その後、私は本当に一日ぼーっとしていた。
持ってきたキャンプ用の椅子に座って、ひたらすら目の前に見える富士山を眺めたり、湖の方を散歩したり、自然の中でゆったりと過ごしていた。
チェックインの時間になると、永斗君が言っていた通り、他のお客さんも来た。
カップルが一組と、ファミリーが二組に、友達同士の男の子が一組。
永斗君は、オーナーの岸さんと一緒に忙しそうに働いていた。
働いていても、やっぱり永斗君はにこにこして楽しそうだった。そして私の時と同じように丁寧に接客をしていた。その姿を見て、私は凄く羨ましくなった。
(永斗君のように働きたい、、、)
そんな風に心から思っていた。誰かの喜ぶ顔を見るために、一生懸命自分も楽しんで働く。そんな姿が理想的だった。
私は暇になって管理棟をぶらぶらしていた。昼間だと普通の学校で、廃校も怖くはなかった。
図書室があったので、私は中へ入ってみた。
図書室には本がそのまま残っていたが、永斗コレクションと書いてある棚があり、そこには永斗君おすすめの本が沢山並んでいた。
そのラインナップを見て私は少しドキッとした。永斗君おすすめの本が、私の好きな本と一緒だったからだ。
(本の趣味一緒かも、、、)
そう思って私は一冊手に取った。
昔からよく読んでいた、児童文学の本だった。
『時間泥棒キキ』
時間泥棒キキは、親友のまゆ子が病気で寿命が短い事を知ると、犯罪をおかす悪い人間の時間を奪って、まゆ子にあげようとする。しかし悪い人間にもいい所があって、キキは誰からも時間を奪う事が出来なくなってしまう。最終的にキキは、自分の寿命をまゆ子にあげる。と言う話しだった。私は入院中にこの本を読み返して、叶う事なら私も時間泥棒をしたいと思っていた。
入院中、私は翔也と付き合っていて、身体はしんどかったが、凄く幸せだった思い出がある。
もちろん外でデートなんかは、殆どできなかったが、翔也はよく私の部屋にお見舞いにきてくれて、ずっと二人で話していた。
それだけでも、私は満たされいて楽しかった。
死んでしまうかと思った時、この時間が一分一秒でもいいから、長く続いて欲しいと思っていた。
その時、私のポケットで携帯が振動した。
携帯を取り出すと、翔也からのメッセージが来ていた。
『七奈、もう一度ちゃんと話しあいたい。こんな別れ方は嫌だから、落ち着いたら一度会ってほしい』
胸の中のもやはなかなか消えなかった。
翔也と会って話して何かが変わるのだろうか。
翔也は責任を感じているのかもしれない。私が翔也のせいで自殺未遂をしたと思っているのだろうか。そう思うと、悪い気がしてきたので、私は翔也に謝る事にした。
『翔也のせいじゃないから。就職の事で思い詰めただけだから、気にしないで大丈夫だよ。
だいぶ気持ち的にも落ち着いてきたから、翔也も何も気にせず、私の事は忘れてください』
メッセージを打っていると、不覚にも涙が溢れてきた。翔也を許していないし、許すつもりもないけれど、私はそれでもまだ少し翔也を愛していた。
持ってきたキャンプ用の椅子に座って、ひたらすら目の前に見える富士山を眺めたり、湖の方を散歩したり、自然の中でゆったりと過ごしていた。
チェックインの時間になると、永斗君が言っていた通り、他のお客さんも来た。
カップルが一組と、ファミリーが二組に、友達同士の男の子が一組。
永斗君は、オーナーの岸さんと一緒に忙しそうに働いていた。
働いていても、やっぱり永斗君はにこにこして楽しそうだった。そして私の時と同じように丁寧に接客をしていた。その姿を見て、私は凄く羨ましくなった。
(永斗君のように働きたい、、、)
そんな風に心から思っていた。誰かの喜ぶ顔を見るために、一生懸命自分も楽しんで働く。そんな姿が理想的だった。
私は暇になって管理棟をぶらぶらしていた。昼間だと普通の学校で、廃校も怖くはなかった。
図書室があったので、私は中へ入ってみた。
図書室には本がそのまま残っていたが、永斗コレクションと書いてある棚があり、そこには永斗君おすすめの本が沢山並んでいた。
そのラインナップを見て私は少しドキッとした。永斗君おすすめの本が、私の好きな本と一緒だったからだ。
(本の趣味一緒かも、、、)
そう思って私は一冊手に取った。
昔からよく読んでいた、児童文学の本だった。
『時間泥棒キキ』
時間泥棒キキは、親友のまゆ子が病気で寿命が短い事を知ると、犯罪をおかす悪い人間の時間を奪って、まゆ子にあげようとする。しかし悪い人間にもいい所があって、キキは誰からも時間を奪う事が出来なくなってしまう。最終的にキキは、自分の寿命をまゆ子にあげる。と言う話しだった。私は入院中にこの本を読み返して、叶う事なら私も時間泥棒をしたいと思っていた。
入院中、私は翔也と付き合っていて、身体はしんどかったが、凄く幸せだった思い出がある。
もちろん外でデートなんかは、殆どできなかったが、翔也はよく私の部屋にお見舞いにきてくれて、ずっと二人で話していた。
それだけでも、私は満たされいて楽しかった。
死んでしまうかと思った時、この時間が一分一秒でもいいから、長く続いて欲しいと思っていた。
その時、私のポケットで携帯が振動した。
携帯を取り出すと、翔也からのメッセージが来ていた。
『七奈、もう一度ちゃんと話しあいたい。こんな別れ方は嫌だから、落ち着いたら一度会ってほしい』
胸の中のもやはなかなか消えなかった。
翔也と会って話して何かが変わるのだろうか。
翔也は責任を感じているのかもしれない。私が翔也のせいで自殺未遂をしたと思っているのだろうか。そう思うと、悪い気がしてきたので、私は翔也に謝る事にした。
『翔也のせいじゃないから。就職の事で思い詰めただけだから、気にしないで大丈夫だよ。
だいぶ気持ち的にも落ち着いてきたから、翔也も何も気にせず、私の事は忘れてください』
メッセージを打っていると、不覚にも涙が溢れてきた。翔也を許していないし、許すつもりもないけれど、私はそれでもまだ少し翔也を愛していた。



