初めからわかっていた事だった。キャンプ場で働く事になった時、永斗君は言っていた。
『俺を絶対に好きにならない事』
そう言っていたのに、まんまと永斗君の優しさに惹かれて好きになってしまった私が悪かった。
こんな風に振られてしまっても何も言えなかった。気持ちを伝えた時点で、友達ですらいられなくなる事も覚悟していたから。
『わかったよ。今まで本当にありがとう。
永斗君が好きな人と幸せになれるように、応援しています』
私は何度も何度も送信ボタンを押そうとして中々押す事ができなかった。
永斗君は、他に好きな人がいたのかもしれないが、私が気持ちを伝えてからの二週間足らず、私は確実に永斗君に愛されていた気がしていた。
思いあがりかもしれないが、私はそう思わずにはいられなかった。
それどころか、私が気持ちを伝える前から永斗君は、私の事を大切にしてくれていた。
あれは友達だから、あんなに優しくしてくれたんだろうか、、、。
私は、永斗君に連絡できないと言われて、かなりショックを受けて、落ち込んだのは確かだが、この短い文面に永斗君の本当の気持ちが全て書かれているとは思えなかった。
"会って話しがしたい"
私はそう思っていた。永斗君と最後に会って、きちんと振ってほしいと思っていた。そうじゃなければ、私は永斗君の事を永遠に忘れられそうにもなかった。
私は諦めようとしても、いつも目尻を下げて
『七奈ちゃん』と呼ぶ、永斗君の笑顔が忘れられなかった。
会って振られたからといって、諦められるかもわからなかったが、とりあえず最後に会いたかった。
「お疲れ様!」
今日私達のチームが制作した漫画が、三話までリリースされる事になり、オフィスでリリースするのを見届けていると、西海さんが私の所へ来てコーヒーを差し入れてくれた。
「お疲れ様でした!無事リリースされました」
「いやぁ、いきなりインターンで来て、このチームに配属されて大変だったでしょ?」
「漫画もよくわかっていないのに、いきなり製作チームに入れてもらっていいのかなぁって、思ったんですけど、皆んな楽しい人ばかりで、自分なりに色々アイディアが出せて良かったです」
年齢も、性別も、国籍もバラバラなチームだったが、皆んな漫画が好きで新しい物を産み出したいという目標があり、すぐに打ち解ける事が出来た。
「いきなり自分の企画を通すのは、簡単じゃないけど、アイディアがあったらじゃんじゃんプロットにして、持ち込みなよ」
「はい!私も自分の作品を出してみたくなりました。絶対にいつか作ってみせます!」
私が気合いをいれていると、西海さんが笑った。
「でも、良かったよ。七奈ちゃんにインターンをすすめて。あのプロット読んだ時にピンときたんだよ、、、いい話し思いつくなぁって。プロット読んだだけで、ちょっと感動しちゃったくらい」
私は西海さんに、そんな風に言ってもらえて嬉しかったし、ありがたかった。
「あそこのキャンプ場で働いている男の子いるじゃん?」
いきなり西海さんが、永斗君の話しをするから、心臓がどきっとした。
「はい、、、?永斗君がどうかしました?」
「俺、前からあのキャンプ場、贔屓にしてて、創作に行き詰まるとよく行くんだよ。自然の中にいると良いアイディアが浮かんでくるからさ。
で、永斗君とも顔見知りになって結構色んな話しをしてて、まあ、仕事の話しなんかもちらほらしてたんだけど」
永斗君と、西海さんがそんなに親しかったとは知らなかった。でも、常連さんならそう言う事もあるかもしれない。
「ここのブログ書いてる子、作家志望だから、読んでみてくださいよって永斗君が言ってきて」
「えっ────、、、?永斗君が?」
「そう。もし良いなぁって思ったら、西海さんの会社誘ってやってくれないですか?って。漫画に脚本必要でしょ?って」
永斗君が影でそんな事をしていたなんて知らなかった、、、。
「めちゃくちゃ良い子で、多分、文章書く才能があるからって」
「そんな事、、、?」
「永斗君好きなんだなぁって思ったよ」
「、、、え?」
「七奈ちゃんの事!でもブログ読んだら俺も、結構いいなぁ〜って思ちゃってね。プロット読んで正式に誘おうと思ったんだけど」
なんで、永斗君はわざわざ私にそこまでしてくれたんだろう、、、。好きでもないただの友達に、ここまでするなら、かなりお人好し過ぎると思った。
私は、また自分の胸がざわつき始めて、その原因が何なのか知りたいと思った。その為には、やっぱりもう一度永斗君と会いたいと思った。
『俺を絶対に好きにならない事』
そう言っていたのに、まんまと永斗君の優しさに惹かれて好きになってしまった私が悪かった。
こんな風に振られてしまっても何も言えなかった。気持ちを伝えた時点で、友達ですらいられなくなる事も覚悟していたから。
『わかったよ。今まで本当にありがとう。
永斗君が好きな人と幸せになれるように、応援しています』
私は何度も何度も送信ボタンを押そうとして中々押す事ができなかった。
永斗君は、他に好きな人がいたのかもしれないが、私が気持ちを伝えてからの二週間足らず、私は確実に永斗君に愛されていた気がしていた。
思いあがりかもしれないが、私はそう思わずにはいられなかった。
それどころか、私が気持ちを伝える前から永斗君は、私の事を大切にしてくれていた。
あれは友達だから、あんなに優しくしてくれたんだろうか、、、。
私は、永斗君に連絡できないと言われて、かなりショックを受けて、落ち込んだのは確かだが、この短い文面に永斗君の本当の気持ちが全て書かれているとは思えなかった。
"会って話しがしたい"
私はそう思っていた。永斗君と最後に会って、きちんと振ってほしいと思っていた。そうじゃなければ、私は永斗君の事を永遠に忘れられそうにもなかった。
私は諦めようとしても、いつも目尻を下げて
『七奈ちゃん』と呼ぶ、永斗君の笑顔が忘れられなかった。
会って振られたからといって、諦められるかもわからなかったが、とりあえず最後に会いたかった。
「お疲れ様!」
今日私達のチームが制作した漫画が、三話までリリースされる事になり、オフィスでリリースするのを見届けていると、西海さんが私の所へ来てコーヒーを差し入れてくれた。
「お疲れ様でした!無事リリースされました」
「いやぁ、いきなりインターンで来て、このチームに配属されて大変だったでしょ?」
「漫画もよくわかっていないのに、いきなり製作チームに入れてもらっていいのかなぁって、思ったんですけど、皆んな楽しい人ばかりで、自分なりに色々アイディアが出せて良かったです」
年齢も、性別も、国籍もバラバラなチームだったが、皆んな漫画が好きで新しい物を産み出したいという目標があり、すぐに打ち解ける事が出来た。
「いきなり自分の企画を通すのは、簡単じゃないけど、アイディアがあったらじゃんじゃんプロットにして、持ち込みなよ」
「はい!私も自分の作品を出してみたくなりました。絶対にいつか作ってみせます!」
私が気合いをいれていると、西海さんが笑った。
「でも、良かったよ。七奈ちゃんにインターンをすすめて。あのプロット読んだ時にピンときたんだよ、、、いい話し思いつくなぁって。プロット読んだだけで、ちょっと感動しちゃったくらい」
私は西海さんに、そんな風に言ってもらえて嬉しかったし、ありがたかった。
「あそこのキャンプ場で働いている男の子いるじゃん?」
いきなり西海さんが、永斗君の話しをするから、心臓がどきっとした。
「はい、、、?永斗君がどうかしました?」
「俺、前からあのキャンプ場、贔屓にしてて、創作に行き詰まるとよく行くんだよ。自然の中にいると良いアイディアが浮かんでくるからさ。
で、永斗君とも顔見知りになって結構色んな話しをしてて、まあ、仕事の話しなんかもちらほらしてたんだけど」
永斗君と、西海さんがそんなに親しかったとは知らなかった。でも、常連さんならそう言う事もあるかもしれない。
「ここのブログ書いてる子、作家志望だから、読んでみてくださいよって永斗君が言ってきて」
「えっ────、、、?永斗君が?」
「そう。もし良いなぁって思ったら、西海さんの会社誘ってやってくれないですか?って。漫画に脚本必要でしょ?って」
永斗君が影でそんな事をしていたなんて知らなかった、、、。
「めちゃくちゃ良い子で、多分、文章書く才能があるからって」
「そんな事、、、?」
「永斗君好きなんだなぁって思ったよ」
「、、、え?」
「七奈ちゃんの事!でもブログ読んだら俺も、結構いいなぁ〜って思ちゃってね。プロット読んで正式に誘おうと思ったんだけど」
なんで、永斗君はわざわざ私にそこまでしてくれたんだろう、、、。好きでもないただの友達に、ここまでするなら、かなりお人好し過ぎると思った。
私は、また自分の胸がざわつき始めて、その原因が何なのか知りたいと思った。その為には、やっぱりもう一度永斗君と会いたいと思った。



