「……ふぐぅ!……んーんー!!」
なんとか逃げようと抵抗するもびくともしない。
逆に強く抱きしめられキスも激しくなる。
「わおーん!!」と豆福助が男性の頭をカブりと噛みつく。
怯るんだのか力が弱まった隙に離れた。
『痛ぇな、何しやがる』
「痛えのも何しやがるも何も一番それを言いたいのは美虹の嬢ちゃんだと思うんですがねぇ」
ん?豆福助が喋っている。ただの子犬の豆福助が。
しかも中年のような渋イケボイス。
「もしや朱雀様でいらっしゃいますか?」
『ん?おー紅音か。熟れていい女になったな!』
「恐縮です。娘も突然のことで驚いております。まずは話しをさせていただけますか?」
紅音はこの男性を知っているようだ。紅音が用意した座布団にドカッとあぐらをかきながら座る。
美虹と紅音、父親も駆けつけ落ち着いて話しをすることとなった。
「まずはこのお方をお嬢に紹介しますぜ。この方は南ノ島担当の守り神でもある朱雀の焔《ほむら》様です。あっしは焔様の右腕…従者ってやつですねぇ」
『焔だ』
「焔様、こちらが神屋敷美虹様に美虹様のご両親の紅音様と雷蔵様です」
紅音と雷蔵は焔に頭を下げる。
神屋敷紅音(かみやしき・あかね)
美虹の母親で神屋敷の現当主。黒い髪を纏め普段は和風の中年女性。
神屋敷雷蔵(かみやしき・らいぞう)。
美虹の父親で紅音の旦那。現在は宮司の仕事をしている。紅音いわく若い頃はインテリ系イケメンでモテモテだったらしいが今は見る影すらないほど中年腹タプタプおじさん。
焔をじっと見つめる美虹。
和装を乱れたような…独特な着こなしをしていて髪は赤く金色のメッシュ、赤い目。
見た目は二十代前半ほどでワイルドな自信家そう見えた。
美虹からすれば恋愛禁止令をしかれている中で突然ファーストキスを奪われたのだから印象は最悪だ。
「まずは朱雀様の話しをしましょうか。神屋敷家に限らず島の者なら誰でも知ってると思うけど改めて話すわね。東西南北の4つの島があって数百年前かしら?霊力がある者たちが島に移住してきた頃に神様の側にいらっしゃる神子様が霊力が強く清い心を持つ4人の女性に神通力を与え神子にしたの。4人の神子様はそれぞれの島で住人らを纏めていた。そして4人の神子様同様に神様は四神と呼ばれる神獣を島の神様として神子様と一緒に纏めたり祀られ島を守ってくださっている」
神屋敷は初代神子様をご先祖にいるので現在も島の纏め役をしつつ朱雀神社で朱雀を祀っている。
それにしても神通力《じんつうりき》?に神獣しんじゅう?初めて聞く。
「お嬢。神獣とは焔様たち四神のことですぜ。本来の姿はご存じの獣姿で人型は色々と便利だからにすぎやせん。神通力っーのは霊力の上の力になりやす」
豆福助が美虹の疑問に察して教えてくれる。
『お前はその神通力を持っている。だからお前は俺の番だ』
「ハァ?!」
思わず変な声が出る。
「神通力なんて…何も感じないんだけど!神通力と番は関係ないでしょ!」
『お前達、島民は霊力なら感知できるんだったな。神通力は感知できない。同じ神通力を持つ者か初代神子の子孫ならわずかにわかる』
神通力が自身にあるなら気づくと思うが自分じゃわからない。両親に尋ねると父の雷蔵は婿養子なのでわからず、紅音はなんとなく察していたそう。
「美虹…実は母さんたち、結婚してからなかなか子供を授からなくてね。だから朱雀様に毎日お願いしてやっと授かった子なの。雨音や晴陽はすんなり授かったんだけど…あなたを授かった時に朱雀様から18の誕生日に番として迎えに来ると…だからこれまで恋愛を禁止していたのよ」
「そんな……」
言葉にならない。母親のお腹にいた時から番になると決められていたなんて。
18歳まで恋愛禁止と言われていたのは島を纏める本家の人間だからと自分に言い聞かせて我慢して18になったら運命的な大恋愛がしたいと夢見ていたのに……
「それじゃあまるで…」
『まるで生贄みたいか……間違いじゃねぇ、他の島は知らねぇが南ノ島じゃ100年に一度、神通力を持つ者が生まれる。次に神通力を持つ女が生まれたら番にすると決め、俺の物としてお前に刻印を刻んでやった』
焔は自身の胸元を指でトントン叩く。
美虹はハッと自分の胸元を見る。美虹には生まれた時から胸元に赤い翼のアザがあった。
「……嫌。たとえ神様であっても好きでもない相手と結婚なんか嫌!お断りします!」
美虹が拒絶すると焔はギロリと先程までと顔つきが変わった。場の空気が一気に重たくなる。
焔の背から炎の翼が生え、バサッと一羽ばたきしただけで熱風が室内に立ち込め、
「あああっ!!」
「お母さん!お父さん!」
翼は手のように自在に動き、紅音と雷蔵の体に巻き付き二人の体をギュッと握るように締めつけている。
「やめて…やめてください!」
『俺は欲しい物は絶対に手に入れる!お前が拒絶するなら親もこの島の連中…いや、島ごと消滅させてやる!神の俺には可能だ』
焔の目は本気だ。神様なのだから人の命など簡単に奪えるだろう。
強い威圧に感。
美虹には対抗する術がない。
「……ます。私はあなたの番になります!だからお母さんたちを離して!みんなや島にも手をださないで……お願い…します」
本当は嫌に決まっている。だが断れば家族も島の人達の命もない。それはもっと嫌だ。
美虹は唇を噛み、悔しいそうに大粒の涙を流しながら懇願する。
なんとか逃げようと抵抗するもびくともしない。
逆に強く抱きしめられキスも激しくなる。
「わおーん!!」と豆福助が男性の頭をカブりと噛みつく。
怯るんだのか力が弱まった隙に離れた。
『痛ぇな、何しやがる』
「痛えのも何しやがるも何も一番それを言いたいのは美虹の嬢ちゃんだと思うんですがねぇ」
ん?豆福助が喋っている。ただの子犬の豆福助が。
しかも中年のような渋イケボイス。
「もしや朱雀様でいらっしゃいますか?」
『ん?おー紅音か。熟れていい女になったな!』
「恐縮です。娘も突然のことで驚いております。まずは話しをさせていただけますか?」
紅音はこの男性を知っているようだ。紅音が用意した座布団にドカッとあぐらをかきながら座る。
美虹と紅音、父親も駆けつけ落ち着いて話しをすることとなった。
「まずはこのお方をお嬢に紹介しますぜ。この方は南ノ島担当の守り神でもある朱雀の焔《ほむら》様です。あっしは焔様の右腕…従者ってやつですねぇ」
『焔だ』
「焔様、こちらが神屋敷美虹様に美虹様のご両親の紅音様と雷蔵様です」
紅音と雷蔵は焔に頭を下げる。
神屋敷紅音(かみやしき・あかね)
美虹の母親で神屋敷の現当主。黒い髪を纏め普段は和風の中年女性。
神屋敷雷蔵(かみやしき・らいぞう)。
美虹の父親で紅音の旦那。現在は宮司の仕事をしている。紅音いわく若い頃はインテリ系イケメンでモテモテだったらしいが今は見る影すらないほど中年腹タプタプおじさん。
焔をじっと見つめる美虹。
和装を乱れたような…独特な着こなしをしていて髪は赤く金色のメッシュ、赤い目。
見た目は二十代前半ほどでワイルドな自信家そう見えた。
美虹からすれば恋愛禁止令をしかれている中で突然ファーストキスを奪われたのだから印象は最悪だ。
「まずは朱雀様の話しをしましょうか。神屋敷家に限らず島の者なら誰でも知ってると思うけど改めて話すわね。東西南北の4つの島があって数百年前かしら?霊力がある者たちが島に移住してきた頃に神様の側にいらっしゃる神子様が霊力が強く清い心を持つ4人の女性に神通力を与え神子にしたの。4人の神子様はそれぞれの島で住人らを纏めていた。そして4人の神子様同様に神様は四神と呼ばれる神獣を島の神様として神子様と一緒に纏めたり祀られ島を守ってくださっている」
神屋敷は初代神子様をご先祖にいるので現在も島の纏め役をしつつ朱雀神社で朱雀を祀っている。
それにしても神通力《じんつうりき》?に神獣しんじゅう?初めて聞く。
「お嬢。神獣とは焔様たち四神のことですぜ。本来の姿はご存じの獣姿で人型は色々と便利だからにすぎやせん。神通力っーのは霊力の上の力になりやす」
豆福助が美虹の疑問に察して教えてくれる。
『お前はその神通力を持っている。だからお前は俺の番だ』
「ハァ?!」
思わず変な声が出る。
「神通力なんて…何も感じないんだけど!神通力と番は関係ないでしょ!」
『お前達、島民は霊力なら感知できるんだったな。神通力は感知できない。同じ神通力を持つ者か初代神子の子孫ならわずかにわかる』
神通力が自身にあるなら気づくと思うが自分じゃわからない。両親に尋ねると父の雷蔵は婿養子なのでわからず、紅音はなんとなく察していたそう。
「美虹…実は母さんたち、結婚してからなかなか子供を授からなくてね。だから朱雀様に毎日お願いしてやっと授かった子なの。雨音や晴陽はすんなり授かったんだけど…あなたを授かった時に朱雀様から18の誕生日に番として迎えに来ると…だからこれまで恋愛を禁止していたのよ」
「そんな……」
言葉にならない。母親のお腹にいた時から番になると決められていたなんて。
18歳まで恋愛禁止と言われていたのは島を纏める本家の人間だからと自分に言い聞かせて我慢して18になったら運命的な大恋愛がしたいと夢見ていたのに……
「それじゃあまるで…」
『まるで生贄みたいか……間違いじゃねぇ、他の島は知らねぇが南ノ島じゃ100年に一度、神通力を持つ者が生まれる。次に神通力を持つ女が生まれたら番にすると決め、俺の物としてお前に刻印を刻んでやった』
焔は自身の胸元を指でトントン叩く。
美虹はハッと自分の胸元を見る。美虹には生まれた時から胸元に赤い翼のアザがあった。
「……嫌。たとえ神様であっても好きでもない相手と結婚なんか嫌!お断りします!」
美虹が拒絶すると焔はギロリと先程までと顔つきが変わった。場の空気が一気に重たくなる。
焔の背から炎の翼が生え、バサッと一羽ばたきしただけで熱風が室内に立ち込め、
「あああっ!!」
「お母さん!お父さん!」
翼は手のように自在に動き、紅音と雷蔵の体に巻き付き二人の体をギュッと握るように締めつけている。
「やめて…やめてください!」
『俺は欲しい物は絶対に手に入れる!お前が拒絶するなら親もこの島の連中…いや、島ごと消滅させてやる!神の俺には可能だ』
焔の目は本気だ。神様なのだから人の命など簡単に奪えるだろう。
強い威圧に感。
美虹には対抗する術がない。
「……ます。私はあなたの番になります!だからお母さんたちを離して!みんなや島にも手をださないで……お願い…します」
本当は嫌に決まっている。だが断れば家族も島の人達の命もない。それはもっと嫌だ。
美虹は唇を噛み、悔しいそうに大粒の涙を流しながら懇願する。



