私はそれからも、叶人君の事が気になって彼のことばかり見ていた。
何だか叶人君は無理して笑顔を貼り付けているようで、少し前の自分を見ているみたいだった。嫌な事も笑顔で答えて、自分の感情は何処かへ捨てていた。
ふと永斗君を見ると、永斗君は大人げなく子供達と水鉄砲で遊んでいた。全身びしょびしょになりながら、子供達とはしゃいでいた。
永斗君は私の姿に気がつくと私に向けて水鉄砲を発射してきた。
「永斗君!」私が怒っても永斗君はゲラゲラ笑いながら、子供達と遊んでいた。永斗君は、インストラクターの手伝いというか、自分が小学生になって一緒に遊んでいるみたいだった。
叶人君も水鉄炮で遊んでいたが、集団で顔に当てられても何も言わずに笑っていた。
「こらっ!顔は禁止だぞ!」永斗君がそう言うと、皆んながわぁー!と逃げていった。
叶人君は皆んなが逃げていった後、一人で俯いていた。
「どうした?」私が叶人君を見つめている事に気がついた永斗君が私に話しかけてきた。
「あの子、ずっと周りの子から色々押し付けられても、笑って受け流してるんだよね。本当は嫌なんじゃないかなと思って」
「ああ、言えないのかもね?何か言ったら嫌われると思って」
「え?」 「楽しそうじゃないもんね。よっしゃあー」
そう言って永斗君は叶人君に話しかけにいってしまった。私は自分の子供の頃の事を思い出していた。私もどちらかというと、叶人君よりの性格をしていて、人の意見に合わせてあんまり自分の意見を言うのは苦手なタイプだった。
嫌な事をされても、はっきり嫌とは言えなかったから、叶人君の気持ちが少しわかる気がした。
永斗君は叶人君に火起こしの仕方を教えてあげていた。なかなか上手く火を起こせないのか、叶人君は夢中で火を起こしていた。けれど楽しいのか、笑顔で永斗君と話しながら、麻紐に少し火が着くと二人で盛り上がっていた。叶人君はすっかり楽しそうだった。
永斗君は流石だった、子供だとしても人をすぐに楽しませていた。
夕飯の時間になって、子供達は自分の作ったカレーを食べていた。
その間、管理棟で私と永斗君と岸さんで、肝試しの準備をした。
永斗君は完璧なお化けの衣装を用意していた。
口裂け女の私には白いワンピース、岸さんはフード付きの黒いロープと仮面で死神、自分はホラーピエロで派手な星とストライプの繋ぎに、アフロのウィッグまで用意していた。
「じゃあ、後で顔もペイントするからね。あっ岸さんは仮面被るからしなくていいか。
じゃあ待機場所だけど、岸さんは理科室、俺は六年一組、七奈ちゃんは二階の階段の踊り場ね」
「えーーー!!!」
私が思わず声を上げると、永斗君が「何?」と言ってくる。
「二階の踊り場大きい鏡あるじゃん!あんな所で待機するの怖すぎるよ!」
「大丈夫だって!何かあったら六年一組近いから、俺すぐ行くって!ほらっ、子供達が楽しんで貰えるように、サービスするんだから全力でやらないとね」
絶対に永斗君がやりたいだけだと、私は永斗君を睨みつける。
「七奈ちゃん、、、でも気をつけてね」
黒いロープを被った岸さんまで、いきなりそんな事を言ってくるので私は完全にビビってしまった。
「な、、なんですか岸さんまで、、、!」
私と永斗君は思わず岸さんの方を向くと、岸さんが死神のお面を被りながら言ってくる。
「いや、あの踊り場の鏡にね昔から真っ青な男の子のお化けが出るって言われてたんだよ、、、なんでも、昔いじめを苦に亡くなった子がいたらしくてね、その子が出るらしいんだよ『仲間にいれてよ、、、』って耳元で呟くとかいってね」
その話しを聞いて、私はすぐに自分の衣装のワンピースを永斗君に返した。
「お化け役辞退させてもらいますね」
「何言ってんの!ダメダメ!岸さんなんでいきなりそんな話しぶっ込んでくるんだよ!」
岸さんはお面を被ったまま「ははは」
と笑っていた。
そんなこんなで、三人で盛り上がっていたら、スイミングスクールのインストラクターの若い男の先生が青い顔をして、管理棟の方へ走ってきた。
「どうしました?」永斗君が驚いて先生に聞くと、先生が慌てた様子で私達に聞いてきた。
「叶人君こちらへ来てませんか?夕飯を食べた後姿が見えなくて探してるんです!」
、、、叶人君?
私はつまらなさそうに、水鉄砲を持って俯いていた、叶人君の顔を思い出していた。
何だか叶人君は無理して笑顔を貼り付けているようで、少し前の自分を見ているみたいだった。嫌な事も笑顔で答えて、自分の感情は何処かへ捨てていた。
ふと永斗君を見ると、永斗君は大人げなく子供達と水鉄砲で遊んでいた。全身びしょびしょになりながら、子供達とはしゃいでいた。
永斗君は私の姿に気がつくと私に向けて水鉄砲を発射してきた。
「永斗君!」私が怒っても永斗君はゲラゲラ笑いながら、子供達と遊んでいた。永斗君は、インストラクターの手伝いというか、自分が小学生になって一緒に遊んでいるみたいだった。
叶人君も水鉄炮で遊んでいたが、集団で顔に当てられても何も言わずに笑っていた。
「こらっ!顔は禁止だぞ!」永斗君がそう言うと、皆んながわぁー!と逃げていった。
叶人君は皆んなが逃げていった後、一人で俯いていた。
「どうした?」私が叶人君を見つめている事に気がついた永斗君が私に話しかけてきた。
「あの子、ずっと周りの子から色々押し付けられても、笑って受け流してるんだよね。本当は嫌なんじゃないかなと思って」
「ああ、言えないのかもね?何か言ったら嫌われると思って」
「え?」 「楽しそうじゃないもんね。よっしゃあー」
そう言って永斗君は叶人君に話しかけにいってしまった。私は自分の子供の頃の事を思い出していた。私もどちらかというと、叶人君よりの性格をしていて、人の意見に合わせてあんまり自分の意見を言うのは苦手なタイプだった。
嫌な事をされても、はっきり嫌とは言えなかったから、叶人君の気持ちが少しわかる気がした。
永斗君は叶人君に火起こしの仕方を教えてあげていた。なかなか上手く火を起こせないのか、叶人君は夢中で火を起こしていた。けれど楽しいのか、笑顔で永斗君と話しながら、麻紐に少し火が着くと二人で盛り上がっていた。叶人君はすっかり楽しそうだった。
永斗君は流石だった、子供だとしても人をすぐに楽しませていた。
夕飯の時間になって、子供達は自分の作ったカレーを食べていた。
その間、管理棟で私と永斗君と岸さんで、肝試しの準備をした。
永斗君は完璧なお化けの衣装を用意していた。
口裂け女の私には白いワンピース、岸さんはフード付きの黒いロープと仮面で死神、自分はホラーピエロで派手な星とストライプの繋ぎに、アフロのウィッグまで用意していた。
「じゃあ、後で顔もペイントするからね。あっ岸さんは仮面被るからしなくていいか。
じゃあ待機場所だけど、岸さんは理科室、俺は六年一組、七奈ちゃんは二階の階段の踊り場ね」
「えーーー!!!」
私が思わず声を上げると、永斗君が「何?」と言ってくる。
「二階の踊り場大きい鏡あるじゃん!あんな所で待機するの怖すぎるよ!」
「大丈夫だって!何かあったら六年一組近いから、俺すぐ行くって!ほらっ、子供達が楽しんで貰えるように、サービスするんだから全力でやらないとね」
絶対に永斗君がやりたいだけだと、私は永斗君を睨みつける。
「七奈ちゃん、、、でも気をつけてね」
黒いロープを被った岸さんまで、いきなりそんな事を言ってくるので私は完全にビビってしまった。
「な、、なんですか岸さんまで、、、!」
私と永斗君は思わず岸さんの方を向くと、岸さんが死神のお面を被りながら言ってくる。
「いや、あの踊り場の鏡にね昔から真っ青な男の子のお化けが出るって言われてたんだよ、、、なんでも、昔いじめを苦に亡くなった子がいたらしくてね、その子が出るらしいんだよ『仲間にいれてよ、、、』って耳元で呟くとかいってね」
その話しを聞いて、私はすぐに自分の衣装のワンピースを永斗君に返した。
「お化け役辞退させてもらいますね」
「何言ってんの!ダメダメ!岸さんなんでいきなりそんな話しぶっ込んでくるんだよ!」
岸さんはお面を被ったまま「ははは」
と笑っていた。
そんなこんなで、三人で盛り上がっていたら、スイミングスクールのインストラクターの若い男の先生が青い顔をして、管理棟の方へ走ってきた。
「どうしました?」永斗君が驚いて先生に聞くと、先生が慌てた様子で私達に聞いてきた。
「叶人君こちらへ来てませんか?夕飯を食べた後姿が見えなくて探してるんです!」
、、、叶人君?
私はつまらなさそうに、水鉄砲を持って俯いていた、叶人君の顔を思い出していた。



