開店前になると、パートとアルバイトがタイムカードを押して業務準備に入った。
そうして彼らより三十分遅れてやって来たのは――この店の勤務歴半年、店長たちの心配のもとである、新米正社員のテルヒコだ。
テルヒコは三十代に入っているとは思えない、むしろ二十歳そこそこといった面持ちで「えっへん」と自信満々にこう宣言した。
「任せてくださいよ。みんなの教えは、しっかり頭に入っていますからねっ。それに僕は、とっても利口なんです」
――だから、それが心配なんだって。
ワタベ副店長が彼に「心強いよ、よろしくな」と笑顔で言って握手しているかたらで、店長とニシノはぐっと息を止めていた。
何かあったらすぐ連絡するように、とニシノが言った。
店長は注意事項を念入りに確認したあげく、再三に繰り返す。
「いいか、何度も言っているように、分からないことは専門家に任せるべきだ」
「はい! それも頭にしっかり入れています!」
「うむ、よろしい」
調子のいい敬礼姿勢がなんとも店長の胃をきりきりと痛めてきたが、とにもかくにも店長はテルヒコに続ける。
そうして彼らより三十分遅れてやって来たのは――この店の勤務歴半年、店長たちの心配のもとである、新米正社員のテルヒコだ。
テルヒコは三十代に入っているとは思えない、むしろ二十歳そこそこといった面持ちで「えっへん」と自信満々にこう宣言した。
「任せてくださいよ。みんなの教えは、しっかり頭に入っていますからねっ。それに僕は、とっても利口なんです」
――だから、それが心配なんだって。
ワタベ副店長が彼に「心強いよ、よろしくな」と笑顔で言って握手しているかたらで、店長とニシノはぐっと息を止めていた。
何かあったらすぐ連絡するように、とニシノが言った。
店長は注意事項を念入りに確認したあげく、再三に繰り返す。
「いいか、何度も言っているように、分からないことは専門家に任せるべきだ」
「はい! それも頭にしっかり入れています!」
「うむ、よろしい」
調子のいい敬礼姿勢がなんとも店長の胃をきりきりと痛めてきたが、とにもかくにも店長はテルヒコに続ける。


