授業が終わり、一度学年室に戻って、次の授業の準備をしようとしたその瞬間。
「敏澤先生。」
後ろから自分を呼び止める声が聞こえ、ふと後ろを振り返ると、そこには大人しく成績優秀な事で教師の間で有名な"白 悠斗"という生徒がポツンと立っていた。
「ノートのこの部分に着いて教えて欲しいんですけど…。」
彼は教えて欲しい所を指差し、こちらを上目遣いで見てきた。