俺と玲は、歩いてホテルまで行った。
玲は一人で楽しそうに歩きながら、俺に島の事を色々説明した。
彼女の話す日本語は何故かちょっと変わっていた。カタコトともまた違う、歌うように喋っている様だった。
　彼女の話しによると、彼女は四歳から日本人の父親と二人でこの島に移住してきたらしい。

　母親はいなく、ずっと二人でホテルを切り盛りしてきたという。
この島は特に観光スポットや、名所はなく、観光地としてわざわざ来るような場所ではないが、ダイビングスポットとしては、人気が高いらしく、日本からもダイビングにくる客が多いようだ。
　島の住人は、日本人が多い為、日本語が通じない場所は基本的に島の中にないそうだ。

「まあ、観光地としてはのんびりする事くらいしか出来ないから、有名じゃないんだろうね。
だからうちのホテルもたいして客はこないんだよ」

「俺の事は綾さんから聞いてたのか？」

俺が尋ねると、玲が頷く。

「リョウは私のダディと関係があるんだよ。
だから、リョウから連絡が入って、一人預かって欲しいって、強盗犯を」

「あのさ、よく引き受けたな普通嫌だろ。
犯罪者囲うなんて……」

「あー、、、うちのホテル変わってるからね。別にシンジが初めてじゃないし。慣れてるから」

「え？慣れてる？」

そこでいきなり玲がいきなり立ち止まった。

「はい！着いた着いた！ここがホテルだよ。
ようこそ、『ホテルエアロ』へ」