俺は、自分に自信がない。 人前は緊張してしまって、声が裏返ったりする。顔が赤くなるのも最悪だ。 いつも隣にいる、幼馴染の宮脇朱莉(みやわきあかり)と比べるともっと落ち込んでしまう。 朱莉はどんな時も堂々としていてかっこいい。 勉強もスポーツも出来る彼女に対して、俺にはなんの取り柄もないと思っていた。 だけど。 「柊(しゅう)の歌声、すごく好きだなあ」 なんてことのない俺の歌声を、朱莉は笑顔で褒めてくれた。 だから俺は、これからも君のために歌うと誓うよ。 例え、どんなことが起こっても。