やさぐれ火の鳥様と禁忌の神子

「はい、おはよー!」
生徒指導の先生が校門前で元気に生徒たちに声をかける。生徒たちはダルそうに朝の挨拶をしている。そんな中……
「あ…涼花ちゃんと鈴花ちゃん」
「お〜あの子たち師匠のお店に何度か来てくれた子じゃん。いつも二人一緒なのよね」
校舎に入らず校舎前で立っている涼花と鈴花。
美虹と目が合う。

「教室でも友達を作らず二人でいます。そういえば自分たちは特別で、あなたたちとは違うんだと言っていましたね」
1学年1クラスのため同じ小学五年生の晴陽と涼花、鈴花とはクラスメイトだ。
神通力を持っているから特別と言っていたんだろう。だから晴陽もミステリアスという印象を持ったのかもしれない。

教室へ向かうため廊下を歩いてと双子が少し距離をとり付いてくる。
小学五年生の教室がある階が過ぎても……。晴陽が「教室はこっちですよ」と声を掛けても無視。
雨音は「うわっウゼェ〜姉貴をライバル視してんじゃない」と小声で呟くもイライラしているようだ。
さすがに美虹の教室まで入ろうとしていたので何か用かと尋ねれば無言で逃げていった。

「おっは〜みくみく〜」
「おはようウサちゃん」
いつものように可愛い雪兎と挨拶を交わす。
「昨日の双子ちゃんだよね?」
「うん……」
ちゃんと話してみたいと思いつつ逃げられてしまいそうだと難しい顔をした。
夏休み前のため宿題が大量に出されゲンナリする美虹とクラスメイトたち。
「街と同じ長期休みがあるのは最高だけど宿題も真似しなくてもいいじゃねぇかああっ!」
「お前、毎年言ってんのな〜」
クラスでは文句を言いながらも笑い声や島から出られないが漁師の家庭では船で付いて行けるなど夏の計画を話が溢れた。

昼食を終え、美虹と雪兎は屋上へ行き周りに聞こえないように焔のこと、番や神子のこと、双子のことを雪兎に話した。雪兎は終始びっくりしていた。
「そうだったんだ〜みくみく大変だったね〜」
「まぁね。あの双子たちが焔の番なり神子なりになってくれればって思ったんだけど、焔は拒否しててさ。ま、ロリコンじゃないのはわかったけど」
美虹は18歳、焔はおそらく数百か数千歳なのでロリコンと言えばロリコンになるが見た目の話だ。

「焔様はみくみくが良いんだ〜愛されてる〜」
「いやいや、私は迷惑だし島のことを考えたら仕方なくだし」
雪兎は親友だしアヤカシ視点で何かいいアイディアがないかと思ったのだが、頬をピンクに染めてウルウルしている雪兎をみていると駄目そう。
そんな話しをしていると涼花と鈴花がこちらに近づいてくる。

「こんにちは。えっと〜……」
「どうしてですの!どうしてあなたなんかを焔様が選ぶのです!」
「…焔様……美虹が……いいって……いってた…」「みくみくを愛してるからだよ〜愛に理由なんかないんだよっ!」
険しい顔でグイグイくる涼花と妬ましそうに美虹を睨みつける。雪兎は恋愛脳モードなのか熱く語る。

「涼花ちゃんに鈴花ちゃん…あのね」
「私たちが…私たちこそが特別なんですわ!他は要らないんです!」
「……許さ……ないの……」
美虹が話そうとすると自分たちが言いたいことだけ言って去っていった。昨日と同じパターン。
美虹晴ため息をついた。
「きっと悔しいんだね。ねぇ、私みたいな下位のアヤカシごときでも焔様にお会いできないかな?」
「大丈夫じゃない?」

学校帰りに雪兎と朱雀神社に寄ることにした。