俺を拾ってくれたのは、綾《りょう》さんという、歌舞伎町でホストクラブを営む、年齢はまだ三十にも届かない、若い男だった。
綾さんは、俺の顔を見て一目で気にいったようだった。
ハーフという事もあり、彫りの深い顔立ちと栄養状態が悪く、無駄にひょろひょろとした体型が、女に受けるとふんだらしい。
綾さんは、俺に礼儀から家事、女の落とし方から扱い方、気の配り方など、ありとあらゆる全てを叩きこんだ。
俺は単純に金が欲しかったから、それに従った。
別にホストになりたかったわけではない。
他に出来るものなんてわからなかった。ただそれだけだ。
ホストに向いているか、向いていないかで言ったら、多分俺は向いていなかったと思う。
まず、そこまで女が好きではなかった。女と言うか、人間が好きではなかった。
疑似恋愛をさせなければいけないこの職業で、少なからず相手に興味を持たなければ、自分に夢中にさせる事は難しい。
けれど、俺は客の女にたいして少しも興味を持てなかった。
見てくれは、多少違くても俺にはどの女も皆んな一緒に見えてしまった。
綾さんのスパルタ指導のかいもあって、俺は店でそこそこ人気が出てきたが、別にナンバーワンを目指して、大金を稼ごうとか、良い女と付き合おうとか、そういった野望は全くなかった。
綾さんは、俺の顔を見て一目で気にいったようだった。
ハーフという事もあり、彫りの深い顔立ちと栄養状態が悪く、無駄にひょろひょろとした体型が、女に受けるとふんだらしい。
綾さんは、俺に礼儀から家事、女の落とし方から扱い方、気の配り方など、ありとあらゆる全てを叩きこんだ。
俺は単純に金が欲しかったから、それに従った。
別にホストになりたかったわけではない。
他に出来るものなんてわからなかった。ただそれだけだ。
ホストに向いているか、向いていないかで言ったら、多分俺は向いていなかったと思う。
まず、そこまで女が好きではなかった。女と言うか、人間が好きではなかった。
疑似恋愛をさせなければいけないこの職業で、少なからず相手に興味を持たなければ、自分に夢中にさせる事は難しい。
けれど、俺は客の女にたいして少しも興味を持てなかった。
見てくれは、多少違くても俺にはどの女も皆んな一緒に見えてしまった。
綾さんのスパルタ指導のかいもあって、俺は店でそこそこ人気が出てきたが、別にナンバーワンを目指して、大金を稼ごうとか、良い女と付き合おうとか、そういった野望は全くなかった。



