PM11:00 漫画スタジオ『シャーク』ディスク
「七奈ちゃん!お疲れ!やっとリリースだな」
後ろを振り返ると、西海さんが私の後ろにいてコーヒーを差し入れてくれた。
「ありがとうございます!西海さんのおかげですよ!色々手伝ってもらって本当にありがとうございます!」
「何言ってんの、ここからが勝負だよ!
リリース後、一日でどれだけ数字が伸びるかが勝負だよ!気合い入れてこう!」
「はい!!」今日は、私の初脚本、編集、の漫画リリースの日だった。
ここまで試行錯誤して何とか三話までの配信に辿り着けた。
「しかし、今回は俺もかなり冒険したなぁ。
初めての女性向けのラブストーリーだったからさぁ」
「そうですよね、、、大体西海さんのヒット作男性向けのファンタジーですからね。どれだけいけるかわからないんですけど」
「でも、脚本見て行けると思っちゃったんだよね。映像化くるかなぁって」
「映像化ですか?、、、まさかぁ?西海さんの夢いつも大きいからなぁ」
「何言ってんの!夢はでっかく!ミスは小さく!」
「あ〜はいはい。社訓ですね!あっ!皆んなzoomに入ってきた!」
私のパソコンのディスクに、一緒に漫画を手がけた仲間達が次々とログインしてきた。
『やっほー七奈!』
『来たぞー!緊張するなぁ!』
『七奈〜congratulation!』
『やばい!寝てたぞ!』
『七奈ちゃ〜んおめでとう!』
「皆さん、ありがとうございます!!皆さんのおかげで、私の初出し迎える事が出来ました!!
それでは 『僕は待つ、君の頭の片隅で』リリースになります!!」
『お〜!!!』
パソコンの画面から、皆んなの歓声が聞こえる。こんなに充実した気分は初めてだった。
私の心の内の言葉を乗せて、指先一本で世界中に広がっていく。
どうか、一人でも多くの人に届きますように。
どうか、誰かの心を震わす事が出来ますように。
私は自分の言葉に思いをつめた、、、。
「なかなか、出だし好調だったね!」
深夜零時にリリースして、今の時刻は深夜二時だった。会社を出て、私は西海さんと歩きながら話していた。
「明日の数字がドキドキです」
「まあ、あんまり気にしても、しゃーなし!ぼちぼちやろう!」
私は、立ち止まって祈った。
その姿を見て、西海さんが不気味そうに私を見た。
「何!?それ、何の儀式?」
「ああ、空に"はち座"が見えたんで」
「はち座?何それ?」
「あの星です」私が指をさすと、西海さんが不思議そうな顔をした。
「あれはへび座じゃない?」
「へび座?」
「そう。死者も蘇らせる名医アスクレピオスの化身だよ。『再生』とか『回復力』を示す強い星座だよ」
まさか、はち座にそんな意味があると知らなくて私はびっくりした。永斗はへび座になって私にパワーを与えようとしていたのか?
「七奈ちゃんへび座が好きなの?」
「違いますよ!はち座!はち座が好きなんです!」
西海さんが私を見て変な顔をして笑った。
「七奈ちゃんって本当に面白いね」
「西海さんもけっこう変ですけどね〜」
「ちょっと待て、それは悪口だから!」
私達は誰もいない夜中の東京の街を歩いた。
私の頭上では、はち座が私に向かって力いっぱい光を放ち続けていた─────。
忘れないよ、永斗、、、。絶対にね。
今日も永斗は、私の頭の片隅で生き続ける
「七奈ちゃん!お疲れ!やっとリリースだな」
後ろを振り返ると、西海さんが私の後ろにいてコーヒーを差し入れてくれた。
「ありがとうございます!西海さんのおかげですよ!色々手伝ってもらって本当にありがとうございます!」
「何言ってんの、ここからが勝負だよ!
リリース後、一日でどれだけ数字が伸びるかが勝負だよ!気合い入れてこう!」
「はい!!」今日は、私の初脚本、編集、の漫画リリースの日だった。
ここまで試行錯誤して何とか三話までの配信に辿り着けた。
「しかし、今回は俺もかなり冒険したなぁ。
初めての女性向けのラブストーリーだったからさぁ」
「そうですよね、、、大体西海さんのヒット作男性向けのファンタジーですからね。どれだけいけるかわからないんですけど」
「でも、脚本見て行けると思っちゃったんだよね。映像化くるかなぁって」
「映像化ですか?、、、まさかぁ?西海さんの夢いつも大きいからなぁ」
「何言ってんの!夢はでっかく!ミスは小さく!」
「あ〜はいはい。社訓ですね!あっ!皆んなzoomに入ってきた!」
私のパソコンのディスクに、一緒に漫画を手がけた仲間達が次々とログインしてきた。
『やっほー七奈!』
『来たぞー!緊張するなぁ!』
『七奈〜congratulation!』
『やばい!寝てたぞ!』
『七奈ちゃ〜んおめでとう!』
「皆さん、ありがとうございます!!皆さんのおかげで、私の初出し迎える事が出来ました!!
それでは 『僕は待つ、君の頭の片隅で』リリースになります!!」
『お〜!!!』
パソコンの画面から、皆んなの歓声が聞こえる。こんなに充実した気分は初めてだった。
私の心の内の言葉を乗せて、指先一本で世界中に広がっていく。
どうか、一人でも多くの人に届きますように。
どうか、誰かの心を震わす事が出来ますように。
私は自分の言葉に思いをつめた、、、。
「なかなか、出だし好調だったね!」
深夜零時にリリースして、今の時刻は深夜二時だった。会社を出て、私は西海さんと歩きながら話していた。
「明日の数字がドキドキです」
「まあ、あんまり気にしても、しゃーなし!ぼちぼちやろう!」
私は、立ち止まって祈った。
その姿を見て、西海さんが不気味そうに私を見た。
「何!?それ、何の儀式?」
「ああ、空に"はち座"が見えたんで」
「はち座?何それ?」
「あの星です」私が指をさすと、西海さんが不思議そうな顔をした。
「あれはへび座じゃない?」
「へび座?」
「そう。死者も蘇らせる名医アスクレピオスの化身だよ。『再生』とか『回復力』を示す強い星座だよ」
まさか、はち座にそんな意味があると知らなくて私はびっくりした。永斗はへび座になって私にパワーを与えようとしていたのか?
「七奈ちゃんへび座が好きなの?」
「違いますよ!はち座!はち座が好きなんです!」
西海さんが私を見て変な顔をして笑った。
「七奈ちゃんって本当に面白いね」
「西海さんもけっこう変ですけどね〜」
「ちょっと待て、それは悪口だから!」
私達は誰もいない夜中の東京の街を歩いた。
私の頭上では、はち座が私に向かって力いっぱい光を放ち続けていた─────。
忘れないよ、永斗、、、。絶対にね。
今日も永斗は、私の頭の片隅で生き続ける



