翔也は、すぐに返事はいらないからと言っていた。そして今日はここに、一泊して帰ると言った。
私は、翔也もキャンプが好きだった事を思い出した。
「良いキャンプ場だね。ここ」
サイトまで案内すると、翔也がそう言った。
「そうでしょ?初めて来た時にこの目の前に見える富士山に凄く感動したんだよね」
「虫嫌いの七奈が、よくキャンプなんてしようと思ったね」
「確かに、、、遠くをみたくなったの」
「遠く、、、?」
私は差出人不明の緑色の封筒の手紙を思い出していた。
"そんな時は遠くを見ましょう、、、"
あの手紙に書いてあった。
"世界が一つではない事がわかるから"
私はこのキャンプ場で働いて、就活や将来の事、翔也の事、自分の事でごちゃごちゃ悩んでいた事から解き放された気がした。
悩みがなくなる事はないが、自分にはないと思い込んで、ダメだと思っていたものが、本当はある事に気づいたり。
小さな幸せを貰ったり、あげたりしているうちに、私はとてもラッキーな人間なんだと気づけた気がした。
私が思っているよりも、この世界は広かった。自分で不自由にしているだけで、私は最初から自由だった。
「遠くが見えたら、色々な事に気がつけた。ここへ来て良かった」
「七奈、、、元気になったね」
「そうだね。元気が出た。富士山には元気をくれるパワーがあるらしいから」
翔也が「そうなの?」っと言って少し笑った。
あんなに翔也の事を許せないと思っていたのに、私はもう翔也の事を怒っていなかった。
翔也にもだめな所があるんだと、少しホッとしたくらいだった。
「じゃあ、私仕事に戻るね。今日はゆっくりしてね」
私が戻ろうとしたら、翔也がまた声をかけてきた。
「夜、また話せる?」
「、、、いいよ」私はそう言って戻って行った。
歩きながら、私は今までの事を思い出していた。
翔也との今までの事、、、。
長い時間を翔也とは一緒にいたのに、お互いの本当の姿をさらけ出せていなかった気がする。
、、、けれど不思議なのは、私が入院していた二年間は、私は確かに翔也に全てをさらけだしていた気がする。
入院中、私は翔也に救われて自分の病気と向き合う事が出来た。翔也との事を考えていると、私の頭の一部が静かに痛んだ。
私は少し自分のこめかみを押さえると、痛みが治るのを待った。
よくわからないが、私は目頭が熱くなるのを感じて目を触ると、涙が溢れていた。
自分の感情の何が溢れ出しているのかわからなかったが、私は無性に寂しかった。
私は、翔也もキャンプが好きだった事を思い出した。
「良いキャンプ場だね。ここ」
サイトまで案内すると、翔也がそう言った。
「そうでしょ?初めて来た時にこの目の前に見える富士山に凄く感動したんだよね」
「虫嫌いの七奈が、よくキャンプなんてしようと思ったね」
「確かに、、、遠くをみたくなったの」
「遠く、、、?」
私は差出人不明の緑色の封筒の手紙を思い出していた。
"そんな時は遠くを見ましょう、、、"
あの手紙に書いてあった。
"世界が一つではない事がわかるから"
私はこのキャンプ場で働いて、就活や将来の事、翔也の事、自分の事でごちゃごちゃ悩んでいた事から解き放された気がした。
悩みがなくなる事はないが、自分にはないと思い込んで、ダメだと思っていたものが、本当はある事に気づいたり。
小さな幸せを貰ったり、あげたりしているうちに、私はとてもラッキーな人間なんだと気づけた気がした。
私が思っているよりも、この世界は広かった。自分で不自由にしているだけで、私は最初から自由だった。
「遠くが見えたら、色々な事に気がつけた。ここへ来て良かった」
「七奈、、、元気になったね」
「そうだね。元気が出た。富士山には元気をくれるパワーがあるらしいから」
翔也が「そうなの?」っと言って少し笑った。
あんなに翔也の事を許せないと思っていたのに、私はもう翔也の事を怒っていなかった。
翔也にもだめな所があるんだと、少しホッとしたくらいだった。
「じゃあ、私仕事に戻るね。今日はゆっくりしてね」
私が戻ろうとしたら、翔也がまた声をかけてきた。
「夜、また話せる?」
「、、、いいよ」私はそう言って戻って行った。
歩きながら、私は今までの事を思い出していた。
翔也との今までの事、、、。
長い時間を翔也とは一緒にいたのに、お互いの本当の姿をさらけ出せていなかった気がする。
、、、けれど不思議なのは、私が入院していた二年間は、私は確かに翔也に全てをさらけだしていた気がする。
入院中、私は翔也に救われて自分の病気と向き合う事が出来た。翔也との事を考えていると、私の頭の一部が静かに痛んだ。
私は少し自分のこめかみを押さえると、痛みが治るのを待った。
よくわからないが、私は目頭が熱くなるのを感じて目を触ると、涙が溢れていた。
自分の感情の何が溢れ出しているのかわからなかったが、私は無性に寂しかった。



