「プロポーズ!?え?美優にプロポーズするって事!?」

「他に誰にするのよ!今夜、このキャンプ場でどど〜んっと花火を上げてプロポーズするんだよ」

「花火!?え?花火あげるの!?」

永斗君が興奮した様子で、楽しそうに私に言ってくる。

 「そう、花火!『結婚してください』って言った瞬間に、湖から花火をどどーんとね、ね?」

大我君も嬉しそうに頷いているが、私はどんどん不安になってきた、、、。
 美優はあの感じだと、別れるつもりなんじゃないのか、、、?

 「だから、七奈ちゃんも俺と一緒に協力して!
二人の前でも打ち上げ花火と別に、小さい花火点火する予定だから」

「ちょっと、、、ちょっと待って!いつから、こんなサプライズ予定してたの?」

「二週間前くらいですかね?美優が一人でキャンプに行くって言うんで、チャンスだと思ってこちらのキャンプ場に連絡して、花火を打ち上げたいんですけどって、相談して、、、」

じゃあ、美優が来た時から、このサプライズは決まっていたって事?

 「永斗君!なんで私に相談してくれないのよ!!普通当日に言うかな!?」

「え?言ってなかった?確かに忘れてたかも、ごめん」

「ごめんじゃないでしょ?いやぁ、、、花火はどうかなぁ?あんまりよくないんじゃないかな?他のお客さんもびっくりするし、、、プロポーズはやっぱり、二人だけの時にゆっくりされるのが嬉しいと思うけど、、、」

(こんな大々的にプロポーズされて、美優は果たして断れるのか!?いや?美優の事だから、断りそうだけど、、、こんなサプライズして、結婚断れるの辛過ぎない?絶対辞めた方がいい)

「七奈ちゃん。今更そんな事言っても遅いから。ほらっ!(いさお)さん!」

そう言って、永斗君が呼んでまた現れたのは作業着を着た白髪のおじさんだった。

 「こんにちは、花火師の近藤 功です」

「もう功さんに頼んじゃったから、四十発、十二万円」

「じゅうにまんえん!?」

私が驚いて大我君を見ると、大我君は恥ずかしそうに言った。

 「一生に一度の事なんで、奮発しちゃいました。美優、花火が好きなんで、絶対に喜んでくれると思うんですよ」

大我君が目をキラキラさせながら言ってくる。
私は思わず、永斗君を部屋の外へ連れ出した。

 「何?何?七奈ちゃん、これからセッティングとか忙しいんだから、手伝ってよ」

「違くて!!美優は別れるか悩んでたの!!」

「は?」永斗君は私の言ってる意味がわからないらしく、変な顔をする。

 「大我君のだらしない所に嫌気がさして、もう別れていいかなくらいの口ぶりだった!
十二万の花火打ち上げても断られるかも!?」

 「えーーー!?どうすんのさ」

「どうすんのさじゃないよ!永斗君が私に言わないからでしょ」

 私が永斗君に言うと、永斗君はしばらく悩んでいたが「大我君に全部話そう」と言ってきた。