「たとえば惣菜関係であればパートのイトウチーフ、といったようにな。店の仕事が多い分だけ必要な知識も多く、深くなっていく。だからこそ、細かく業務を分けているわけだ。分かるな?」
「分かっています! 了解です! 僕、お喋りは好きですけど、数字とか専門用語とかはよく分からないし、頭が痛くなるので、きちんと専門家に意見をうかがおうと思います! うふふ、チームワークっていいなぁ」
テルヒコの口癖があとに続いた。
店長は苦い表情を浮かべた。お前を中心にここ半年はチームワークが増しているな、と言いたかった。
そんな店長の心境を察してくれたのか、各パートのチーフや頼りがいのある経験豊富なアルバイト生の「何かあれば彼を助けますから」という励ましを受け、店長はようやく胃の痛みを消し去り午前十時の会議へ向けて店を出た。
※※※
店長が戻ってきたのは、十一時前。
その数分違いで、ワタベ副店長とニシノが入口から入ってきた。
きょとんとして「おや」と立ち止まるワタベ副店長の隣で、「まさか」と息を呑んだニシノが眼鏡を指先で押し上げる。
そうして――留守番を任されていた正社員であるテルヒコは、意気揚々と、数十分前の出来事を語り出したのだ。
※※※
「分かっています! 了解です! 僕、お喋りは好きですけど、数字とか専門用語とかはよく分からないし、頭が痛くなるので、きちんと専門家に意見をうかがおうと思います! うふふ、チームワークっていいなぁ」
テルヒコの口癖があとに続いた。
店長は苦い表情を浮かべた。お前を中心にここ半年はチームワークが増しているな、と言いたかった。
そんな店長の心境を察してくれたのか、各パートのチーフや頼りがいのある経験豊富なアルバイト生の「何かあれば彼を助けますから」という励ましを受け、店長はようやく胃の痛みを消し去り午前十時の会議へ向けて店を出た。
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店長が戻ってきたのは、十一時前。
その数分違いで、ワタベ副店長とニシノが入口から入ってきた。
きょとんとして「おや」と立ち止まるワタベ副店長の隣で、「まさか」と息を呑んだニシノが眼鏡を指先で押し上げる。
そうして――留守番を任されていた正社員であるテルヒコは、意気揚々と、数十分前の出来事を語り出したのだ。
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