無事、小学生の合宿組が帰った後、私と永斗君は湖サイトの掃除をしていた。
今日は特別気温が上がって暑い日だった。セミが今にも鳴き出しそうな、そんな陽気の中、私達は湖のゴミ拾いをしていた。
「今日気温高いなぁ〜なんかこの夏が始まる前って一番ワクワクしない?夏って短いからこそ期待値が上がるよなぁ」
永斗君がトングを持ちながら、私に楽しそうに話しかけてくる。
「え〜私は夏苦手だけどなぁ、虫いるし暑いし、泳げないし。あんまり楽しみにしてる事ない」
「なんで!勿体無いよ!こんなにお日様がサンサンと降り注いで、いい陽気の季節を楽しまないなんて、損してるって!
思い浮かべて、花火、お祭り、スイカ、海、川楽しい事が目白押しの季節じゃん。ほら!入っちゃおうぜ!湖!」
永斗君がいきなり、目の前の湖に入って行った。足だけ浸かって「冷たくって気持ちいい〜」と叫んでいる永斗君を見て、私も衝動的に湖に飛び込みたくなった。けれど、私は湖に飛び込んだ瞬間石につまづいて、全身湖にダイブしてしまった。
「七奈ちゃん!!!何してんの!?」
永斗君が私に叫んでくる。私は思ったより、水が冷たくて一瞬心臓が止まったかと思った。私は全身ビジョンビジョンだった。
「やばーい!!冷たーい!!」
「冷たいだろそりゃ!!そんないきなり飛び込む奴いるかよ!あーあ!頭の包帯まで濡れちゃってんじゃん!」
永斗君はそう言うと、私の手を引っ張って湖から連れ出した。
「だって永斗君が楽しそうに湖入るからさ、なんか私も入りたくなったんだよ!」
「わかるけど、そんな思いっきり入る事ないだろ。なんでいきなり俺よりはしゃぎ出したんだよ。あーあ!こりゃダメだ!一回戻って着替えよう!」
永斗君が濡れまくった私をみて笑い出した。
確かに自分でも何故いきなり湖に飛び込んだかは不明だが、永斗君を見ていると、何か思いっきった事をしたくなるから不思議だった。
「まだ、湖の水は冷たいな、七奈ちゃん風邪ひくぞ、ほら!」
永斗君が自分の首にかけていたタオルを私に放ってくれた。
「臭いかもだけど!」 「本当だ!臭い!」
私がわざと匂いをかぐと永斗君が「酷いって!」と笑っていた。
私達はふざけ合いながら、管理棟の方へ戻って行った。私はすっかり永斗君に気を許していたし、バイト仲間というか、友達になりつつあった。けれど、私は一つ気になっている事があった。
なんで、私がこのキャンプ場で働くと言った時、永斗君は『俺の事を絶対に好きにならない事』とわざわざ条件を出したのだろうか。普通に考えたら、少し自意識過剰な条件だけど、わざわざ言ってくるという事は、何かあるからだろうと思っていた。
「ねえ、永斗君?なんで私がキャンプ場で働く時に、あんな条件を出したの?」
私は思い切って永斗君に聞く事にした。永斗君は、管理棟に戻る道の途中で、私の質問に答えようか迷っていた。
けれど、私の方を見て、真っ直ぐにこちらを見て言ってきた。
「俺、好きな子いるんだよね」
永斗君の言葉に、私の心臓が少しドキンッと波打った。
「彼女がいるって事?」
私が聞くと、永斗君は少し寂しそうな表情をした。
「いや?付き合ってはない。片思い的な?」
「だから、俺の事を好きになっても無理だよって事?」
「そうだね」永斗君は少し笑った。
「でもさ、心変わりもあるはずじゃない?好きな子がいても気持ちが変わる事だってあるはずだよ」
永斗君は私の目をしっかり見つめて、いつになく真剣な表情で言ってきた。
「それはないんだ、その子以外を好きになる事はもうありえない」
永斗君の目があまりにも澄んでいて綺麗だったから、私はそれ以上何も言えなくなってしまった。一つ言えるのは、永斗君がその好きな子に、並々ならぬ愛情を持っている事だけは伝わった。もう他の子を好きになる事は絶対にありえない。そこまで思われている、永斗君の好きな子が私は羨ましいと思ってしまった。
今日は特別気温が上がって暑い日だった。セミが今にも鳴き出しそうな、そんな陽気の中、私達は湖のゴミ拾いをしていた。
「今日気温高いなぁ〜なんかこの夏が始まる前って一番ワクワクしない?夏って短いからこそ期待値が上がるよなぁ」
永斗君がトングを持ちながら、私に楽しそうに話しかけてくる。
「え〜私は夏苦手だけどなぁ、虫いるし暑いし、泳げないし。あんまり楽しみにしてる事ない」
「なんで!勿体無いよ!こんなにお日様がサンサンと降り注いで、いい陽気の季節を楽しまないなんて、損してるって!
思い浮かべて、花火、お祭り、スイカ、海、川楽しい事が目白押しの季節じゃん。ほら!入っちゃおうぜ!湖!」
永斗君がいきなり、目の前の湖に入って行った。足だけ浸かって「冷たくって気持ちいい〜」と叫んでいる永斗君を見て、私も衝動的に湖に飛び込みたくなった。けれど、私は湖に飛び込んだ瞬間石につまづいて、全身湖にダイブしてしまった。
「七奈ちゃん!!!何してんの!?」
永斗君が私に叫んでくる。私は思ったより、水が冷たくて一瞬心臓が止まったかと思った。私は全身ビジョンビジョンだった。
「やばーい!!冷たーい!!」
「冷たいだろそりゃ!!そんないきなり飛び込む奴いるかよ!あーあ!頭の包帯まで濡れちゃってんじゃん!」
永斗君はそう言うと、私の手を引っ張って湖から連れ出した。
「だって永斗君が楽しそうに湖入るからさ、なんか私も入りたくなったんだよ!」
「わかるけど、そんな思いっきり入る事ないだろ。なんでいきなり俺よりはしゃぎ出したんだよ。あーあ!こりゃダメだ!一回戻って着替えよう!」
永斗君が濡れまくった私をみて笑い出した。
確かに自分でも何故いきなり湖に飛び込んだかは不明だが、永斗君を見ていると、何か思いっきった事をしたくなるから不思議だった。
「まだ、湖の水は冷たいな、七奈ちゃん風邪ひくぞ、ほら!」
永斗君が自分の首にかけていたタオルを私に放ってくれた。
「臭いかもだけど!」 「本当だ!臭い!」
私がわざと匂いをかぐと永斗君が「酷いって!」と笑っていた。
私達はふざけ合いながら、管理棟の方へ戻って行った。私はすっかり永斗君に気を許していたし、バイト仲間というか、友達になりつつあった。けれど、私は一つ気になっている事があった。
なんで、私がこのキャンプ場で働くと言った時、永斗君は『俺の事を絶対に好きにならない事』とわざわざ条件を出したのだろうか。普通に考えたら、少し自意識過剰な条件だけど、わざわざ言ってくるという事は、何かあるからだろうと思っていた。
「ねえ、永斗君?なんで私がキャンプ場で働く時に、あんな条件を出したの?」
私は思い切って永斗君に聞く事にした。永斗君は、管理棟に戻る道の途中で、私の質問に答えようか迷っていた。
けれど、私の方を見て、真っ直ぐにこちらを見て言ってきた。
「俺、好きな子いるんだよね」
永斗君の言葉に、私の心臓が少しドキンッと波打った。
「彼女がいるって事?」
私が聞くと、永斗君は少し寂しそうな表情をした。
「いや?付き合ってはない。片思い的な?」
「だから、俺の事を好きになっても無理だよって事?」
「そうだね」永斗君は少し笑った。
「でもさ、心変わりもあるはずじゃない?好きな子がいても気持ちが変わる事だってあるはずだよ」
永斗君は私の目をしっかり見つめて、いつになく真剣な表情で言ってきた。
「それはないんだ、その子以外を好きになる事はもうありえない」
永斗君の目があまりにも澄んでいて綺麗だったから、私はそれ以上何も言えなくなってしまった。一つ言えるのは、永斗君がその好きな子に、並々ならぬ愛情を持っている事だけは伝わった。もう他の子を好きになる事は絶対にありえない。そこまで思われている、永斗君の好きな子が私は羨ましいと思ってしまった。



