僕は待つ、君の頭の片隅で

 初めてキャンプ用品店なんかに来たが、品揃えが凄くて驚いた。ランタンや寝袋だけでもかなりの種類が置いてあった。永斗君は私の持っていたテントと同じサイズのポールを見つけてくれた。

「これで、今日はテントで泊まれるね」

「上手く張れる自信が全くないんだけど、、、」

「まかせなさい!俺も手伝ってあげるよ」

永斗君がそう言ってくれた。私は初めて見るキャンプ用品が物珍しく、面白くて、永斗君と色々みてまわった。キャンプ場で働いているだけあって、永斗君はキャンプ用品について詳しかったので色々教えてくれた。

 「ねぇねぇ、永斗君これ何?凄く綺麗な音がするよ」

私が鈴みたいな物を指差すと、永斗君が教えてくれた。

「熊よけの鈴だよ。山とか行くときにつけていくやつ」

「ああ、聞いた事ある。この音がすると熊がこないんだっけ?あれ?逆に誰か助けにきてくれるんだっけ?」

「違う違う、スーパーマンみたいに誰も助けにはこないけど、熊がよけてく」

 「そうなんだ、、、買っていこうかな」

私が鈴を手に取ると、永斗君が不思議そうな顔をした。

「え?なんで?山登りでもするつもり?」

「全然。音が綺麗だから、何色がいいかなぁ」

「え〜緑?」 「いや、それ赤でしょ。緑はこっちだよ」 私は緑の鈴を取って買った。

 私と永斗君はまたキャンプ場に戻って、早速テントを張ることにした。永斗君は丁寧にテントの張り方を教えてくれた。昨日は一人で全然張る事ができなかったテントが、永斗君と一緒にやると簡単にすぐに張る事が出来た。

「凄い!凄い!出来たよ〜!!ちゃんと部屋になってるよ!」

「お〜出来たじゃん!!ナイス!やれば出来るんだよ!まあ、俺がいたからだけど」

「確かに!でも次からは自分一人でやれそうだよ?今日はここで寝る!」

 私がテントの中で横になっていると、永斗君が言ってくる。

「大丈夫?おばけでるかもよ?」

「でないから!!こんな小さなテントに!秘密基地みたいで楽しい!!」

「良かったね〜無事に今日は、キャンプできそうで。今日は晴れ予報だし」 

 そう言って永斗君は空を見上げた。梅雨の晴れ間の雲一つない青空が広がっていて、思わず深呼吸をした。

「じゃあ、楽しんで。今日は他にもお客さん来る予定だから、俺はそろそろ七奈ちゃんと遊んでないで仕事します!」

「うん!ありがとう!」

私はそういって永斗君に手を振った。
永斗君がいてくれて良かったと、心から思った。
何か彼に救われたような、そんな気がしていた。