「使う術が違うだけのことでございます。道士は己の内功を用いた仙術や法術を使い、呪術師は師より学んだ呪術を使う者です」
香月は質問に答える。
「しかしながら、呪術を使う者は他人を害することが多くございます。呪術との根本は恨みでありますので。……黄藍洙は姉上に対する憎しみを利用されたのでしょう」
香月はそこまで語ると一度口を閉ざした。
……おそらく、理解をされない。
俊熙は道士や呪術師の存在を信じていなかった。それを香月に説明されたからと簡単に受け入れるはずがないだろう。
香月はそう考えていた。
だからこそ、推測を話すだけで口を閉ざしてしまった。
……狙われたのは陛下だと気づかれてはならない。
四夫人の一角を蹴落とし、守護結界の亀裂を入れることが翠蘭の命が奪われた理由だろう。守護結界を目にすることができない俊熙が、李帝国の異変に気付いた頃にはなにもかも遅く、李帝国は滅びの道を歩むことになる。
それを食い止めたいのならば、俊熙を廃し、李帝国にふさわしい道士を帝位に座らせる必要がある。
……道士の狙いは陛下の廃位。その為ならば、国を滅ぼしてもかまわないと思うほどに陛下を疎んでいるのだろう。
それも香月の推測でしかない。
「賢妃は玄家の者しかなれないと知りながらも、翠蘭を狙ったとでも?」
「いいえ。知らなかったのでしょう。黄家は後宮の成り立ちに詳しい家系ではないでしょうから」
「そうか。……それなら、思い込みだけで行動を移せるものか」
俊熙は呆れたように呟き、用意された茶を飲み干した。
「俺が愛しているのは香月だけだと、皆が知れば、争いは収まるだろうか」
「いいえ。なにも変わりはしないでしょう」
「なぜ、そう思う? 香月。お前は勘が鋭いだろう。俺の気づいていないことを教えてくれはしないか?」
俊熙は迷いなく香月を見つめた。
その視線は熱く鋭いものだった。
……なぜ、私を愛しているなどと騙るのか。
香月は俊熙の愛を信じていない。
後宮妃はすべて皇帝の所有物であり、皇帝は誰か一人を愛さなければいけない存在ではない。
香月は質問に答える。
「しかしながら、呪術を使う者は他人を害することが多くございます。呪術との根本は恨みでありますので。……黄藍洙は姉上に対する憎しみを利用されたのでしょう」
香月はそこまで語ると一度口を閉ざした。
……おそらく、理解をされない。
俊熙は道士や呪術師の存在を信じていなかった。それを香月に説明されたからと簡単に受け入れるはずがないだろう。
香月はそう考えていた。
だからこそ、推測を話すだけで口を閉ざしてしまった。
……狙われたのは陛下だと気づかれてはならない。
四夫人の一角を蹴落とし、守護結界の亀裂を入れることが翠蘭の命が奪われた理由だろう。守護結界を目にすることができない俊熙が、李帝国の異変に気付いた頃にはなにもかも遅く、李帝国は滅びの道を歩むことになる。
それを食い止めたいのならば、俊熙を廃し、李帝国にふさわしい道士を帝位に座らせる必要がある。
……道士の狙いは陛下の廃位。その為ならば、国を滅ぼしてもかまわないと思うほどに陛下を疎んでいるのだろう。
それも香月の推測でしかない。
「賢妃は玄家の者しかなれないと知りながらも、翠蘭を狙ったとでも?」
「いいえ。知らなかったのでしょう。黄家は後宮の成り立ちに詳しい家系ではないでしょうから」
「そうか。……それなら、思い込みだけで行動を移せるものか」
俊熙は呆れたように呟き、用意された茶を飲み干した。
「俺が愛しているのは香月だけだと、皆が知れば、争いは収まるだろうか」
「いいえ。なにも変わりはしないでしょう」
「なぜ、そう思う? 香月。お前は勘が鋭いだろう。俺の気づいていないことを教えてくれはしないか?」
俊熙は迷いなく香月を見つめた。
その視線は熱く鋭いものだった。
……なぜ、私を愛しているなどと騙るのか。
香月は俊熙の愛を信じていない。
後宮妃はすべて皇帝の所有物であり、皇帝は誰か一人を愛さなければいけない存在ではない。



