玲は、それから律と別れたようだった。
というか、律が日本に帰ってしまい、自然消滅になってしまったと言った方が近いかもしれない。

 俺は特に、玲と律の事は興味なかったので、玲に何か聞く事もなかった。
けれどその夜から、俺と玲の関係は変わっていった。
 俺はあの日自分でもはっきりと玲への気持ちがわかった。
恋愛感情………そう言ってしまえば簡単だが、それ以上に、尊敬や憧れ、玲の才能に対しての嫉妬もあるかもしれない。
 色々な感情が渦巻いていたが、俺は急激に玲に惹かれていた。

 「シンジー!!見て見て!また釣れたよ!」

 玲がそう言って俺に釣った魚を見せてくる。
玲は今日三匹も釣っていた。

 俺と玲とイゾンは今日も漁港に夕飯の魚を釣りにきていた。

「すげーな!俺全然当たらないんだけど、場所の問題かな、、、」

「シンジの場所、魚いないんじゃない?私の方来なよ。こっちこっち隣りきて!」

「本当に当たるのかよ〜」

 俺はそう言いながら移動する。
すると、玲がもっとこっちこいと指示をだしてくる。

「当たるって!ここにいるんだよほらっ!」と指差してくるが全然わからない。

「嘘だろ、見えてないだろ」

「何でシンジには見えないかなぁ〜?おかしいなぁ?いっぱい泳いでるのに」

「お前、俺にこっちに来て欲しかっただけだろ」

俺が言うと、玲は嬉しそうに笑って「バレた?一緒に釣ろうよ!シンジの隣りがいい」と俺の腕に抱きついて甘えてくる。

 俺は仕方なく玲の隣に座って竿をふる。そこへイゾンが声をかけてくる。

「ちょっと、そこの二人漁港でイチャイチャしないでくださいよ!!イゾンもいますよ」

 イゾンが怖い顔して言ってくる。
俺達はお互いに「付き合おう」とか、そんな約束はしていないが、恋人関係になっている事に間違いはなかった。

 玲は何処であっても、俺に素直に愛情表現をしてくるので、周りも直ぐに俺達の関係に気づいた。

 けれどイゾンに言わせると「シンジさんは、ずっと玲さんの事好きだったように見えましたよ。なんだかんだ、玲さんにはいつも優しくしてましたもんね。
 僕にはスパルタなのに、、、。
まあ、僕はシンジさんも、玲さんも大好きなんで、推しと推しがカップルになって、これで僕はカプオタになれるってとこですかね」
との事だった。

 イゾンは、俺自身でも気づいていなかった俺の気持ちの変化に早くから気づいていたようだった。