「玲さん、何かあったんですか?大丈夫ですか?」
イゾンが俺に心配そうに聞いてくる。
「何もねーよ。何もないのに、一人でお祭り騒ぎしてるんだよ」
「ああ、玲ちゃん今日は例の彼と初デートですか?いいなぁ。若いって青春だなぁ」
ガブさんがしみじみと呟く。
「僕はまだ、二人を認めてはいないですけどね。あのサーファー、玲さんを泣かせたら自前の高いサーフボード全部へし折ってやる!」
「姑息だな。でも、玲も楽しそうだし、大丈夫だろ。経験がないから慌ててるだけで。一回いけば、すぐ慣れるだろ」
魚のわたをとりながら、カブさんが話し出す。
「初デートと言えば、私も思い出しますね。
高校生の時に、初めて女の子と付き合う事になったんですが、デートする事になっても、お互い何処へ行けばいいか、どのお店に入ったらいいかわからなくて、結局四時間も商店街を二人で歩き続けました」
俺とイゾンは思わず「四時間!?」と二人でハモってしまう。
「はい。ノンストップで四時間。休憩もせずに、ただひたすら、商店街を往復してました。
でも、全然苦じゃなかったんですよね。
まあ、初めての事で夢中だったんですね」
「凄いなぁ………。どちらとも何処か入ろうと言わないのが凄いですね。
俺なら一周したら、もう帰りたくなりますね」
「でも、気持ち少しわかるなぁ。
好きな人と一緒なら、ただ歩いてるだけでも楽しいですよね。結局、カブさんにとっても忘れられない思い出になってるし。良い初デートですね」
俺は、二人の会話を聞いて少しも共感できなかった。
俺の初恋はいつなんだろう?
思い返してみると、恋愛の延長にはいつもホストとしての営業があった。
多少好意があったとしても、純粋な好意だけではなかったのは確かだ。
インディーズでバンドをしていた時も同じだった。
ファンの子達と、そういう関係になった事はあったが、それもチケットを買ってくれるお客様と言う打算があったからだ。
純粋に下心なく、恋愛をする事なんて今までなかった。
俺にとって恋愛はゲームの様な物で、利益や見返りがあるから、甘い言葉を囁いて女の期待に答えていただけだ。
俺は、きっと生まれた時から何処か欠陥があるんだろうな………。
イゾンが俺に心配そうに聞いてくる。
「何もねーよ。何もないのに、一人でお祭り騒ぎしてるんだよ」
「ああ、玲ちゃん今日は例の彼と初デートですか?いいなぁ。若いって青春だなぁ」
ガブさんがしみじみと呟く。
「僕はまだ、二人を認めてはいないですけどね。あのサーファー、玲さんを泣かせたら自前の高いサーフボード全部へし折ってやる!」
「姑息だな。でも、玲も楽しそうだし、大丈夫だろ。経験がないから慌ててるだけで。一回いけば、すぐ慣れるだろ」
魚のわたをとりながら、カブさんが話し出す。
「初デートと言えば、私も思い出しますね。
高校生の時に、初めて女の子と付き合う事になったんですが、デートする事になっても、お互い何処へ行けばいいか、どのお店に入ったらいいかわからなくて、結局四時間も商店街を二人で歩き続けました」
俺とイゾンは思わず「四時間!?」と二人でハモってしまう。
「はい。ノンストップで四時間。休憩もせずに、ただひたすら、商店街を往復してました。
でも、全然苦じゃなかったんですよね。
まあ、初めての事で夢中だったんですね」
「凄いなぁ………。どちらとも何処か入ろうと言わないのが凄いですね。
俺なら一周したら、もう帰りたくなりますね」
「でも、気持ち少しわかるなぁ。
好きな人と一緒なら、ただ歩いてるだけでも楽しいですよね。結局、カブさんにとっても忘れられない思い出になってるし。良い初デートですね」
俺は、二人の会話を聞いて少しも共感できなかった。
俺の初恋はいつなんだろう?
思い返してみると、恋愛の延長にはいつもホストとしての営業があった。
多少好意があったとしても、純粋な好意だけではなかったのは確かだ。
インディーズでバンドをしていた時も同じだった。
ファンの子達と、そういう関係になった事はあったが、それもチケットを買ってくれるお客様と言う打算があったからだ。
純粋に下心なく、恋愛をする事なんて今までなかった。
俺にとって恋愛はゲームの様な物で、利益や見返りがあるから、甘い言葉を囁いて女の期待に答えていただけだ。
俺は、きっと生まれた時から何処か欠陥があるんだろうな………。



