せっかくの映画も楽しめず、その後の食事も翔也の会社での話しを聞きながら、顔に笑顔を貼り付けてはいたが、心の中では何一つ楽しめていない自分がいた。
帰り際、駅に向かう途中で翔也が私に言ってきた。
「七奈、大丈夫?だいぶ疲れてるんじゃない?何か今日ずーっとぼーっとしてたよ」
翔也が心配そうに私の顔を覗きこむ。
疲れているわけじゃなかった。むしろ就活の事で頭がいっぱいで頭はフル稼働している感じだった。現に今も、明日の面接のグループディスカッションをどうするかずっと考えていた。
「ごめんね。私なんか最近、就活を言い訳にして、ドタキャンしたり態度悪かったり翔也にあたったりしてるよね」
本当に申し訳ないと思っていた。翔也は優しいので、私に怒る事など殆どなかった。けれど、自分がどんどん嫌な人間になっているのがわかっていた。
「七奈、おいで」翔也がそう言って手を広げた。私は翔也の胸の中へ行くと、翔也は優しく私を抱きしめた。
「大丈夫だよ。七奈なら絶対に上手くいくから」
私は翔也の腕の中で「そうだね、、、」と呟いた。
「明日も面接でしょ?上手くいくといいね」
「でも、私が一番苦手なグループディスカッションがあるから、、、」
「良いんだよ、そのままの七奈でいけば!本当の自分をアピールしていけばいいんだよ」
「うん、、、そうだね」
私はそう言って笑顔で頷いた。
翔也は、そんな私を見つめると私の頭を撫でてまた私と手を繋いで歩き出した。
本当の自分って何なんだろう、、、。
今まで素の自分で面接を受けたり、グループディスカッションを受けたりしてきて、全て全滅だった。
私は自己PRも人に何かを強く主張する事も苦手だ。けれど就活ではその力が求められている。
毎回、私が何か答える毎に面接官にため息をつかれさっさっと話しを切り上げられる。
『つまり?』と高圧的に聞かれると、焦ってパニックになってしまう。
セクハラまがいなおじさんの面接官には、嫌な質問をされても笑って流してしまうし、グループディスカッションでも、明らかに周りに舐められる。
素の自分なんて全然だめじゃん、、、。
誰にも求められていないよ、、、。
『私は必要な人間ではないんじゃないか?』
そんな考えが自分の胸の辺りを息苦しくする。
もちろん、皆んなこんなに辛い就活を乗り越えているんだから、やるしかない事はわかっている。ちゃんと就職して、ちゃんとした会社で働いてお金を稼ぐ。それが普通だし、そうでなければいけないと思っていた。
けれど、何処かもう一人の自分が私に問いかける。
"それが私の本当の希望なの?"
帰り際、駅に向かう途中で翔也が私に言ってきた。
「七奈、大丈夫?だいぶ疲れてるんじゃない?何か今日ずーっとぼーっとしてたよ」
翔也が心配そうに私の顔を覗きこむ。
疲れているわけじゃなかった。むしろ就活の事で頭がいっぱいで頭はフル稼働している感じだった。現に今も、明日の面接のグループディスカッションをどうするかずっと考えていた。
「ごめんね。私なんか最近、就活を言い訳にして、ドタキャンしたり態度悪かったり翔也にあたったりしてるよね」
本当に申し訳ないと思っていた。翔也は優しいので、私に怒る事など殆どなかった。けれど、自分がどんどん嫌な人間になっているのがわかっていた。
「七奈、おいで」翔也がそう言って手を広げた。私は翔也の胸の中へ行くと、翔也は優しく私を抱きしめた。
「大丈夫だよ。七奈なら絶対に上手くいくから」
私は翔也の腕の中で「そうだね、、、」と呟いた。
「明日も面接でしょ?上手くいくといいね」
「でも、私が一番苦手なグループディスカッションがあるから、、、」
「良いんだよ、そのままの七奈でいけば!本当の自分をアピールしていけばいいんだよ」
「うん、、、そうだね」
私はそう言って笑顔で頷いた。
翔也は、そんな私を見つめると私の頭を撫でてまた私と手を繋いで歩き出した。
本当の自分って何なんだろう、、、。
今まで素の自分で面接を受けたり、グループディスカッションを受けたりしてきて、全て全滅だった。
私は自己PRも人に何かを強く主張する事も苦手だ。けれど就活ではその力が求められている。
毎回、私が何か答える毎に面接官にため息をつかれさっさっと話しを切り上げられる。
『つまり?』と高圧的に聞かれると、焦ってパニックになってしまう。
セクハラまがいなおじさんの面接官には、嫌な質問をされても笑って流してしまうし、グループディスカッションでも、明らかに周りに舐められる。
素の自分なんて全然だめじゃん、、、。
誰にも求められていないよ、、、。
『私は必要な人間ではないんじゃないか?』
そんな考えが自分の胸の辺りを息苦しくする。
もちろん、皆んなこんなに辛い就活を乗り越えているんだから、やるしかない事はわかっている。ちゃんと就職して、ちゃんとした会社で働いてお金を稼ぐ。それが普通だし、そうでなければいけないと思っていた。
けれど、何処かもう一人の自分が私に問いかける。
"それが私の本当の希望なの?"



