火事の中、消防士に助け出される、みちる。

黒いワンピースを着せられ、誰かに連れられて葬式に参列する、みちる。

少年野球で、ピッチャーをして、盗塁もこなして、得意満面のみちる。

警察官の姿で、警察学校の卒業式に臨む、みちる。

愛宕寛治におんぶされて、壊れたハイヒールをブラブラさせ、泣いている、みちる。

伝子に紹介され、はにかんでいる、みちる。

駐車違反取り締まりで、駐車違反者に、平手打ちをする、みちる。

叔父でもある、署長に叱りつけられている、みちる。

EITOに参加し、ワンダーウーマンの格好で闘う、みちる。

エマージェンシーガールズ姿で闘う、みちる。

後輩の、あかりとはしゃいで、伝子に叱られる、みちる。

つわりに苦しむ、みちる。

流産し、病院のベッドで泣いている、みちる。

取調室で、激しく被疑者を問い詰める、みちる。

暴走すている犯人を、取り押さえる、みちる。

引っ越しに慌ただしく動き回る、みちる。

ヌンチャクの特訓をしている、みちる。

三節棍の特訓をしている、みちる。

シューターの特訓をしている、みちる。

ブーメランの特訓をしている、みちる。

バトルスティックの特訓をしている、みちる。

部屋の片隅にある、小さな、網かけのセーターを見て、箱にしまうみちる。

袢纏を着た叔父の膝枕で出ている、みちるが目を覚ます。

「怖い夢を見たのかい?みちる。」「火事の夢。もう一度寝ていい?」「いいよ。」

みちるは寝入る前に叔母の唄声を聞いていた。

この道は いつか来た道
ああ そうだよ
 

―完―