俺は、前にバーで言っていた野外フェスに出る事にした。
最初はでるつもりなんかなかったが、急に自分が作った曲を披露したいという気持ちにかられた。
 その話しを食事中に皆んなにすると、喜んでくれた。

 「シンジさんのライブがまた見れるなんて幸せです!名前入りのうちわ持って応援行くんで、楽しみにしていて下さい!!」

 「何のライブなんだよ………」

 「私も絶対に見に行きますよ!シンジさんボーカルもやるんですか?」

カブさんが夕飯の食べる手を止めて聞いてくる。

 「そうなんです。ドラムとベースは捕まったんですけど、ボーカルがいなくて結局俺がギター引きながら歌います」

 「何いってるんですか!シンジさんのボーカルめっちゃいいじゃないですか!
なんかこう、声がセクシーなんですよね」

 「セクシー??」

 「お前、本当に気持ち悪いこと言うなよ。
別にセクシーじゃねえよ」

イゾンに言うと、玲がキラキラした目でこっちを見てくる。

 「シンジセクシーなの?ちょっと歌ってみてよ!聞きたい!」

 「だから、普通だって。フェスの時どうせ聞けるだろ」

 「シンジさんって、元ホストなだけあって妙な色気がありますよね!」

 「わかるわかる!イゾン君も思った?」

 玲とイゾンの二人で俺の色気について語っていた。
 盛り上がっている二人をよそに、俺の隣にいたカブさんが俺に話しかける。

 「しかし、シンジさんもこれで再スタートですね。私はしっかりシンジさんの舞台を見てからこの島を旅立ちますね」

 カブさんのセリフに皆んなが止まった。