あの日から数日経った今日。
私は、上地くんと一緒に紡のお墓参りに来た。
お墓には綺麗な花が添えられていて、紡の親御さんが頻繫にお墓に訪れては手入れをしていることがよくわかった。
花の他にも、紡がよく食べていたお菓子や、毎日飲んでいたお茶などがそなえられていた。
まるで紡が目の前にいるかのような、紡のもので溢れたお墓。
ここで、紡は眠りながら、いつもと変わらない日々を夢見ているのかな。
「紡、上地くんが来てくれたよ。確か、一年生のときにクラスが一緒だったんだよね」
私はそう紡に話しかけながら、お線香に火をつけた。
最初は少し怖いと思っていたこの動作も、いつの間にかこんなに自然とできるようになった。
「山端、久しぶり」
上地くんも慣れた手つきで、お線香に火をつける。
彼女さんのお墓参りで慣れたのだろう。
お線香を添えるまでのすべての動きが繊細で、どこかいつもとは違う上地くんの纏う雰囲気を、お線香に灯る火を見て感じた。
紡。私、テストの点数落ちちゃった。
紡がいなくなると、誰とも競争していないみたいに思っちゃって。駄目だね、私。
あの日、私を止めてくれてありがとう。
紡のおかげで、最近は「水」を見ることも減った。
いつも紡は私たちを見守ってくれてるんだね。ありがとう。
最近、上地くんが私のことを気にかけてくれてて、よく話すんだよ。
すごく優しい人なんだね。紡もクラスが一緒のときは仲良くしてたんだっけ。
上地くんも、大切な人を亡くしたことがあるんだって。
だから、お互いわかることがたくさんあって、毎日が段々楽しくなってきてるんだ。
きっと、紡が私たちを出会わせてくれたんだよね。
ありがとう。また楽しく生きていけそうだけど、やっぱり少し心細いから、たまにはこう話してくれると嬉しい。
いつも見守ってくれて本当にありがとう。これからもよろしくね。
そう思いながら手を合わせる時間は、本当に静かだった。
「長かったな」
上地くんがそう言ってきて、私は、
「そうかな?たくさん話しかけちゃった」
と、笑顔で紡の方を見た。
お墓をもっと綺麗にし、勉強熱心な紡に、と持ってきた小さなノートと鉛筆を添え、私たちはお墓を後にした。
涼しい風が吹き抜け、制服が踊り、太陽は柔らかい光を届けていた。
私は、上地くんと一緒に紡のお墓参りに来た。
お墓には綺麗な花が添えられていて、紡の親御さんが頻繫にお墓に訪れては手入れをしていることがよくわかった。
花の他にも、紡がよく食べていたお菓子や、毎日飲んでいたお茶などがそなえられていた。
まるで紡が目の前にいるかのような、紡のもので溢れたお墓。
ここで、紡は眠りながら、いつもと変わらない日々を夢見ているのかな。
「紡、上地くんが来てくれたよ。確か、一年生のときにクラスが一緒だったんだよね」
私はそう紡に話しかけながら、お線香に火をつけた。
最初は少し怖いと思っていたこの動作も、いつの間にかこんなに自然とできるようになった。
「山端、久しぶり」
上地くんも慣れた手つきで、お線香に火をつける。
彼女さんのお墓参りで慣れたのだろう。
お線香を添えるまでのすべての動きが繊細で、どこかいつもとは違う上地くんの纏う雰囲気を、お線香に灯る火を見て感じた。
紡。私、テストの点数落ちちゃった。
紡がいなくなると、誰とも競争していないみたいに思っちゃって。駄目だね、私。
あの日、私を止めてくれてありがとう。
紡のおかげで、最近は「水」を見ることも減った。
いつも紡は私たちを見守ってくれてるんだね。ありがとう。
最近、上地くんが私のことを気にかけてくれてて、よく話すんだよ。
すごく優しい人なんだね。紡もクラスが一緒のときは仲良くしてたんだっけ。
上地くんも、大切な人を亡くしたことがあるんだって。
だから、お互いわかることがたくさんあって、毎日が段々楽しくなってきてるんだ。
きっと、紡が私たちを出会わせてくれたんだよね。
ありがとう。また楽しく生きていけそうだけど、やっぱり少し心細いから、たまにはこう話してくれると嬉しい。
いつも見守ってくれて本当にありがとう。これからもよろしくね。
そう思いながら手を合わせる時間は、本当に静かだった。
「長かったな」
上地くんがそう言ってきて、私は、
「そうかな?たくさん話しかけちゃった」
と、笑顔で紡の方を見た。
お墓をもっと綺麗にし、勉強熱心な紡に、と持ってきた小さなノートと鉛筆を添え、私たちはお墓を後にした。
涼しい風が吹き抜け、制服が踊り、太陽は柔らかい光を届けていた。



