……姉上の仇を泣かせるくらいは問題ないだろう。
地獄に突き落とされるような恐怖を味合わせても、まだ物足りない。
命を失った者は帰ってこない。
それを心底から詫びさせなければ気が済まなかった。
……後宮は女の園。女ばかりが集められていれば、僻み妬みで呪いたくもなるだろう。
香月は後宮がどのような場所なのか、把握しつつあった。
女性ばかりが集められた花の園。それは僻みと妬みの温床であり、強すぎる感情は不幸を引き付ける呪いを生んでいてもおかしくはない。
それは李帝国を守る結界に悪影響を及ぼす。
賢妃として香月が後宮入りをしたのにもかかわらず、結界の亀裂が増え続けているのは、確実に悪影響を受けているからだろう。
……元凶を炙り出さなければならない。
今回、玄武宮に壺を置いた者は道術の心得を持つ道士ではない。
それならば、香月の敵ではない。
翠蘭の死の真相に近づける可能性ではあったが、犯人ではないだろう。
「黄昭媛の宮に投げ入れろ」
香月は蟲毒を行うことを指示した侍女が出入りをしている居場所を特定した。
九嬪の一人である黄(ホァン)藍洙(ランズ)は後ろ盾がない。
黄家は名門とは呼べず、その日暮らしを強いられている平民とほとんど変わらない。その為、藍洙は後宮の下女として後宮入りをしたのだが、運悪く、俊熙のお手付きとなり九嬪の一人である昭媛の位を与えられたと言われている。
どこまでが真実か、不明である。
藍洙が昭媛の位を手に入れた際、後宮を駆け巡った噂ではあるが、その噂の出所は藍洙本人だった。その為、事実とは違うことを噂として流しているのではないかとも言われている。
そのことが大きな闇を生んだ。
闇に魅入られた藍洙を利用するのは容易いことだっただろう。
藍洙は皇帝の寵愛を欲した。
それさえ手に入れることができれば、今までのように下女として虐げられながら働くこともなく、実家にいる家族を苦労せずに養うことができると知ってしまったからだ。
だからこそ、四夫人を妬んだのだろう。
寵愛を得ずとも幸福そうに見えたのだろう。
地獄に突き落とされるような恐怖を味合わせても、まだ物足りない。
命を失った者は帰ってこない。
それを心底から詫びさせなければ気が済まなかった。
……後宮は女の園。女ばかりが集められていれば、僻み妬みで呪いたくもなるだろう。
香月は後宮がどのような場所なのか、把握しつつあった。
女性ばかりが集められた花の園。それは僻みと妬みの温床であり、強すぎる感情は不幸を引き付ける呪いを生んでいてもおかしくはない。
それは李帝国を守る結界に悪影響を及ぼす。
賢妃として香月が後宮入りをしたのにもかかわらず、結界の亀裂が増え続けているのは、確実に悪影響を受けているからだろう。
……元凶を炙り出さなければならない。
今回、玄武宮に壺を置いた者は道術の心得を持つ道士ではない。
それならば、香月の敵ではない。
翠蘭の死の真相に近づける可能性ではあったが、犯人ではないだろう。
「黄昭媛の宮に投げ入れろ」
香月は蟲毒を行うことを指示した侍女が出入りをしている居場所を特定した。
九嬪の一人である黄(ホァン)藍洙(ランズ)は後ろ盾がない。
黄家は名門とは呼べず、その日暮らしを強いられている平民とほとんど変わらない。その為、藍洙は後宮の下女として後宮入りをしたのだが、運悪く、俊熙のお手付きとなり九嬪の一人である昭媛の位を与えられたと言われている。
どこまでが真実か、不明である。
藍洙が昭媛の位を手に入れた際、後宮を駆け巡った噂ではあるが、その噂の出所は藍洙本人だった。その為、事実とは違うことを噂として流しているのではないかとも言われている。
そのことが大きな闇を生んだ。
闇に魅入られた藍洙を利用するのは容易いことだっただろう。
藍洙は皇帝の寵愛を欲した。
それさえ手に入れることができれば、今までのように下女として虐げられながら働くこともなく、実家にいる家族を苦労せずに養うことができると知ってしまったからだ。
だからこそ、四夫人を妬んだのだろう。
寵愛を得ずとも幸福そうに見えたのだろう。



