俺は結局ルキアのバイトをやる事にした。
もちろん、ろくでもない仕事である事は承知のうえだ。
 俺はもう半分やけくそだった。
こんなくだらない人生どうなっても良いとさえ思っていた。

 バイトの当日、ルキアの指示通り、俺は東京郊外の駅前でルキアを待った。
具体的なバイトの内容は、ルキアは俺に告げなかった。
時刻は十九時、日も暮れて辺りは暗くなっている。
 駅前のロータリーで俺が待っていると、一台のワンボックスカーが俺の目の前に止まった。

 後ろのドアが開き、中からルキアが声をかける。

「おい!真二!早く乗れよ!」

 ルキアが俺に手招きをする。
俺は言われた通り素早く車に乗り込む。
俺が車に乗り込むと、車は直ぐに出発した。

 「久しぶりだな」ルキアがそう言って俺に向かって笑う。
久しぶりに会ったルキアは別人のように変わっていた。元々は、中性的な雰囲気でなかなかの美少年だったルキアだが、今は肌もどす黒く、かなり痩せてやつれていた。目には生気がなく、薬のせいか、髪も薄くなっていた。

 「おぉ……」

俺はその変貌ぶりに、暫く声が出なかった。
車に乗っていたのは、運転している男と、俺達二人の三人だけだった。
 運転手はキャップを深く被り、マスクをしていたので、顔が全然わからなかった。

「なんだよ、緊張してるのかよ?」

ルキアが不気味な笑いをしながら言ってくる。

「そういうわけじゃないけど、一体何のバイトだよ。何にも説明されてないんだけど」

 俺がルキアに聞くと、ルキアは俺に黒いキャップと黒いジャンパーを渡してくる。

 「今すぐそれに、着替えろ。今から強盗すんだよ」