私は一人、自分のアパートへ帰ると、永斗からの手紙を開けた。
便箋には、身体が辛いのか、弱々しい筆跡の文字が並べられていた。
"七奈へ
これが、七奈へ書く最後の手紙になると思います。本当は、もっと何通も手紙を書いて、七奈が辛い時に、励ます言葉をかける事が出来たら良かったんですが、無理そうなのでこれが最後になります。
俺の生きられる時間が、そんなに長くはないと知った時、俺は"死ぬ"という事について真剣に考えました。
"生きる"という事と"死ぬ"事は正反対のようで、イコールで繋がっていて、生きるからこそ死が必ず訪れる。その時間は思っているよりもとても短い事を、病気になり俺は知りました。
どうせ生きるなら、幸せになりたい。
俺は、自分の為に生きるより、人の為に生きる方が幸せだと思いました。
それが俺の生きる意味なんだと思いました。
だから、残された時間は全て七奈の為に使いたいと思いました。
『時間泥棒キキ』のキキみたいにね。
七奈は、キキが可哀想と言ったけれど、逆です。
キキは幸せだったと思います。
その証拠に、俺は七奈を励まして七奈が笑顔になっていく度に、物凄い幸せを貰う事が出来ました。
久しぶりに会った七奈は、少し大人びて、綺麗になって、でも何故か自信を失って、自分の価値さえわからなくなっていたね。
忘れないでください。あなたが存在するだけで価値がある事を。
俺がどれだけ七奈の笑顔で救われたか。
この病気になって、もちろん辛い事の方が多かったけれど、俺はこの病気にならなければ、七奈と出会う事はなかったから、そう思うと病気になった事も悪くなかったと思えます。
もし、また七奈が自分を見失いそうな時は、夜空を眺めてください。暗い夜空に"はち座"が見えると思います。俺はずっと七奈にラッキーが降り注ぐように祈っています。
そして、七奈が自分の寿命を全うして、優しく死に抱かれる時は、俺が必ず迎えに行きます。
「頑張ったね」と声をかけに行きます。
それまで、じゃあ、またね。
永斗"
便箋には、身体が辛いのか、弱々しい筆跡の文字が並べられていた。
"七奈へ
これが、七奈へ書く最後の手紙になると思います。本当は、もっと何通も手紙を書いて、七奈が辛い時に、励ます言葉をかける事が出来たら良かったんですが、無理そうなのでこれが最後になります。
俺の生きられる時間が、そんなに長くはないと知った時、俺は"死ぬ"という事について真剣に考えました。
"生きる"という事と"死ぬ"事は正反対のようで、イコールで繋がっていて、生きるからこそ死が必ず訪れる。その時間は思っているよりもとても短い事を、病気になり俺は知りました。
どうせ生きるなら、幸せになりたい。
俺は、自分の為に生きるより、人の為に生きる方が幸せだと思いました。
それが俺の生きる意味なんだと思いました。
だから、残された時間は全て七奈の為に使いたいと思いました。
『時間泥棒キキ』のキキみたいにね。
七奈は、キキが可哀想と言ったけれど、逆です。
キキは幸せだったと思います。
その証拠に、俺は七奈を励まして七奈が笑顔になっていく度に、物凄い幸せを貰う事が出来ました。
久しぶりに会った七奈は、少し大人びて、綺麗になって、でも何故か自信を失って、自分の価値さえわからなくなっていたね。
忘れないでください。あなたが存在するだけで価値がある事を。
俺がどれだけ七奈の笑顔で救われたか。
この病気になって、もちろん辛い事の方が多かったけれど、俺はこの病気にならなければ、七奈と出会う事はなかったから、そう思うと病気になった事も悪くなかったと思えます。
もし、また七奈が自分を見失いそうな時は、夜空を眺めてください。暗い夜空に"はち座"が見えると思います。俺はずっと七奈にラッキーが降り注ぐように祈っています。
そして、七奈が自分の寿命を全うして、優しく死に抱かれる時は、俺が必ず迎えに行きます。
「頑張ったね」と声をかけに行きます。
それまで、じゃあ、またね。
永斗"



