夜は、やっぱりまだ少し怖い。

深い闇に包まれるたびに、心の中で何かが揺れる。

けれど、彼女が言った言葉を思い出すと、不思議と心が温かくなる。

「怖くはないよ。夜がまたねって言っても、僕らきっと灯火の元、導かれて逢えるよ。」

その言葉が、今も静かに心を照らしてくれる。

たとえ彼女がそばにいなくても、彼女の言葉がずっと彼を守っている。

だから、「僕は僕を認めてみようと思う」。

もう少しだけ、歩いてみようと思う。

「じゃあね。きっと、笑えるまで。」

彼は夜空を見上げ、静かに息を吐いた。

涙がこぼれたその場所に、ほんの少しだけ光が差し込んでいた。