【七月十日】

 やっぱり視線を感じる。
 もう勘違いじゃないと思う。
 でも柊には言えない。
 だからまた、突き放すようなことを言ってしまった。柊、少し泣きそうな顔してた。
 もし言っていいなら、全部打ち明けたい。
 柊のこと、もう傷つけたくない。
 でもそれ以上に負担になりたくない。
 それに、今柊は部活を頑張ってるから邪魔出来ない。
 仕事が忙しいお父さんとお母さんにも言えない。

 だから、たまたま告白してくれた先輩に塾まで送ってもらうことにした。
 先輩の恋心を利用してしまって本当にごめんなさい。 


 自分が弱くて、汚くて、本当に嫌になる。


 柊、どうか嫌わないで。