「永斗君見て、寄せ書きが入ってたよ」
私は永斗君に封筒に入っていた寄せ書きを見せた。皆んなからのそれぞれのお礼のメッセージが書いてあった。
「えー嬉しいね。皆んな楽しんでくれたんだね」
「七奈ちゃんのお化けが、怖過ぎてトラウマになったって子もいるけど」
確かに、そんなメッセージを書いている子もいた。自分でもあれはトラウマになってもおかしくはないとは思った。
気がつくと封筒の中に、まだ二つに折り畳んでいる小さい紙が入っていた。
「あれ、、、まだ手紙が入ってる。、、、叶人君だ!」
私が驚いて永斗君をみると、永斗君が「七奈ちゃんへじゃない?」と言った。
手紙を開くと確かに『お姉さんへ』と書いてあった。
"お姉さん、この間はありがとう。
お姉さんと話して、少しだけ僕はいやな事はいやと言うようになれました。笑ってその場をやり過ごす事は簡単だけど、自分の気持ちをもっと人に伝えなければいけないと思いました。
だから、お母さんにも僕の本当の気持ちを伝えました。
お母さんは、怒ることもなく、悲しむこともなく、本当の気持ちを教えてくれて嬉しいと言っていました。
なんだかほっとしました。
お姉さんも頑張ってください。お姉さんと話せて良かったです。 叶人"
私は手紙を読んで、自分の心がじんわり温かくなって、嬉しさが込み上げてきた。
お礼を言われるような言葉をかけたつもりはなかったのに、自分の気持ちが叶人君に届いていた事が嬉しかった。
「七奈ちゃん、良かったね。叶人君、七奈ちゃんと話せて勇気を出せたから手紙くれたんだよ。
凄いじゃん」
「うん!嬉しい!」
私が喜んで手紙を眺めていると、永斗君が私に言ってきた。
「七奈ちゃん、これはちょっと自己肯定感あがったんじゃないの?」
「確かに、、、ちょっと上がったかも!?」
私達は笑いながら、皆んなのメッセージを読んでいた。それぞれ個性があって、メッセージを読むのは面白かった。
その時、また声をかけられた。前から歩いてきたのは田中さんだった。
「田中さん!」私が手を振ると、田中さんが私達に差し入れのローストビーフをくれた。
「うわっ旨そう!ありがとうございます!」
「凄い〜田中さんが作ったんですか!?」
アルミホイルに包まれたローストビーフは、丁度良い火の通り具合で、本当に美味しそうだった。
「今日、行ったスーパーでたまたま美味しそうな、牛肉を見つけてね、作ってみたんだよ。二人で食べてみて」
「わーい!ありがとうございます!」
「七奈さん、僕はそろそろ帰ります。明日、バイクに乗りますか?」
「えっ、、、」私は急に田中さんが帰ってしまうと聞いて寂しくなった。
ずっと延泊していたから、もっとゆっくりしていくのかと思った。私の表情を見た永斗君が言った。
「七奈ちゃんバイク乗せてもらうの?いいなぁ。じゃあ明日早めに仕事切り上げて乗せてもらいなよ」
「、、、うん。ありがとう」
「じゃあ、明日」田中さんは少し微笑んで帰っていった。
私はその後ろ姿を見つめていた。
「田中さんが帰っちゃうの寂しいの?」
「うん。寂しい、、、。色々話せて楽しかったし、私は親が離婚しちゃったから、父親って存在を知らないけど、お父さんってあんな感じなのかなって、、、」
「そっか、、、」
「あれ?永斗君、田中さんについて行くのは何も言わないの?大学生の時は止めてたのに」
私はふと思った。田中さんだって、一応年は離れているけれど男だ。
「いや、だって田中さんはどう見ても変な男じゃないでしょ。むしろ凄く信頼出来そうな気がするけど」
永斗君は何だか納得いくような、いかないような説明をした。
「さっ、ローストビーフ食べよう。旨そうだよ」
「うん、、、」私は小さく頷いた。
私は永斗君に封筒に入っていた寄せ書きを見せた。皆んなからのそれぞれのお礼のメッセージが書いてあった。
「えー嬉しいね。皆んな楽しんでくれたんだね」
「七奈ちゃんのお化けが、怖過ぎてトラウマになったって子もいるけど」
確かに、そんなメッセージを書いている子もいた。自分でもあれはトラウマになってもおかしくはないとは思った。
気がつくと封筒の中に、まだ二つに折り畳んでいる小さい紙が入っていた。
「あれ、、、まだ手紙が入ってる。、、、叶人君だ!」
私が驚いて永斗君をみると、永斗君が「七奈ちゃんへじゃない?」と言った。
手紙を開くと確かに『お姉さんへ』と書いてあった。
"お姉さん、この間はありがとう。
お姉さんと話して、少しだけ僕はいやな事はいやと言うようになれました。笑ってその場をやり過ごす事は簡単だけど、自分の気持ちをもっと人に伝えなければいけないと思いました。
だから、お母さんにも僕の本当の気持ちを伝えました。
お母さんは、怒ることもなく、悲しむこともなく、本当の気持ちを教えてくれて嬉しいと言っていました。
なんだかほっとしました。
お姉さんも頑張ってください。お姉さんと話せて良かったです。 叶人"
私は手紙を読んで、自分の心がじんわり温かくなって、嬉しさが込み上げてきた。
お礼を言われるような言葉をかけたつもりはなかったのに、自分の気持ちが叶人君に届いていた事が嬉しかった。
「七奈ちゃん、良かったね。叶人君、七奈ちゃんと話せて勇気を出せたから手紙くれたんだよ。
凄いじゃん」
「うん!嬉しい!」
私が喜んで手紙を眺めていると、永斗君が私に言ってきた。
「七奈ちゃん、これはちょっと自己肯定感あがったんじゃないの?」
「確かに、、、ちょっと上がったかも!?」
私達は笑いながら、皆んなのメッセージを読んでいた。それぞれ個性があって、メッセージを読むのは面白かった。
その時、また声をかけられた。前から歩いてきたのは田中さんだった。
「田中さん!」私が手を振ると、田中さんが私達に差し入れのローストビーフをくれた。
「うわっ旨そう!ありがとうございます!」
「凄い〜田中さんが作ったんですか!?」
アルミホイルに包まれたローストビーフは、丁度良い火の通り具合で、本当に美味しそうだった。
「今日、行ったスーパーでたまたま美味しそうな、牛肉を見つけてね、作ってみたんだよ。二人で食べてみて」
「わーい!ありがとうございます!」
「七奈さん、僕はそろそろ帰ります。明日、バイクに乗りますか?」
「えっ、、、」私は急に田中さんが帰ってしまうと聞いて寂しくなった。
ずっと延泊していたから、もっとゆっくりしていくのかと思った。私の表情を見た永斗君が言った。
「七奈ちゃんバイク乗せてもらうの?いいなぁ。じゃあ明日早めに仕事切り上げて乗せてもらいなよ」
「、、、うん。ありがとう」
「じゃあ、明日」田中さんは少し微笑んで帰っていった。
私はその後ろ姿を見つめていた。
「田中さんが帰っちゃうの寂しいの?」
「うん。寂しい、、、。色々話せて楽しかったし、私は親が離婚しちゃったから、父親って存在を知らないけど、お父さんってあんな感じなのかなって、、、」
「そっか、、、」
「あれ?永斗君、田中さんについて行くのは何も言わないの?大学生の時は止めてたのに」
私はふと思った。田中さんだって、一応年は離れているけれど男だ。
「いや、だって田中さんはどう見ても変な男じゃないでしょ。むしろ凄く信頼出来そうな気がするけど」
永斗君は何だか納得いくような、いかないような説明をした。
「さっ、ローストビーフ食べよう。旨そうだよ」
「うん、、、」私は小さく頷いた。



