そういうと和美先生は、自前のハンカチを取りだし、
自分の顔に手を伸ばして、汗を拭いてくれた。
自分はその状況に戸惑ったが、若い先生に汗を
拭いてもらえることに、悪くないと思ってしまった。
「いやいやホントに…!資料室の中に鳥が入ってただけなんで……。」
「やっぱりなんかあったじゃないですか!!敏澤先生!
嘘はダメですよ!」
と和美先生が頬を膨らませて怒ってきた。和美先生は
ごもっともなことを言っている。心の中ですごく
反省した。
「後処理は自分がしとくので、先生は職員室に帰ってて下さい……!」
と和美先生の背中を押して、半ば強引に帰らせた。
その日はもう脳の収集がつかないまま、家に帰った。