俺は綾さんの言われるがまま、新宿から夜行バスに飛び乗った。
東京から九州までは、十二時間以上バスでかかる。
今から出ても、着くのは明日の昼過ぎだ。
かなり疲れているはずなのに、俺はバスで一睡も出来なかった。
いつ、捕まるかわからない恐怖で眠る所ではなかったのだ。
結局、ルキアに殴られた老人の命だけは助かったようだった。それだけは安心した。
俺は今まで感じた事のない、不安に襲われながら、ただ早く日本を離れたいと思った。
身体が疲れてへとへとになりながらも、何とかバスと電車を使い、フェリー乗り場まできた。
船は、飛行機と違って入国審査も簡易的らしい。
乗船する時にパスポートを預けるが、その時が一番緊張して、心臓が破裂しそうだった。
しかし、どうやら俺はまだ指名手配されていないらしい。俺の心配をよそに、何も問題なくスムーズに、手続きは終わった。
俺はわざと携帯でニュースを見なかった。
現実を直視したくなかったと言うのもあるが、単純に怖かったのだ。
一度違う島に着いて、そこから小型ボートに乗ってステアリング島を目指す。
俺はずっと飲まず食わずできたからか、物凄い船酔いをした。
特に小型ボートの揺れは物凄く、胃がひっくりかえるんじゃないかと言うくらいに吐いた。
船酔いでこのまま死ぬんじゃないかと思った時、目の前にステアリング島が見えてきた。
ステアリング島は白い砂浜に囲まれた、予想以上に綺麗な島だった。
自分が犯罪者で逃げてきている事も忘れて、俺は海の青さと、砂浜の白さのコントラストに心を奪われた。
そうして島に見惚れているうちに、俺はついにステアリング島に上陸した。
安心したのか、俺は島に着いたとたんに急に、睡魔が襲ってきた。
殆ど眠れていなかったので当たり前かもしれないが、俺はフェリーを降りてすぐに海岸にあるベンチで眠ってしまった。
波が打ち付ける音が心地よい。
ステアリング島は、一年中温暖な気候で気温差が少なく、過ごしやすい島らしい。
これがただの旅行だったらどんなに良かっただろう。
今までの事が全て嘘だったような、ゆったりとした時間が過ぎる。さっきまで地獄にいたような気分だったのに、今は打って変わって天国にいるみたいだった。
どのくらい眠っていたのだろうか?
自分で検討もつかないくらい、深い眠りに入っていた。
ふと目を覚ますと、何処からともなく、声が聞こえた。
何か誰かが、大声で言っている。
東京から九州までは、十二時間以上バスでかかる。
今から出ても、着くのは明日の昼過ぎだ。
かなり疲れているはずなのに、俺はバスで一睡も出来なかった。
いつ、捕まるかわからない恐怖で眠る所ではなかったのだ。
結局、ルキアに殴られた老人の命だけは助かったようだった。それだけは安心した。
俺は今まで感じた事のない、不安に襲われながら、ただ早く日本を離れたいと思った。
身体が疲れてへとへとになりながらも、何とかバスと電車を使い、フェリー乗り場まできた。
船は、飛行機と違って入国審査も簡易的らしい。
乗船する時にパスポートを預けるが、その時が一番緊張して、心臓が破裂しそうだった。
しかし、どうやら俺はまだ指名手配されていないらしい。俺の心配をよそに、何も問題なくスムーズに、手続きは終わった。
俺はわざと携帯でニュースを見なかった。
現実を直視したくなかったと言うのもあるが、単純に怖かったのだ。
一度違う島に着いて、そこから小型ボートに乗ってステアリング島を目指す。
俺はずっと飲まず食わずできたからか、物凄い船酔いをした。
特に小型ボートの揺れは物凄く、胃がひっくりかえるんじゃないかと言うくらいに吐いた。
船酔いでこのまま死ぬんじゃないかと思った時、目の前にステアリング島が見えてきた。
ステアリング島は白い砂浜に囲まれた、予想以上に綺麗な島だった。
自分が犯罪者で逃げてきている事も忘れて、俺は海の青さと、砂浜の白さのコントラストに心を奪われた。
そうして島に見惚れているうちに、俺はついにステアリング島に上陸した。
安心したのか、俺は島に着いたとたんに急に、睡魔が襲ってきた。
殆ど眠れていなかったので当たり前かもしれないが、俺はフェリーを降りてすぐに海岸にあるベンチで眠ってしまった。
波が打ち付ける音が心地よい。
ステアリング島は、一年中温暖な気候で気温差が少なく、過ごしやすい島らしい。
これがただの旅行だったらどんなに良かっただろう。
今までの事が全て嘘だったような、ゆったりとした時間が過ぎる。さっきまで地獄にいたような気分だったのに、今は打って変わって天国にいるみたいだった。
どのくらい眠っていたのだろうか?
自分で検討もつかないくらい、深い眠りに入っていた。
ふと目を覚ますと、何処からともなく、声が聞こえた。
何か誰かが、大声で言っている。



