夏が終わり、すっかり肌寒くなり枯れ葉が舞い散る季節になっていた。水泳部の大会もひと段落した十月下旬、俺と茜先輩は部活が休みの日にデートへ出かけた。先輩がずっと見たいと言っていた、映画を見て、ご飯を食べた。
少し前の自分なら、茜先輩とデートに行くなんて考えられない事だった。今でも隣りを歩いている先輩を見ていると、自分の彼女とは思えなかった。
「佳月君、映画面白かった?あんまり興味なかったやつなんじゃない?」
今日茜先輩と見た映画は、女子高生の泣けるラブストーリーだった。女子に人気の映画で、前から茜先輩が見たいと言っていた、映画だった。正直に言うと、俺はラブストーリーなんかは全く興味はなかったが、先輩が見たい映画を見るのが重要だった。日曜日の混雑した映画館の出口を出ると、俺達くらいの若いカップルが沢山出てきた。
「そんな事ないですよ。ラストなんて、あと少しで涙止まんないとこでしたよ」
「絶対に嘘。ちょっとうとうとしてなかった?」
「まさか〜そんなわけないですよ」
茜先輩は、俺の顔を疑わしい表情で見ていたが、すぐに笑顔になって、そして俺の手を握った。俺は急に心臓がドクドクいって、血流が大きく流れだした気がした。先輩は、二人になるとよく手を繋いできたが、俺はそれだけで、途端に緊張した。全てが初めてで、目に映る物全てが新鮮で、これが恋愛なんだと知った。
それは、映画のラブストーリーのように大袈裟な恋愛ではなかったが、俺の胸が高鳴り続けるような、小さな恋だった。
俺と茜先輩は、順調に交際を続け、初めてのクリスマスを一緒に過ごす事になっていた。イルミネーションを見て、夜は少しおしゃれなレストランに行く事になった。
学校の帰りのバスで、水上にその話しをすると、水上は切れ長の目を細く細くして俺を見てきた。
「へぇ〜イルミネーションね。さぞかし綺麗なんでしょうね」
「何だよ、その顔。お前が俺にクリスマスどうするか聞いてきたから答えただけなんだけど」
「いやぁ。まさかそんな浮かれポンチな答えが返ってくるとは思わなかった。恋愛にうつつ抜かして、夏の大会は結果ボロボロでしたけど、大丈夫ですか?」
水上が突然、真面目なマネージャーみたいに言ってくるが、それは事実で俺は、狙っていた大会の表情台に登れない所か、入賞も出来なかった。
しかし、茜先輩はちゃんと一位にはなれなかったが、表彰台に登っていた。
「いくら、ギターの練習もあったからとはいえ悔しかったなぁ。やっぱり体力をちゃんとつけないと厳しいなあ」
「そうだよ。茜先輩に骨抜きにされてる場合じゃないよ。あっ、ギターと言えば飯田君と風ちゃん正式にバンド組んだらしいよ」
文化祭が終わってから、飯田と風太はすっかり仲良くなって、バンドを組む約束をしていた。特に飯田が、風太の歌声の大ファンになって熱烈にオファーをしていた。飯田は文化祭が終わったら学校を辞めると話していたが、辞める気配はなく、むしろ吹奏楽部から軽音部に移って、ドラムを叩きまくっていた。
勿論今でも、不良グループに絡まれる事もあったが、音楽の道に目覚めた飯田はあまり気にしていなかった。
少し前の自分なら、茜先輩とデートに行くなんて考えられない事だった。今でも隣りを歩いている先輩を見ていると、自分の彼女とは思えなかった。
「佳月君、映画面白かった?あんまり興味なかったやつなんじゃない?」
今日茜先輩と見た映画は、女子高生の泣けるラブストーリーだった。女子に人気の映画で、前から茜先輩が見たいと言っていた、映画だった。正直に言うと、俺はラブストーリーなんかは全く興味はなかったが、先輩が見たい映画を見るのが重要だった。日曜日の混雑した映画館の出口を出ると、俺達くらいの若いカップルが沢山出てきた。
「そんな事ないですよ。ラストなんて、あと少しで涙止まんないとこでしたよ」
「絶対に嘘。ちょっとうとうとしてなかった?」
「まさか〜そんなわけないですよ」
茜先輩は、俺の顔を疑わしい表情で見ていたが、すぐに笑顔になって、そして俺の手を握った。俺は急に心臓がドクドクいって、血流が大きく流れだした気がした。先輩は、二人になるとよく手を繋いできたが、俺はそれだけで、途端に緊張した。全てが初めてで、目に映る物全てが新鮮で、これが恋愛なんだと知った。
それは、映画のラブストーリーのように大袈裟な恋愛ではなかったが、俺の胸が高鳴り続けるような、小さな恋だった。
俺と茜先輩は、順調に交際を続け、初めてのクリスマスを一緒に過ごす事になっていた。イルミネーションを見て、夜は少しおしゃれなレストランに行く事になった。
学校の帰りのバスで、水上にその話しをすると、水上は切れ長の目を細く細くして俺を見てきた。
「へぇ〜イルミネーションね。さぞかし綺麗なんでしょうね」
「何だよ、その顔。お前が俺にクリスマスどうするか聞いてきたから答えただけなんだけど」
「いやぁ。まさかそんな浮かれポンチな答えが返ってくるとは思わなかった。恋愛にうつつ抜かして、夏の大会は結果ボロボロでしたけど、大丈夫ですか?」
水上が突然、真面目なマネージャーみたいに言ってくるが、それは事実で俺は、狙っていた大会の表情台に登れない所か、入賞も出来なかった。
しかし、茜先輩はちゃんと一位にはなれなかったが、表彰台に登っていた。
「いくら、ギターの練習もあったからとはいえ悔しかったなぁ。やっぱり体力をちゃんとつけないと厳しいなあ」
「そうだよ。茜先輩に骨抜きにされてる場合じゃないよ。あっ、ギターと言えば飯田君と風ちゃん正式にバンド組んだらしいよ」
文化祭が終わってから、飯田と風太はすっかり仲良くなって、バンドを組む約束をしていた。特に飯田が、風太の歌声の大ファンになって熱烈にオファーをしていた。飯田は文化祭が終わったら学校を辞めると話していたが、辞める気配はなく、むしろ吹奏楽部から軽音部に移って、ドラムを叩きまくっていた。
勿論今でも、不良グループに絡まれる事もあったが、音楽の道に目覚めた飯田はあまり気にしていなかった。



