道がわからないのに、何処へ走っていくつもりだったのだろうか?俺はにわかに信じられない表情で彼女をみた。切れ長の大きな目と、小さな口がネコっぽさを連想させる顔をしていた。
「私、方向音痴なの!ここが何処かもわかんない!君、前走って!」
(俺に道案内をさせる為に、俺をバスから降ろしたのか?凄い女だな、、、)
俺は腑に落ちなかったが、時間もないので高校までの道を走っていった。俺は部活の体験で、夏休み中に開陵高校へ通ったので道順はわかっていた。



