夏休みの間は、水泳部の夏合宿があった。
二泊三日で宮城の強豪水泳部と合同の合宿で、仙台の高校で行われる事になっていた。当然、水泳部全員参加で、水上も参加すると思っていたが、何故か当日水上は来なかった。
体調でも崩したか、理由がわからなくて俺は少し釈然としなかったが、合宿自体は他校との合同という事もあり、普段と違うトレーニングが出来て充実していた。
宿舎は、温泉旅館だったので、涼太と温泉に浸かって出ると、外のベンチに茜先輩が座っていた。涼太がそれに気がついて「行けよ」と俺を軽く押して、気を効かして何処か行ってしまった。
俺が少し緊張しながら、茜先輩の方へ行くと、茜先輩が俺の姿に気がついて笑いかけた。
「佳月君、今お風呂出たとこ?」
「そうです。茜先輩も?」
「うん。何か温泉って気持ちがよくて、ちょっと浸かりすぎちゃったぁ」
「大丈夫ですか?のぼせたんじゃないですか?」
俺は、少し心配になって茜先輩に持っていた団扇を渡した。先輩は「ありがとう」と言いながら団扇で顔を扇ぐと、俺は途端にどきどきしてきた。お風呂上がりの先輩がいつもよりも、綺麗に見えたからかもしれない。
「合宿楽しいね。皆んな他校もいるから気合いも入ってるし、向こうの学校のコーチ陣も良い指導者ばかりだし」
「そうですね。トレーニングはきついけど、良い刺激になりますね。涼太はずっと浮かれて、今晩も一人で肝試しするって言ってますけど」
「涼太君相変わらずだよね。中学の時と全然変わらないよね」
先輩が団扇で扇いだ風で、綺麗な髪の毛がなびいていた。俺はそれを見ながら目を逸らせなかった。
「あっ。これ見て、覚えてる?中学の時に佳月君がくれたやつ」
茜先輩が見せてくれたのは、中学の時に茜先輩が引退する時に俺がプレゼントしたタオルだった。
「そんなのまだ持ってたんですか?」
「うん。これ私の名前入りなんだよね?凄く気に入っているの」
茜先輩が引退する時、俺はこのタオルを渡して告白しようとしていたが、結局勇気が出なくて伝えられなかった。その事をずっと後悔していたが、こうして先輩がまだタオルを持っていてくれた事が嬉しかった。
「そうなんですか、、、?そんな古いやつ捨ててくれてもいいんですよ?」
「捨てないよ。このタオルには佳月君の気持ちがこもってるでしょ?」
夜の虫の音が響いていた。茜先輩は綺麗な茶色の瞳で俺を見つめていた。なんで、宮田先輩という彼氏がいるのにそんな事をいうのか。
俺の気持ち全てを見透かしている気がした。
「茜先輩、、、花火大会は、宮田先輩と行くんですか?」
俺は自分でもわからないが、そんな質問をしていた。ただ、どうしても茜先輩と花火大会に行きたいと、無性に思っていた。
「そうだね、、、何もなければ」
何もなければ、、、。よくわからないが、その言い方が妙にずるいと思ってしまった。
ここで強引に俺が誘えば、茜先輩は俺と一緒に花火大会に行ってくれるんだろうか。
"おせっ!"と言っている自分がいたが、俺はどうしても茜先輩を誘う事は出来なかった。俺は本当に茜先輩の前だと悲しいくらいにいくじがなかった。
二泊三日で宮城の強豪水泳部と合同の合宿で、仙台の高校で行われる事になっていた。当然、水泳部全員参加で、水上も参加すると思っていたが、何故か当日水上は来なかった。
体調でも崩したか、理由がわからなくて俺は少し釈然としなかったが、合宿自体は他校との合同という事もあり、普段と違うトレーニングが出来て充実していた。
宿舎は、温泉旅館だったので、涼太と温泉に浸かって出ると、外のベンチに茜先輩が座っていた。涼太がそれに気がついて「行けよ」と俺を軽く押して、気を効かして何処か行ってしまった。
俺が少し緊張しながら、茜先輩の方へ行くと、茜先輩が俺の姿に気がついて笑いかけた。
「佳月君、今お風呂出たとこ?」
「そうです。茜先輩も?」
「うん。何か温泉って気持ちがよくて、ちょっと浸かりすぎちゃったぁ」
「大丈夫ですか?のぼせたんじゃないですか?」
俺は、少し心配になって茜先輩に持っていた団扇を渡した。先輩は「ありがとう」と言いながら団扇で顔を扇ぐと、俺は途端にどきどきしてきた。お風呂上がりの先輩がいつもよりも、綺麗に見えたからかもしれない。
「合宿楽しいね。皆んな他校もいるから気合いも入ってるし、向こうの学校のコーチ陣も良い指導者ばかりだし」
「そうですね。トレーニングはきついけど、良い刺激になりますね。涼太はずっと浮かれて、今晩も一人で肝試しするって言ってますけど」
「涼太君相変わらずだよね。中学の時と全然変わらないよね」
先輩が団扇で扇いだ風で、綺麗な髪の毛がなびいていた。俺はそれを見ながら目を逸らせなかった。
「あっ。これ見て、覚えてる?中学の時に佳月君がくれたやつ」
茜先輩が見せてくれたのは、中学の時に茜先輩が引退する時に俺がプレゼントしたタオルだった。
「そんなのまだ持ってたんですか?」
「うん。これ私の名前入りなんだよね?凄く気に入っているの」
茜先輩が引退する時、俺はこのタオルを渡して告白しようとしていたが、結局勇気が出なくて伝えられなかった。その事をずっと後悔していたが、こうして先輩がまだタオルを持っていてくれた事が嬉しかった。
「そうなんですか、、、?そんな古いやつ捨ててくれてもいいんですよ?」
「捨てないよ。このタオルには佳月君の気持ちがこもってるでしょ?」
夜の虫の音が響いていた。茜先輩は綺麗な茶色の瞳で俺を見つめていた。なんで、宮田先輩という彼氏がいるのにそんな事をいうのか。
俺の気持ち全てを見透かしている気がした。
「茜先輩、、、花火大会は、宮田先輩と行くんですか?」
俺は自分でもわからないが、そんな質問をしていた。ただ、どうしても茜先輩と花火大会に行きたいと、無性に思っていた。
「そうだね、、、何もなければ」
何もなければ、、、。よくわからないが、その言い方が妙にずるいと思ってしまった。
ここで強引に俺が誘えば、茜先輩は俺と一緒に花火大会に行ってくれるんだろうか。
"おせっ!"と言っている自分がいたが、俺はどうしても茜先輩を誘う事は出来なかった。俺は本当に茜先輩の前だと悲しいくらいにいくじがなかった。



