「ねぇねぇ、永斗君。風がどんどん強くなってきてるね」
私は受付の窓から風で大きく揺れる木を眺めながら、永斗君に話しかけた。
「そうだね。今晩が台風のピークって言ってたからこれからもっと酷くなるんじゃない?」
今日は、朝から強い風が吹いていて、テレビでも大型の台風が接近していると、ニュースで報道されていた。キャンプ場もこんな天気なので、予約は全てキャンセルとなって、岸さんは自宅待機で、私と永斗君は朝から暇を持て余していた。どうせ時間があるならと、朝から校舎の大掃除を二人でしていたが、夕方には暇になって、二人で図書室から謎ときの本を持ってきて二人で解いていた。
「これ、本当に小学生向けの本かな?難しくて全然わからないんだけど、、、」
「永斗君、超能力あるって言ってなかった?こんなの簡単じゃないの?」
「こういうのは、無理無理!」
永斗君がそう言って本を投げ出した。
「じゃあ、何なら当てられるの?」
私はキャンプ場に来た子供達にくばるプレゼントの駄菓子を袋に詰めながら聞いた。
「そうだなぁ、、、じゃあ、、、七奈ちゃんの好きな色は、、、水色!!」
またしても、永斗君が私の好きな色を当ててきたので驚いた。
「なんでわかったの!?パンケーキとかティラミスとか、私の個人情報何処からか漏れてるの!?」
私が本気で怖くなって聞くと、永斗君が一人でケラケラ笑っていた。
「よくないよ!そういうの!教えてよ!なんで知ってるの?」
私が本気で聞いても、永斗君は笑ってるだけで教えてくれなかった。
「逆に私は永斗君の事何もしらないんだけど、、、永斗君って何歳なの?」
考えてみれば永斗君のプライベートの事を、私はいっさい知らなかった。
「俺?二十四歳」 私は永斗君の年齢を聞いて少し驚いた。
「年上だったの?ごめん。なんかすごくタメ語で話してた」
「今さらいいよ!二歳だけだし」
私はずっと永斗君を同じ年だと勘違いしていた。
「じゃあ、出身は?」
「何?この質問コーナーみたいなの」
私は知らなかった永斗君の一面をもっと知りたくなった。
「いいじゃん、知りたい!永斗君のこと」
「えぇ?出身?出身は静岡。ここから車で二十分くらいの場所だけど?」
「じゃあ、兄弟は?」
「いない一人っ子。俺母親が小さい時死んじゃって父親に育てられたから」
「へぇ、、、そうだったんだ、永斗君は私と同じ片親で育ったんだね」
「まあ、そうだね。でもうちの親父はどっちかっていうと、豪快で明るくて、デリカシーとかない感じでうるさくて?片親でもあんまり寂しいとか感じた事ないんだよね」
「じゃあ、永斗君の根明はお父さん譲りなんだ」
私は妙に永斗君の性格に納得がいった。そして永斗君のお父さんが見てみたくなった。
「まあ、ポジティブさは父親譲りかもね?後は?何か聞きたい事ありますか?」
「じゃあ、部活は何やってたの?」
「三歳から剣道やってた」
「えっかっこいい、、、」 「だろ?」
私はその後も永斗君に色々話しを聞いていた。
それは、私の知らないキャンプ場の外の永斗君の話しで、知れば知るほど何故か私は永斗君が遠く感じた。どんなに願っても、この人に近づく事は出来ないんだと思うと、私の心は重苦しくなった。
"ダメなものはダメ"欲しいおもちゃをねだったら、母によく言われていた。
私が永斗君をどんなに欲しいと思っても、無理なものは無理なんだ。
私がそんな事を考え一人で沈んでいると、窓の外から雷鳴のなる音が聞こえた。
「雷がなり始めたな、、、七奈ちゃん、早めにシャワー浴びといた方がいいかもね、停電したら大変かも」
なり続ける雷鳴に、私も少し不安になった。
ここは学校だから、建物は頑丈だろうけど、それでもやっぱり雷は怖い。
「そんなに不安そうな顔しなくても大丈夫だよ。明日の朝には過ぎ去ってるよ」
「そうだね、、、」私はまた窓の外を眺めて返事をした。
私は受付の窓から風で大きく揺れる木を眺めながら、永斗君に話しかけた。
「そうだね。今晩が台風のピークって言ってたからこれからもっと酷くなるんじゃない?」
今日は、朝から強い風が吹いていて、テレビでも大型の台風が接近していると、ニュースで報道されていた。キャンプ場もこんな天気なので、予約は全てキャンセルとなって、岸さんは自宅待機で、私と永斗君は朝から暇を持て余していた。どうせ時間があるならと、朝から校舎の大掃除を二人でしていたが、夕方には暇になって、二人で図書室から謎ときの本を持ってきて二人で解いていた。
「これ、本当に小学生向けの本かな?難しくて全然わからないんだけど、、、」
「永斗君、超能力あるって言ってなかった?こんなの簡単じゃないの?」
「こういうのは、無理無理!」
永斗君がそう言って本を投げ出した。
「じゃあ、何なら当てられるの?」
私はキャンプ場に来た子供達にくばるプレゼントの駄菓子を袋に詰めながら聞いた。
「そうだなぁ、、、じゃあ、、、七奈ちゃんの好きな色は、、、水色!!」
またしても、永斗君が私の好きな色を当ててきたので驚いた。
「なんでわかったの!?パンケーキとかティラミスとか、私の個人情報何処からか漏れてるの!?」
私が本気で怖くなって聞くと、永斗君が一人でケラケラ笑っていた。
「よくないよ!そういうの!教えてよ!なんで知ってるの?」
私が本気で聞いても、永斗君は笑ってるだけで教えてくれなかった。
「逆に私は永斗君の事何もしらないんだけど、、、永斗君って何歳なの?」
考えてみれば永斗君のプライベートの事を、私はいっさい知らなかった。
「俺?二十四歳」 私は永斗君の年齢を聞いて少し驚いた。
「年上だったの?ごめん。なんかすごくタメ語で話してた」
「今さらいいよ!二歳だけだし」
私はずっと永斗君を同じ年だと勘違いしていた。
「じゃあ、出身は?」
「何?この質問コーナーみたいなの」
私は知らなかった永斗君の一面をもっと知りたくなった。
「いいじゃん、知りたい!永斗君のこと」
「えぇ?出身?出身は静岡。ここから車で二十分くらいの場所だけど?」
「じゃあ、兄弟は?」
「いない一人っ子。俺母親が小さい時死んじゃって父親に育てられたから」
「へぇ、、、そうだったんだ、永斗君は私と同じ片親で育ったんだね」
「まあ、そうだね。でもうちの親父はどっちかっていうと、豪快で明るくて、デリカシーとかない感じでうるさくて?片親でもあんまり寂しいとか感じた事ないんだよね」
「じゃあ、永斗君の根明はお父さん譲りなんだ」
私は妙に永斗君の性格に納得がいった。そして永斗君のお父さんが見てみたくなった。
「まあ、ポジティブさは父親譲りかもね?後は?何か聞きたい事ありますか?」
「じゃあ、部活は何やってたの?」
「三歳から剣道やってた」
「えっかっこいい、、、」 「だろ?」
私はその後も永斗君に色々話しを聞いていた。
それは、私の知らないキャンプ場の外の永斗君の話しで、知れば知るほど何故か私は永斗君が遠く感じた。どんなに願っても、この人に近づく事は出来ないんだと思うと、私の心は重苦しくなった。
"ダメなものはダメ"欲しいおもちゃをねだったら、母によく言われていた。
私が永斗君をどんなに欲しいと思っても、無理なものは無理なんだ。
私がそんな事を考え一人で沈んでいると、窓の外から雷鳴のなる音が聞こえた。
「雷がなり始めたな、、、七奈ちゃん、早めにシャワー浴びといた方がいいかもね、停電したら大変かも」
なり続ける雷鳴に、私も少し不安になった。
ここは学校だから、建物は頑丈だろうけど、それでもやっぱり雷は怖い。
「そんなに不安そうな顔しなくても大丈夫だよ。明日の朝には過ぎ去ってるよ」
「そうだね、、、」私はまた窓の外を眺めて返事をした。



