太陽に掴まれた手首は、熱く熱を持っていた。冷たい水を持ってきてもらって、コップを当てて冷やしたが、胸の騒がしさは全く落ち着かなかった。自業自得だった。あんなに怒るとは思っていなかったが、怒らせたのは間違いなく俺だった。太陽の優しさに甘えていた自分が撒いた種だ。よく考えれば分かることなのに、何でそれが出来なかったのだろう。自分のことばかり考えていて、本当に情けない。
「赤澤くんてさ」
黒崎さんが口を開いた。
「まっすぐで良い子だと思うよ」
「…………知ってますよ」
じゃなかったらあんなに鬱陶しくつきまとわれても平気な顔なんてしていられない。
「さっきのはきっと、少し気が立ちすぎただけだって。俺もタイミング悪かったね。また拗らせてちゃってごめん。でも、真城も自分の気持ち、これでハッキリしたんじゃないの?」
黒崎さんの言葉が重たくのしかかった。そんなことは言われなくたって分かっていた。気持ちなんて、とっくのとうにハッキリしていた。俺はただ、自分に自信がなかっただけだ。
「ハッキリしたというか……。ちゃんとあいつから聞き出さないといけない気は……しました」
「へぇ。何を?」
黒崎さんが足を組み直した。
「あいつが、本当に俺のことが好きなのか……。それとも、この姿の俺が好きなのか」
不貞腐れたように答えると、黒崎さんは急に吹き出して大きな声で笑った。
「あっはっはっは!なんだよそれ!あははっ」
お腹を抱えてテーブルを軽く叩き、ヒィヒィ言いながら笑っている。
「そんなの聞かなくても分かってるくせに?」
「でも、あいつ、事あるごとにこの格好して欲しいって言ってくるし……」
溜息が聞こえ、黒崎さんを見ると目が合った。
「真城、俺はお前がどっちでも好きだよ」
「…………は?」
黒崎さんは、笑いすぎて出た涙を拭いながら、頬杖をついて俺をじっと見ている。その視線に苛立って、思わず小さな舌打ちをした。
「俺はアンタのことずっと苦手ですけど」
「ふふふ。知ってるよ。さてと……。俺は言いたいこと言ったから用事は済んだ。真城にもこの後用事できたみたいだし、今日はお開きにしよう」
黒崎さんは伝票を片手で攫うと、急に立ち上がってレジへ向かった。
「今日は俺の奢りだから、さっさと用事を済ませに行ってこい。ついでに、今度謝りに行くって彼氏に言っといて」
片手でひらひらと手を振って笑っている。余計なことを言われた俺の心臓は、またも破裂しそうなぐらいに早く鼓動していた。
「赤澤くんてさ」
黒崎さんが口を開いた。
「まっすぐで良い子だと思うよ」
「…………知ってますよ」
じゃなかったらあんなに鬱陶しくつきまとわれても平気な顔なんてしていられない。
「さっきのはきっと、少し気が立ちすぎただけだって。俺もタイミング悪かったね。また拗らせてちゃってごめん。でも、真城も自分の気持ち、これでハッキリしたんじゃないの?」
黒崎さんの言葉が重たくのしかかった。そんなことは言われなくたって分かっていた。気持ちなんて、とっくのとうにハッキリしていた。俺はただ、自分に自信がなかっただけだ。
「ハッキリしたというか……。ちゃんとあいつから聞き出さないといけない気は……しました」
「へぇ。何を?」
黒崎さんが足を組み直した。
「あいつが、本当に俺のことが好きなのか……。それとも、この姿の俺が好きなのか」
不貞腐れたように答えると、黒崎さんは急に吹き出して大きな声で笑った。
「あっはっはっは!なんだよそれ!あははっ」
お腹を抱えてテーブルを軽く叩き、ヒィヒィ言いながら笑っている。
「そんなの聞かなくても分かってるくせに?」
「でも、あいつ、事あるごとにこの格好して欲しいって言ってくるし……」
溜息が聞こえ、黒崎さんを見ると目が合った。
「真城、俺はお前がどっちでも好きだよ」
「…………は?」
黒崎さんは、笑いすぎて出た涙を拭いながら、頬杖をついて俺をじっと見ている。その視線に苛立って、思わず小さな舌打ちをした。
「俺はアンタのことずっと苦手ですけど」
「ふふふ。知ってるよ。さてと……。俺は言いたいこと言ったから用事は済んだ。真城にもこの後用事できたみたいだし、今日はお開きにしよう」
黒崎さんは伝票を片手で攫うと、急に立ち上がってレジへ向かった。
「今日は俺の奢りだから、さっさと用事を済ませに行ってこい。ついでに、今度謝りに行くって彼氏に言っといて」
片手でひらひらと手を振って笑っている。余計なことを言われた俺の心臓は、またも破裂しそうなぐらいに早く鼓動していた。



