こんな事になって、捕まらずに済むのだろうか?
きっとルキアはあのまま捕まるだろう。
そしたらあいつは必ず俺の名前を出すはずだ。
俺の人生なんかどうなってもいいと言ってたくせに、いざ捕まると思うと、とてつもない恐怖が襲ってくる。

 俺は本当にちっぽけで情けない人間だ。
自分のプライドの中でしか生きられない。
俺が捕まった事を知ったら、元バンド仲間はなんて言うだろうか。

『あいつも、ここまで落ちると思わなかった』

 きっとそんな風に憐れむだろう。

俺はこの世に一人ぼっちだ、、、。

 もう本当にやり直しもきかない。
俺は気づいたら、新宿で電車を降りて歌舞伎町に来ていた。
人が沢山いる方が安心する。
人に紛れて警察にも見つからない気がした。

 俺は、歌舞伎町をぶらぶらと行ったりきたり歩いていた。
中野のアパートには、警察が来るかもしれないと思うと、帰る事ができなかった。
俺が疲れて、道路の端でうずくまっていると、誰かに名前を呼ばれた。

「真二?真二じゃねえか?」

 俺の名前を呼ぶ人間なんて、まだこの世にいたのか。
俺が顔を上げると、そこに立っていたのは綾さんだった────。


  俺はまた綾さんに拾われた。