合宿最終日の日、帰りのバスの中でたまたまマネージャーの由香ちゃんと隣りの席になった。
俺は気になっていた水上の事を聞いてみた。
由香ちゃんは、水上と小学生から同級生で仲が良かったから、合宿に来ない理由も知っているだろうと思った。
「ああ、灯本当は合宿参加するはずだったんだけど、流石に日程が"アレ"だから無理だと思ってたよ」
「日程がアレって、何か予定があるの?」
俺が聞くと由香ちゃんは、少し言っていいのか悩んでいた。
「成瀬君、灯と違う中学だから知らなかったと思うけどさ。灯って三個上にお姉ちゃんがいたんだよ。南さんって言うんだけど、去年の今頃亡くなったんだよ。だから丁度一周忌だと思う」
えっ、、、?そんな話しは水上から聞いた事はなかったし、何となく性格的に水上は一人っ子かと思っていた。
「病気とかで、、、?」
俺が質問すると、由香ちゃんは更に言いづらそうな顔をしていた。
「う〜ん、、、それがね。自殺だったんだよ。最初は事故って事になってたんだけど、遺書が見つかってね」
「自殺、、、?何で、虐めにあってたとか?」
「多分、違う。私もあんまり詳しくは聞かなかったけど、南さんも小さい時からピアノを弾いてたんだけど、灯がほら、あれだけ才能が開花しちゃって、昔から親とか周りに比べられて、大変だったみたいだよ?南さんもピアノ上手だったけど、灯はちょっとレベチじゃない?
親も南さんそっちのけで、灯のピアノばかりに必死になって、のめこりんでたし、そのうちに南さん精神的に病んでいったみたい」
「だから、今ピアノ休んでるって言ってたのか?」
この間水上は言っていた。クラシックを弾こうとすると手が震えるって。
それって、亡くなったお姉さんの事が関係するんじゃないんだろうか。
「そう。今までは、この時期になると学校にも行かないで、コンクールに向けて海外で練習をしてたけど、今は拒否してるみたいだよね?お母さんは、お姉さん亡くなってから塞ぎ込んじゃってるし、でも海外にいるお父さんは灯をピアニストにする夢をまだ諦めてないんじゃないかなぁ」
どうして、そんな辛い思いを抱えながらあいつは、いつも明るく元気でピアノを弾けていたんだろうか。考えていたら、何だか胸の奥が苦しくなってきた。
「去年、花火大会の日、たまたま灯を見つけたんだけど、灯籠流しの所で一人で泣いてたんだよね。声掛けようかと思ったけど、何だか声かけられなくてさ。灯ってあんまりそういう一面を人に見せたくないタイプに思えたんだよね」
だから、今年も一人で花火大会に行くと言っていたのか。お姉さんの霊を弔う為に灯籠流しをするつもりなんだ。
「でも大丈夫かなぁ?」
「何が?」
「南さんの一周忌に、灯のお父さんが海外から帰ってくるから、また無理矢理ピアノやらされるんじゃないかな。あれだけ才能があると、親はどうしても期待しちゃうよね。けど、灯のお父さんのあれは、ちょっと異常だけどね。」
そんな話しを聞いて俺は水上の事が急に心配になってきた。そして、今まで感じていた水上の中にある影のような部分の理由がわかった気がした。
「でも、ピアノ休んで良かったよ。灯、今の方が楽しそうだもん。成瀬君と一緒にバンドやったり、喫茶店で楽しそうにピアノ弾いたり、本来の自分になれてる気がするもん。成瀬君、灯の事よろしくね。あの子ああ見えて凄く繊細で傷つきやすいから」
よろしくと言っても、俺にはどうする事も出来なかった。水上の為に俺が出来る事なんてあるんだろうか?
俺は気になっていた水上の事を聞いてみた。
由香ちゃんは、水上と小学生から同級生で仲が良かったから、合宿に来ない理由も知っているだろうと思った。
「ああ、灯本当は合宿参加するはずだったんだけど、流石に日程が"アレ"だから無理だと思ってたよ」
「日程がアレって、何か予定があるの?」
俺が聞くと由香ちゃんは、少し言っていいのか悩んでいた。
「成瀬君、灯と違う中学だから知らなかったと思うけどさ。灯って三個上にお姉ちゃんがいたんだよ。南さんって言うんだけど、去年の今頃亡くなったんだよ。だから丁度一周忌だと思う」
えっ、、、?そんな話しは水上から聞いた事はなかったし、何となく性格的に水上は一人っ子かと思っていた。
「病気とかで、、、?」
俺が質問すると、由香ちゃんは更に言いづらそうな顔をしていた。
「う〜ん、、、それがね。自殺だったんだよ。最初は事故って事になってたんだけど、遺書が見つかってね」
「自殺、、、?何で、虐めにあってたとか?」
「多分、違う。私もあんまり詳しくは聞かなかったけど、南さんも小さい時からピアノを弾いてたんだけど、灯がほら、あれだけ才能が開花しちゃって、昔から親とか周りに比べられて、大変だったみたいだよ?南さんもピアノ上手だったけど、灯はちょっとレベチじゃない?
親も南さんそっちのけで、灯のピアノばかりに必死になって、のめこりんでたし、そのうちに南さん精神的に病んでいったみたい」
「だから、今ピアノ休んでるって言ってたのか?」
この間水上は言っていた。クラシックを弾こうとすると手が震えるって。
それって、亡くなったお姉さんの事が関係するんじゃないんだろうか。
「そう。今までは、この時期になると学校にも行かないで、コンクールに向けて海外で練習をしてたけど、今は拒否してるみたいだよね?お母さんは、お姉さん亡くなってから塞ぎ込んじゃってるし、でも海外にいるお父さんは灯をピアニストにする夢をまだ諦めてないんじゃないかなぁ」
どうして、そんな辛い思いを抱えながらあいつは、いつも明るく元気でピアノを弾けていたんだろうか。考えていたら、何だか胸の奥が苦しくなってきた。
「去年、花火大会の日、たまたま灯を見つけたんだけど、灯籠流しの所で一人で泣いてたんだよね。声掛けようかと思ったけど、何だか声かけられなくてさ。灯ってあんまりそういう一面を人に見せたくないタイプに思えたんだよね」
だから、今年も一人で花火大会に行くと言っていたのか。お姉さんの霊を弔う為に灯籠流しをするつもりなんだ。
「でも大丈夫かなぁ?」
「何が?」
「南さんの一周忌に、灯のお父さんが海外から帰ってくるから、また無理矢理ピアノやらされるんじゃないかな。あれだけ才能があると、親はどうしても期待しちゃうよね。けど、灯のお父さんのあれは、ちょっと異常だけどね。」
そんな話しを聞いて俺は水上の事が急に心配になってきた。そして、今まで感じていた水上の中にある影のような部分の理由がわかった気がした。
「でも、ピアノ休んで良かったよ。灯、今の方が楽しそうだもん。成瀬君と一緒にバンドやったり、喫茶店で楽しそうにピアノ弾いたり、本来の自分になれてる気がするもん。成瀬君、灯の事よろしくね。あの子ああ見えて凄く繊細で傷つきやすいから」
よろしくと言っても、俺にはどうする事も出来なかった。水上の為に俺が出来る事なんてあるんだろうか?



