【六月十八日】

 すっかり梅雨になってどんよりした天気なのが嫌だ。でも柊が紫陽花と一緒に写真を撮ってくれた! 
 嬉しかった。可愛く写ってたかな?

 今日は柊と久しぶりに帰れて嬉しかったのに、突き放すようなことを言っちゃった。
 でも、私が柊と離れないといけないと思ってる。
 最近女子の間で、こっそり柊は話題になってるんだよなあ。嫌だなあ、柊の魅力に気づかれるの。
 柊の顔が可愛いのも、すごく優しいのも、声がいいのも私だけ知ってたかった。
 柊が告白されたらどうしよう、なんて私が悩む権利ないのに。
 柊は優しいから、そばにいてって言ったらきっとずっと居てくれる。でも、それじゃだめだ。
 柊がちゃんとそばにいたいって思ってくれる、私じゃなきゃ。だから、甘えてばっかりいられない。
 こんなうじうじした私じゃ、まだ告白できない。

 でも、視線を感じることが増えた気がする。
 誰なの? なんで私のこと見てるの?

 気のせいでありますように。