サーフィンの大会を翌日に備え、俺たちは出店の準備に忙しかった。
出店では、ホットドッグとサンドイッチにフレッシュジュースを売る予定だった。
俺とカブさんとイゾンは、フレッシュジュースに使う果物を取ってくる事になっていた。
ホテルから、歩いて十五分ぐらいの所に小高い丘があり、そこに沢山、果物の木の実がなっているらしい。
イゾンは、この島に来てから初めての外出だった。最初はビビっていたが、玄関を出たら意外に普通だったらしく、久しぶりの外の世界に目を細めていた。特に今日は天気がよく、太陽が眩しいくらいだった。
「イゾン、お前前髪切れよ。そんなに前髪長いと何も見えないだろ」
「大丈夫ですよ。意外にこんなに長くても見えてるんですよ。前髪は僕の守護神なんですから」
隣りで聞いていたカブさんが、感心したように、イゾンの話しを聞いていた。
「今の若い男の子、みんな前髪長いですけど、
守護神だったんですね」
「いやいや、関係ないと思いますよ。
こいつが勝手に言ってるだけで、ちょっと顔見せてみろよ!お前どんな顔してるんだよ」
俺が無理矢理前髪を上げようとすると、イゾンが抵抗する。
「辞めてくださいよ!本当にシンジさんってデリカシーないですよね!」
俺が無理矢理髪を上げると、ちらっとイゾンの顔が見えた。イゾンの顔は、意外にも結構なイケメンだった。
「………お前さぁ、絶対前髪上げた方がいいって、綺麗な顔してんじゃねーかよ!勿体無い。結構売れる顔だぞ」
俺がそう言うとカブさんが不思議そうに聞いてくる。
「売れる顔とは?」
「俺昔ホストクラブで働いてたんですよ。だから女受けする顔が、なんとなくわかるんですよ」
「えー!!シンジさんホストだったんですか!?そんな冷たくて、直ぐにキレる感じで、ホストなんてできるんですか?」
イゾンがまた失礼な事を言ってくる。
まあ、確かにイゾンの言う通り、ホストは向いていなかったが。
「女に対しては仕事だから、ちゃんと優しくすんだよ。その辺はちゃんと叩きこまれてたからな」
「それに、優しいから必ず女の人にモテるとは、限りませんからね。
言うべき事をはっきり言って、引っ張ってくれる人が良いと言う人もいますよ」
カブさんが俺をフォローしてくれる。
「まあ、それはあるかもしれませんね……。
僕もシンジさんに、こんなに酷い扱いを受けているのに、何故か嫌いになれないんですよね」
「気持ち悪い事いうんじゃねーよ。お前に好かれたら、ストーカーされるから嫌なんだけど」
「しませんよ!シンジさん、ホストならお金持ってるはずなのに、なんで強盗なんてしたんですか?」
イゾンがづけづけと、俺に聞いてくる。
デリカシーがないのは、イゾンも一緒だ。
「ホスト辞めて、バンドやってたんだよ。
まあ、売れなかったんだよ、、、」
俺がそう言うと、シンジが何か気づいたように、俺の顔をじっとみてくる。
「バンド………?」
「そうだよ。悪いかよ」
「何て名前ですか?」
「“コロシアム"って名前のバンドだけど?」
俺がバンド名を言うと、イゾンが信じられない顔で俺を見た。
「僕!知ってます!ライブに行った事あります!僕達会ってますよ!!」
俺も驚いたが、隣りで聞いていたカブさんもびっくりしていた。
「世間は狭いですね〜!」
「お前、バンドなんて好きなの?引きこもりのくせに、ライブとかよく行けたな」
俺はイゾンとバンドが結びつかなくて、意外だった。
「僕は基本アニオタなんで、アニソンしか聞きません」
「、、、ん、そんな感じ」
「でも、付き合ってた彼女が、インディーズのバンドの追っかけしてて、無理矢理ライブハウスに連れて行かれてたんです。
それで"コロシアム"のライブもよく行かされてました!シンジさん、初めて会った時に、どっかで見た顔だなぁって思ってたんですよ!まさか、ボーカルのシンジだったんですね!握手してください!」
イゾンが俺に右手を差し出してきたので「嫌だよ!!」と言って、俺はイゾンの手を払いのけた。
出店では、ホットドッグとサンドイッチにフレッシュジュースを売る予定だった。
俺とカブさんとイゾンは、フレッシュジュースに使う果物を取ってくる事になっていた。
ホテルから、歩いて十五分ぐらいの所に小高い丘があり、そこに沢山、果物の木の実がなっているらしい。
イゾンは、この島に来てから初めての外出だった。最初はビビっていたが、玄関を出たら意外に普通だったらしく、久しぶりの外の世界に目を細めていた。特に今日は天気がよく、太陽が眩しいくらいだった。
「イゾン、お前前髪切れよ。そんなに前髪長いと何も見えないだろ」
「大丈夫ですよ。意外にこんなに長くても見えてるんですよ。前髪は僕の守護神なんですから」
隣りで聞いていたカブさんが、感心したように、イゾンの話しを聞いていた。
「今の若い男の子、みんな前髪長いですけど、
守護神だったんですね」
「いやいや、関係ないと思いますよ。
こいつが勝手に言ってるだけで、ちょっと顔見せてみろよ!お前どんな顔してるんだよ」
俺が無理矢理前髪を上げようとすると、イゾンが抵抗する。
「辞めてくださいよ!本当にシンジさんってデリカシーないですよね!」
俺が無理矢理髪を上げると、ちらっとイゾンの顔が見えた。イゾンの顔は、意外にも結構なイケメンだった。
「………お前さぁ、絶対前髪上げた方がいいって、綺麗な顔してんじゃねーかよ!勿体無い。結構売れる顔だぞ」
俺がそう言うとカブさんが不思議そうに聞いてくる。
「売れる顔とは?」
「俺昔ホストクラブで働いてたんですよ。だから女受けする顔が、なんとなくわかるんですよ」
「えー!!シンジさんホストだったんですか!?そんな冷たくて、直ぐにキレる感じで、ホストなんてできるんですか?」
イゾンがまた失礼な事を言ってくる。
まあ、確かにイゾンの言う通り、ホストは向いていなかったが。
「女に対しては仕事だから、ちゃんと優しくすんだよ。その辺はちゃんと叩きこまれてたからな」
「それに、優しいから必ず女の人にモテるとは、限りませんからね。
言うべき事をはっきり言って、引っ張ってくれる人が良いと言う人もいますよ」
カブさんが俺をフォローしてくれる。
「まあ、それはあるかもしれませんね……。
僕もシンジさんに、こんなに酷い扱いを受けているのに、何故か嫌いになれないんですよね」
「気持ち悪い事いうんじゃねーよ。お前に好かれたら、ストーカーされるから嫌なんだけど」
「しませんよ!シンジさん、ホストならお金持ってるはずなのに、なんで強盗なんてしたんですか?」
イゾンがづけづけと、俺に聞いてくる。
デリカシーがないのは、イゾンも一緒だ。
「ホスト辞めて、バンドやってたんだよ。
まあ、売れなかったんだよ、、、」
俺がそう言うと、シンジが何か気づいたように、俺の顔をじっとみてくる。
「バンド………?」
「そうだよ。悪いかよ」
「何て名前ですか?」
「“コロシアム"って名前のバンドだけど?」
俺がバンド名を言うと、イゾンが信じられない顔で俺を見た。
「僕!知ってます!ライブに行った事あります!僕達会ってますよ!!」
俺も驚いたが、隣りで聞いていたカブさんもびっくりしていた。
「世間は狭いですね〜!」
「お前、バンドなんて好きなの?引きこもりのくせに、ライブとかよく行けたな」
俺はイゾンとバンドが結びつかなくて、意外だった。
「僕は基本アニオタなんで、アニソンしか聞きません」
「、、、ん、そんな感じ」
「でも、付き合ってた彼女が、インディーズのバンドの追っかけしてて、無理矢理ライブハウスに連れて行かれてたんです。
それで"コロシアム"のライブもよく行かされてました!シンジさん、初めて会った時に、どっかで見た顔だなぁって思ってたんですよ!まさか、ボーカルのシンジだったんですね!握手してください!」
イゾンが俺に右手を差し出してきたので「嫌だよ!!」と言って、俺はイゾンの手を払いのけた。



